サステナビリティへの取り組み

当社グループは、社会課題の解決を通じて富の創出を図り、株主価値最大化を目指しています。

マテリアリティ

MSVの前提としてのサステナビリティ

マテリアリティに基づくサステナビリティ

当社が「EPS・PERの最大化」につながる活動を推進する上で、顧客・取引先・従業員・社会などへの責務を十分に果たすことが大前提であると考えています。2020年にグローバルの視点で特定したサステナビリティを巡る重要な課題(マテリアリティ)に関する取り組みは、こうした責務を果たすものです。そして、事業機会を見出し、新市場に参入するなど、当社ビジネスに直結させることを要諦としています。将来的な法規制に対処することや、社会が求める具体的な課題の変化へ競合他社に先んじて対応することを通して、費用増加の回避や事業リスクそのものの抑制などを見込んでいます。
当社は、マテリアリティに関するリスク・機会を中長期的な視野で幅広く把握する一方、マテリアリティそのものに変化がないかを注視しつつ、「アセット・アセンブラー」モデルのもとで、成長戦略を支えるイノベーション創出などにつなげています。こうした取り組みを通じて、収益の拡大や期待値の向上(EPS・PERの最大化)を図り、MSVを実現していきます。

マテリアリティの特定プロセス

マテリアリティの特定においては、社会が求める重要課題をGRIやSASBなど国際的なESGガイドライン、ESG調査機関の要求項目を参考にリストアップし、それらを「ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」という2つの側面から定量評価し、重要度を検証しました。また、外部の有識者との対話により客観的な視点も取り入れた上で、国内外のパートナー会社と議論し、当社の事業モデルや事業環境に即して重要課題を抽出し、マテリアリティとして特定しました。
サステナビリティ推進体制やKPI特定に向けた取り組みは、"サステナビリティ戦略"参照

サステナビリティ
マテリアリティ(重要課題)
経営モデル「アセット・アセンブラー」
株主価値最大化(MSV)

※ESGマネジメント体制は、こちらをご覧ください

ミドルリスト
作成
  • ESG開示ガイドラインやESG評価機関評価、行動規範など11のグローバルスタンダードをもとに、当社が求められている75の項目を抽出し、ロングリストを作成、統合選択し、32 のミドルリストにまとめた。
ステークホルダーの意見
社内
アンケート
  • 新設した ESG 委員会(当時)を2020年4月に開催し、マテリアリティ特定プロセスを審議した。委員25名とESG 推進部(当時)部員などのアンケート調査を実施。32 のミドルリストについての意見を集約した。
グローバル
リスクなど
反映
  • グローバルに発生しているリスクを踏まえるため、化学セクターのリスクシナリオについてVigeo EIRIS社のコントラバーシーレポートなどを参照し、議論に反映させた。
  • グローバル化学セクター企業、先進的日系企業全般をピア企業として参考にした。
社内議論
  • ステークホルダーにとっての重要度と当社グループにとっての重要度を踏まえ、事業のサステナビリティの観点で 6 つのマテリアリティのグループを候補として特定した。海外パートナー会社との議論と合意を特に重視した。
社内議論
ステーク
ホルダーの意見
  • マテリアリティの候補について、各種ステークホルダーや独立社外取締役からの意見をヒアリングした上で、社内議論を経て最終案を作成した。
ステークホルダーの意見
承認
  • 2020年7月のESG委員会(当時)で審議し、8月の取締役会で最終承認を得た。
社内議論

マテリアリティ特定MAP

マテリアリティMAP

マテリアリティと関連するSDGs

2023年9月30日更新

チーム 当社の目指すもの マテリアリティ 関連するSDGs

環境&安全

低炭素・環境配慮型製品の開発

労働安全衛生の確保

気候変動
気候変動は、当社グループの事業やコミュニティに影響を及ぼしています。温室効果ガス排出の削減を通じて、気候関連リスクを管理し、機会を獲得していきます。

資源と汚染
持続可能な資源の利用や環境・生物多様性の保護は、当社グループの事業やコミュニティにとって不可欠です。製品とサプライチェーンにおけるライフサイクルと資源循環の改善に取り組んでいきます。

労働安全衛生
当社グループが手掛ける事業には、従業員やサプライチェーン、コミュニティに影響を及ぼしかねない重大な安全衛生上のリスクが存在します。これらのリスクを適切に管理し、被害を防止するために、特に深刻度の高いリスクへ重点的に対応していきます。

