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株主・投資家情報(IR)
2020.02.14

2019年12月期決算記者会見 要旨

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2020年2月14日
日本ペイントホールディングス株式会社
広報部

201912月期決算記者会見 要旨

〔記者会見概要〕
日時:2020年2月13日 15時40分~16時20分
場所:大阪市内会議室
登壇:代表取締役会長兼社長 CEO田中正明、専務執行役員 CFO若月雄一郎

〔代表取締役会長兼社長CEO 田中正明 ご説明〕PDFで閲覧する

1.全体の業績の動向
2019年12月期の業績動向は、一言でいえば、実質ベースで増収増益でした。
まずは、短信ベースでご説明しますと、売上収益6,920億円、営業利益781億円、税引前利益795億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は367億円となりました。売上収益は、2019年に買収したDuluxGroupならびにBetek Boya社の連結子会社化に加え、中国の建築用塗料事業が好調を維持し、前期比で10.3%増となりました。一方で、新規連結2社の貢献や、M&A関連費用、減損損失、為替の影響等の特殊要因を除いた実質ベースでは、売上収益は、対前年比3%増で、186億円の増収となります。
次に、営業利益は、原材料の調達価格の低減等により、RMC比率(売り上げに占める原材料費の割合)が改善したものの、既に発表しております通り、自動車用塗料の欧州ならびにインド等で、113億円の減損損失の計上等により、短信ベースでは9.8%減と前期を下回りましたが、実質ベースでは、4.8%増と37億円の増益となっています。

2.地域別の業績
地域別にみてみますと、「日本」セグメントでは、売上収益は、建築、外装用塗料でのリテール領域の売り上げ拡大が寄与するとともに、工業用塗料では、前期に発生した自然災害からの復旧に伴う需要増加もあり、前期並みの1,826億円となりました。営業利益は、海外グループからの配当136億円を除くと、M&A関連費用22億円の計上や販管費の増加等により、前期比21%減の234億円となりましたが、実質ベースでは、前期比10.7%減の244億円となっております。

「アジア」セグメントでは、自動車用塗料では、中国および、インド、タイを中心とした自動車生産台数の減少による影響があった一方で、当社がトップシェアを誇る中国の汎用塗料を中心に、BtoB領域とDIY  領域が継続的に伸長した結果、売上収益は対前年比1%増の3,592億円と前期を上回りました。実質ベースでは、5.3%増の3,744億円となります。営業利益は、中国を中心とした汎用塗料の増収効果やRMC比率の改善効果があったものの、インドの減損損失の計上により、前期を3.1%減の508億円となりましたが、減損損失等を除いた実質ベースでは、16.3%増の527億円となり、強い成長力を維持しています。

米国、メキシコ・ブラジルを含む「米州」セグメントでは、汎用塗料での高付加価値商品の拡販や、店舗数拡大の効果がありましたが、自動車用塗料における生産台数の減少や為替の影響等があり、売上収益は 前期比0.8%減の746億円となりました。実質ベースでは、0.3%増の754億円となっております。営業利益では、汎用塗料がプロダクトミックス(製品構成)の改善等により、前年比0.4%増の50億円となりました。

欧州を中心とする「その他」セグメントでは、自動車用塗料において、欧州域内の自動車生産台数の減少や、為替の影響等があったものの、買収したBetek Boya社の売上収益151億円の貢献もあり、売上収益は101.5%増の280億円となりました。欧州域内の自動車生産台数の低迷および減損損失78億円の計上により、70億円の営業損失となりました。今期から新たに追加した「オセアニア」セグメントでは、買収したDuluxGroupが寄与し、4か月分で、売上収益476億円、営業利益59億円となりました。

