日本ペイントホールディングス株式会社(本社:大阪市北区、社長:田堂哲志)は、本日、大阪本社ビルにおいて2016年度の入社式を実施いたしました。今年度は、技術系21名、事務系5名、合計26名の新入社員が入社しました。
以下に、社長式辞全文を掲載いたします。
【社長式辞】
おはようございます。初めてお目にかかります。社長の田堂です。26名の新入社員の皆さん、ようこそ日本ペイントホールディングスへ。
入社、まことにおめでとうございます。無限の可能性を持った皆さんを新しい仲間として迎えることとなり、大変嬉しく、日本ペイントホールディングス・グループを代表し、入社を心から歓迎いたします。
さて、当社は、去る3月14日に創業135周年を迎えました。
1881年、創業者である茂木重次郎氏が、東京・芝に当社の前身である「光明社」を設立、わが国初の洋式塗料を事業化して以来、実に135年もの歳月が流れました。当社の歩みは、そのまま我が国における塗料工業発展の歴史です。私たちは、この歴史を誇りに思うと同時に、明治から連綿と続く歴史の「今」を担い、また、未来へと繋ぐ責務もあることをしっかりと自覚せねばなりません。皆さんも本日からは日本ペイントホールディングス・グループの一員として、当社グループの持続的成長のための「たすき」をつないでゆく責務を担っているということをぜひ認識していただきたい。
現在に目を転じますと、当社は、一昨年10月1日に持株会社体制に移行、日本ペイントホールディングスとなり、昨年4月1日には4つの中核事業会社を設立いたしました。ホールディングスへの移行は、当社が真のグローバルプレーヤーとして大きく成長してゆくために、地域や事業の成長モデルに応じて、迅速かつダイナミックな意思決定、事業運営の実現を目指し、「ポートフォリオ経営」に舵を切ったことを意味します。また、事業会社を設立した目的は、地域や事業によっておかれている環境や成長のために取り組むべき課題が異なるためです。従って、それぞれの事業会社に最適な成長戦略の策定と実行を強く促進させることにあります。事業会社には大幅な権限を委譲し、それぞれが成長への軌跡を描き、実現することを求めています。皆さんには一日も早くその一員となっていただきたい。
また、昨年度、2015年度から中国を始めするアジア各国で展開する合弁事業を連結し、日本はもとよりアジアでもNo1の塗料メーカーになりましたが、世界の塗料業界は現在、変革期にあります。つい10日ほど前には、世界 第3位の塗料メーカーである米国のSherwin-Williamsが、世界 第5位であるやはり米国の塗料メーカー、Valsparを買収することを発表し、買収が完了する予定の2017年には、売上高約2兆円の世界最大の塗料メーカーが誕生する見込みです。わたしたちはこのようなグローバルな塗料業界に打って出て、伍して戦うために、昨年度、長期ビジョンを策定し、さらには、中期経営計画を開始し、「世界のトップ塗料メーカーと肩を並べる」、すなわち、「グローバルペイントメジャーへの挑戦」に着手しました。
この中期経営計画の詳細については、今後学び、その達成に向け、それぞれの立場で取り組んでいただきたいと思いますが、このチャレンジの2年目に、皆さんは私たちの仲間に加わりました。本日から、世界にチャレンジするという大きな志を持ち、社会人としてのスタートを切っていただきたいと思います。
過去に、現在ほど経済状況・経営環境が絶えず大きく変化し、先を見通すことが困難だった時代はありません。今後もこのような状況が続くと思います。企業業績は相対的に良くなったり悪くなったりしますし、日本ペイントホールディングスも例外ではありません。良い会社と思って、縁あって当社を選択し、入社されたことと思いますが、堅牢な経営体質を持った企業となるために、皆さんにもぜひ貢献していただきたい。当社は、自己研鑽し、自己実現する機会や場を提供しますが、実際の業務で成果を出すと同時に、自分の価値を高める努力を決して止めてはなりません。その価値を発揮する場が会社なのです。
どうしてこのテーマをやらねばならないのか? どうしてこの業務をやるのか? それはどのような貢献になるのか? それをどうやって実現してゆくのか? といった、PD‘R’A〔当社ではPlan Do Check Actionではなく、Plan Do ‘Review’ Actionです〕をしっかりマネジメントできる人材になっていただきたいと思います。
日本ペイントは135年の長い歴史の中で、共存共栄を基本理念として、社業を通じ、社会公共の福祉に貢献するという使命を自らに課してまいりました。1920(大正9)年に制定し、1964(昭和39)年に表現を現代風に改めた社是は、具体的には、
- われわれは共存共栄の理念に基づいて親和協力の実をあげ、社業を通じて社会公共の福祉に貢献する
- 信義誠実をむねとし、明るい会社の創造に邁進する
- 栄誉ある社歴と光輝ある伝統を重んじ、常に事業の進歩発展に心がけ、会社の繁栄によって生活の向上をはかる
でした。ここで謳われていることは、どのような経済状況・経営環境にあったとしても、私たち全員が常に追い求め続けなければならない、不変のものです。日本ペイントホールディングス・グループがこの世界に存在する意義であり、社員がここに集った理由でもあります。仕事で困ったときにはこの社是に立ち戻り、もう一度見直して、また歩を進める、言うなれば<よりどころ>でもあります。常に念頭に置いて、職務に取り組んでいただきたい。
最後に、皆さんは今までご両親を始めご家族や恩師、また社会から守られて育ってこられた。社会人となられた今、皆さんが「世のため、人のため」に貢献する立場に変わります。心してこの門出を迎えていただきたい。
26名の皆さんお一人おひとりが心身ともに健康で、それぞれの持ち場で持てる能力を如何なく発揮し、本日から始まる日本ペイントホールディングスでの日々が充実したものとなりますことを祈念し、私の式辞といたします。