人とコミュニティ

多様な従業員の確保・育成

ステークホルダーからの信頼獲得

ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループを取り巻く人々を尊重し、多様な価値観を積極的に受け入れることは、持続的な成長にとって重要です。多様な発想、考え方を尊重することで、イノベーションと成長を促進していきます。

コミュニティとともに成長
バリューチェーンを通じたコミュニティへの投資を通じて、市場の拡大やブランドの強化、コミュニティとの良好な関係を構築し、事業の持続的な成長を実現していきます。

イノベーション

サステナブル製品の開発
(NPSI↗・LCA把握)

化学物質管理

社会課題を解決するイノベーション創出
今日の社会においては、従来の手法では解決が困難な課題が次々と顕在化しています。当社グループは、パートナーシップを積極的に活用し、イノベーションの創出力を強化していきます。

ガバナンス

経営の監督

リスクテイクの促進

全マテリアリティ

調達

低コストで持続可能な調達

環境・人権リスクの抑制

全マテリアリティ

※ 特定のマテリアリティを対象とするのではなく、全てのマテリアリティにかかわる


マテリアリティ/リスクと機会

2023年9月30日更新

チーム マテリアリティ リスク 機会

環境&安全

気候変動

気候変動は、当社グループの事業やコミュニティに影響を及ぼしています。温室効果ガス排出の削減を通じて、気候関連リスクを管理し、機会を獲得していきます。

  • 炭素価格設定や温室効果ガス排出量削減目標などの規制の変化やその影響
  • オペレーションやサプライチェーンに影響を及ぼす気象事象(洪水など)や気候への影響(水ストレスなど)の増加
  • 気候変動への適応と脱炭素化による調達費用の増加
  • 低炭素社会への移行期における顧客・消費者の期待や行動の変化
  • 性能劣化による製品クレームやブランド毀損(極端な気温による影響など)
  • サステナブル製品市場の成長(極端な気温に対応した低炭素製品の普及・製品の性能向上など)
  • 気候関連のビジネスチャンスを捉えた新製品・サービスの開発

資源と汚染

持続可能な資源の利用や環境・生物多様性の保護は、当社グループの事業やコミュニティにとって不可欠です。製品とサプライチェーンにおけるライフサイクルと資源循環の改善に取り組んでいきます。

  • 廃棄物処理の制限、処理費用の増加などの規制の変化や影響
  • 供給の制約や資源不足に伴うコストの増加
  • コミュニティに被害を及ぼすような重大事故や汚染(土壌や地下水など)
  • 循環型経済への移行期における顧客・消費者の期待や行動の変化
  • サステナブル製品の市場成長(再生可能製品、リサイクル製品など)
  • リサイクル技術、資源効率、循環原料の開発・活用による競争力の強化

労働安全衛生

当社グループが手掛ける事業には、従業員やサプライチェーン、コミュニティに影響を及ぼしかねない重大な安全衛生上のリスクが存在します。これらのリスクを適切に管理し、被害を防止するために、特に深刻度の高いリスクへ重点的に対応していきます。

  • 火災などの大規模な災害・事故による資産への被害、サプライチェーンの寸断、人的被害、コミュニティへの重大な被害
  • 工場や工程の新設・改修などの重大な変更による安全管理の有効性の喪失
  • 世界のベストプラクティスの採用・共有によるリスクの最小化
  • ブランド評価と従業員エンゲージメントを高め、安全を重視する職場として優秀な人材を獲得

人とコミュニティ

ダイバーシティ&インクルージョン

当社グループを取り巻く人々を尊重し、多様な価値観を積極的に受け入れることは、持続的な成長にとって重要です。多様な発想、考え方を尊重することで、イノベーションと成長を促進していきます。

  • 多様な人材の拡充を怠れば、従業員エンゲージメントの向上や継続的なイノベーション創出が阻害され、成長戦略に支障
  • ダイバーシティに関する活動を適切に実行できなければ、パーセプション(認識)リスクに直面(従業員に十分に評価されないプログラムやキャンペーンを実施する企業に対し、世界的に厳しい視線が注がれている)
  • グローバルカンパニーとして多様で優秀な人材を確保
  • 多様でインクルーシブな組織の構築を通じて、企業、労働者、コミュニティの豊かさを創出