3.配当について
期末配当は、3月末開催の株主総会においてご承認いただくことを前提に、計画通り23円を予定しております。年間配当額は45円となります。

4.新型コロナウイルスの当社対応と業績への影響
中国を中心に拡大しております、新型コロナウイルスに関する当社の対応についてご説明いたします。既にプレスリリースで発表しておりますとおり、1月28日付けで当社は「新型コロナウイルス感染対策本部」を立ち上げ、情報収集とBCP(事業継続計画)の構築・検証等にあたっています。その対策会議は、本日も実施しました。この中で、グループの社員の安全確保を最優先とし、中国の全従業員約9,000人、一人ひとりの状況を毎日モニターしております。現在、中国で働く当社グループの社員の新型コロナウイルスへの感染はございません。

当社は中国の現地法人への支援を全面的に行う方針を決定しています。支援物資を現地へ送るとともに、総額400万元(約6,400万円)の寄付を実施します。既に、1月30日に現地法人のNippon Paint China(立邦投資有限公司)が、200万元(約3,200万円)を湖北省咸寧(かんねん)の赤十字に寄付しておりますが、日本ペイントホールディングスからも追加で、中国赤十字社ならびに上海赤十字社にそれぞれに100万元、合計で200万元(約3,200万円)の寄付を実施することを、本日の取締役会で決定しました。更に、トルコやインドなどの海外グループ会社からも、マスク等の支援物資を多数、現地に送付しております。グループを揚げて中国をサポートします。中国語で「中国加油」、「中国頑張って!」という運動を実施しています。

中国の現地法人は、政府の方針に沿って春節休暇を2月9日まで延長しておりましたが、10日から湖北省等を除き業務を再開しております。原材料調達につきましては、一部輸入品に遅れが出る可能性がございますが、代替品の利用を検討するなど、中国国内外への影響は現時点では限定的であると見ています。

新型コロナウイルスの2月13日時点で感染者は、60,000人を超え、中国を中心に未だ拡大を続けており、まだ沈静化のタイミングが見えておりません。そのため、20年度第1四半期への影響は避けられませんが、現時点で業績への影響を合理的に算出できない状況にあり、20年度の通期見通しについては、後日改めて開示させていただきます。

新型コロナウイルスの問題が一日も早く沈静化することを祈るばかりですが、建築用塗料等を早期に回復させる当社の立ち上げ能力は極めて高いと見ています。いくつか事例をお話ししますと、2月10日から3つの工場以外は全て稼働を始めています。また、オフィスの6割の社員が在宅を含め勤務を開始しています。中国政府の要請により、工場については、マスク着用の義務、マスク在庫の義務、消毒液の配備等を実施しています。消毒液は日本からは危険物ということで送ることができませんが、我々の溶剤工場では、消毒液を自分たちで作ることを始めています。現時点での工場の稼働状況は、停止している工場を除き3~4割程度で、お客様の現時点での要望には十分対応できる生産能力を維持しています。フル稼働が必要であれば、直ちにフル稼働できるよう、準備状況を毎日モニタリングしています。現地での再開に向け、当社グループ総力を挙げて中国のオペレーションをサポートし、対応してまいります。

5.指名委員会等設置会社への移行について
昨年9月20日に発表しております通り、当社は、3月26日の株主総会での承認を経て、「指名委員会等設置会社」へ移行する予定です。指名委員会等設置会社になりますと、取締役会が指名委員会・報酬委員会・監査委員会という3つの委員会の活動などを通じて経営の監督をおこなう一方で、取締役会が選任する執行役が取締役会から権限委譲を受けて業務執行をおこなう形態となります。これにより、執行役による迅速な意思決定に基づく事業運営の遂行が可能となる一方、取締役会は執行役の戦略を十分に理解した上で、執行役の事業運営に対して攻めと守りの両面から監督機能を発揮することになります。株主総会の承認を得られると、取締役会の構成は、独立社外取締役が9名中6名と、全体の3分の2を占めることになります。コーポレートガバナンスコードにも記載してありますが、独立性と客観性を持った取締役会を作り上げることになります。また、1月24日には、委員会の構成を発表しておりますが、会長兼社長CEOである私は、指名委員会、報酬委員会、監査委員会には、委員としては参加致しません。委員会に呼ばれて説明をすることはありますが、委員としての議決権を持たないことになります。これは、取締役会機能の独立性を維持することは、少数株主の保護の観点からも非常に大事であるとの考え方によるものです。こうしたガバナンス体制を作り上げ、必要であればさらなる改革を進めていきたいと思っております。

〔質疑応答 要旨〕

Q1
コロナウイルスの影響で来期の見通しを開示していないが、今までに開示しなかった事例はあるのか。
A1
田中:2011年の東日本大震災時にあります。今回は新型コロナウイルスによる非常事態であり、現状は不確定な要素が多い状態にあるため、来期の見通しは、もう少し状況が見えてから発表したほうが責任ある説明ができるという判断から開示延期の決定をいたしました。これは、東京証券取引所の方針にも沿ったものです。
Q2
外務省の在留邦人の撤退が呼びかけられており、検討するようにとのことだが、御社の場合はどうなっているのか。
A2
田中:現在、日本人が8名中国に駐在しています。全員、基本的に在宅勤務を行っておりますが、何か懸念があればすぐに帰ってくるように、と伝えてありますし、毎日彼らの状況をモニターしています。外務省が出したガイドラインも勘案して、彼らの健康を守るため、やるべきことはやりたいと考えています。
Q3
決算内容について、自動車生産台数は世界的に減少しており、御社も影響を受けていると思われるが、この見通しはどのように考えているのか。
A3
田中:世界の自動車生産台数に関しては、当面は非常に厳しい環境にあると思っています。当然、我々もその影響は受けることになります。中国で新型コロナウイルスが発生する前は、日本の自動車会社が中国国内でシェアを上げて活躍されており、我々にもベネフィットがありました。また、中国における当社の自動車事業売上の約3割が地場自動車会社であり、生産台数が減少すると、見通しは落ち込む懸念があると考えております。
Q4
中国に関して、すでに先のことを考えて代替生産をするなど、稼働していない工場の手当ては考えているか。
A4
田中:現時点で代替の工場を考えるというアプローチは取っておりませんが、現在ある約50の工場のうち、3工場以外は一定の範囲で稼働を開始しております。今後は、顧客側の立ち上がり状況を見て、それら既存工場の稼働をどのようにしていくか検討していきます。
Q5
コロナウイルスの影響がいつ収拾するかはわからないが、何か月ほどこの状況が続けば次の対策を考えるのか。
A5
田中:毎日状況は変わっており、日々状況をモニターして、必要な対策を検討しています。中国汎用塗料事業のお客様には建設会社が多いですが、中国の建設会社の多くは2月10日から事業を再開しています。従いまして、その建設会社や、建設現場に対して、塗料の供給を何とかしようとしているところです。先ほどもお話しした通り、当社の工場はすでに3~4割、稼働を始めております。日系の自動車会社は様々な発表をされていますが、中国地場の自動車会社のほとんどは、既に生産を再開しております。再開の程度はございますが、中国の方々は、ここ2、3週間で生産を元に戻す勢いで事業を進めておられるという印象を受けています。
Q6
日産自動車の九州工場が一時停止されるとのことだが、影響はあるか。
A6
田中:日産自動車は当社の重要顧客ですが、九州工場に関して特段のお話は伺っておりません。ただし、必要であれば全力でご支援するつもりです。
Q7
中国で3つの工場が止まっているが、全部、湖北省内で所在するものか?どういった生産項目で、どういった企業向けの工場か?可能な範囲で生産規模、全社工場全体、日本ペイントの工場全体に占める3つの工場の生産規模を教えていただきたい。
A7
田中:稼働していない3工場のうち、2つは湖北省に、もう一つは河北省にあります。全体に占める割合は、手元に資料がないので、この場ではお答えできかねますが、湖北省の一つは自動車用部品で、日系企業に塗料を納めています。汎用塗料の工場に関しては、その多くが生産を開始しており、当面大きな問題にはならないだろと思っています。
Q8
湖北省の自動車の塗料の工場が今止まっていることで、日系自動車メーカーへの供給が滞るようなことはなく、他の工場でカバーできているということか。
A8
田中:お客様が動けるときに我々は対応できるように準備を進めています。日系の自動車会社の生産開始は、だいたい2月17日が多いと思いますが、それに向かって我々は準備を進めるということです。
Q9
決算とは関係ないが現状のR&Dの方針、課題認識等を教えていただきたい。
A9
田中:当社には国内で約3,000人の従業員がいます。そのうち約1,000人が技術者、つまり国内社員の3人に1人が技術者です。この技術者の力を、どのように発揮してもらうのかが、経営上の大きなテーマだと考えています。技術者が活躍できる場をどう作るかの議論もスタートしました。1,000人の技術者の強みや弱み、さらには今後どうなっていくのかなどの分析を行うとともに、技術者をどう育てていくかの議論も始めたところです。オープンイノベーションを進めるため、研究施設や大学などの外部機関との接触や協働を強化するなど、今後様々な機会を模索していきます。当社の創業者の茂木重次郎は、社会的な課題を見つけて、その課題に塗料技術でどのように解決するか、というところから事業を始めております。つまり、当社は技術力を重視してきた企業です。技術者のアイデアに基づき、ものづくりを行い、製品を販売することで、当社は成り立ってきたわけです。当社の将来をつくる種は、技術の世界から創出されるべきであると考えており、わが社の技術者たちには「次のノーベル賞は当社から出す」という意気込みで頑張ってほしいと思っております。
Q10
武漢の工場を再開する可能性はあるのか?
A10
田中:例えば、自動車塗料については、自動車会社の生産部門と密に連携しておりますので、自動車生産工場が稼働する時には、我々も動いていなければなりません。武漢の工場については、地方政府の指導に従いながら、再開時期を検討していきます。
Q11
御社の工場の稼働時期はいつか?
A11
田中: 実はもう既に動き始めており、当社の約9,000人の中国人の社員は、操業再開に向けて極めて前向きで、とても力強く頼もしい仲間たちだと感じています。また、新型コロナウイルスに感染した社員は一人もおりません。彼らは、二週間くらいで何とか元に戻したいという勢いで準備をしてくれております。もちろん第一四半期はそれなりに影響を受けると思いますが、彼らは、動き出したらその影響分を全部取り返すと言っています。
その勢いに加えて、わたくし共には、こういう事態の中で必要であれば、当社グループから中国の事業に対して必要な財務的なサポートをする力もあります。BCPで事業を再開するには、自らで再開できる準備ができていることと、再開まで必要なキャッシュを持っていることが大切です。当社にはそれらが十分にありますので、中国の社員は安心して準備ができるわけです。中国の社員は素晴らしい仲間だと思っています。
Q12
影響は限定的だと仰った一方で、業績予想で合理的な計算ができない理由は?
A12
田中:まずは中国の外の影響は比較的限定的ですし、原材料にボトルネックがあり製造できない、供給にマイナスの影響があるという要素も今のところありません。代替品によって十分可能という判断がありますので、影響は限定的と考えております。もう一方では、工場も全体の3~4割が稼働していますが、フル稼働ではなく、物流面でも影響を受けています。感染の拡大が止まらないことなどによって、また稼働が停止するリスクはゼロではありませんので、今は状況を注意深くモニターせざるを得ません。これは中国の売上が4割近い当社の売上に直接影響いたしますし、この変動要素が大きい中で、売上と営業利益を出すことは、責任ある開示ではないと考え、今回は見送らせていただきました。中国国内で50か所近い工場のうち、3か所を除いては事実上2月10日から稼働をしていますが、特に第一四半期は間違いなく影響があると見ております。沈静化のタイミングを想定し、複数のシナリオを作成しておりますが、この状況で数値をお出しすることの方が、投資家の皆様を惑わせることになると判断いたしました。新型コロナウィルスの感染拡大の状況が沈静化し、見通しが立てば速やかに開示を致します。

以上

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