コミュニティとともに成長

バリューチェーンを通じたコミュニティへの投資を通じて、市場の拡大やブランドの強化、コミュニティとの良好な関係を構築し、事業の持続的な成長を実現していきます。

  • コミュニティとつながり、投資する善良な企業市民として認知されない場合は、企業ブランドを大きく毀損
  • コミュニティに配慮した活動が不十分な場合、塗料産業のイメージが低下
  • バリューチェーンを通じたコミュニティへの投資により、企業ブランドの認知向上
  • 社会貢献活動によってコミュニティの健全な成長を促進し、当社グループに対するファンが拡大

イノベーション

社会課題を解決するイノベーション創出

今日の社会においては、従来の手法では解決が困難な課題が次々と顕在化しています。当社グループは、パートナーシップを積極的に活用し、イノベーションの創出力を強化していきます。

  • イノベーション創出力が不足した場合、新たな市場への適用が遅れるなど、将来の企業業績への影響が拡大
  • 気候変動の抑制・適応に寄与する製品市場が拡大
  • 社会課題を解決する製品やサービスは、長期的に社会貢献や企業業績に大きく寄与

ガバナンス

全マテリアリティ※

  • 「 アセット・アセンブラー」モデルに適応した自律・分散型の内部統制システムが適切に機能しない場合、当社グループに損害
  • 社会的責任と関連してコーポレート・ガバナンスの基準が厳格になる中、将来の課題や社会的要請に先駆けて対応することで、当社グループの存在意義や競争力が強化

調達

全マテリアリティ※

  • 調達した原材料がサステナビリティに関する基準に満たない場合、サプライチェーンが寸断(健全な警戒心のもと、原材料調達に伴う潜在リスクの特定に取り組む)
  • 紛争鉱物や化学物質管理などに関して責任ある調達を確保できない場合、企業評価に影響を及ぼし、法的な問題に発展
  • 取引先に対するサステナビリティ・アンケートを通じて潜在リスクを事前に特定。当社グループのサステナビリティへの取り組みに同調する取引先との協力のもと、より強靭なサプライチェーンの構築やサステナブル製品の開発が可能

サステナビリティ戦略の進捗

2023年4月7日公表

チーム マテリアリティ 2022年の主な取り組み・実績 2023年以降の目標・活動内容
環境&安全
  • 気候変動
  • 資源と汚染
  • 労働安全衛生
  • さらなる改善のための重点分野を特定
    • 気候変動
    • 資源の使用
    • 安全上の重大なリスク
  • 標準化された指標と実行計画の合意
  • 実行および開示
    • スコープ3
    • 水の使用量
    • 潜在的重大事故の件数
  • TCFDのリスクと機会の評価と取り組みの実行
人とコミュニティ
  • ダイバーシティ&インクルージョン
  • コミュニティとともに成長
  • 女性従業員比率向上のための取り組みを共有
  • ダイバーシティを認め合うというグループの方針を決定
  • グローバルCSR フレームワークを制定
  • 各地域の目標に合わせて女性幹部職比率を向上
  • グローバルな枠組みと目標に向けた長期のコミュニティエンゲージメント戦略を策定
イノベーション
  • 社会課題を解決するイノベーション創出
  • イノベーション戦略とロードマップを策定
  • サステナブル製品の再定義
  • グリーン・デザイン・レビューを策定
  • 再生材料を使用したパッケージの確立
  • サステナビリティ・スコアボード得点システム を導入するパートナー会社を拡大
  • 化学物質管理対象を特定し、フェーズアウト計画を策定
ガバナンス 全マテリアリティ
  • 取締役構成のダイバーシティ向上
  • 取締役による成長戦略議論の充実
  • 「Nippon Paint Group Global Code of Conduct」を制定
  • 「アセット・アセンブラー」モデルに基づく、グループ・リスクマネジメント基本方針の刷新、グループ内部通報窓口方針を制定
  • 成長戦略議論のさらなる高度化、後継者計画の充実・実行
  • グループ・リスクマネジメントの実効性向上と検証
  • 各パートナー会社の内部通報窓口制度の運用定着・実効性向上と検証
  • 社会の要請の変化に即応するガバナンス体制(コンプライアンス、リスクマネジメント含む)へのアップデート
調達 全マテリアリティ
  • グローバルチームを設立
  • サプライヤー行動規範の策定とサプライヤーアンケートを作成
  • 地域ごとにチームを編成
  • トライアルサプライヤー調査を実施
  • サプライヤー調査を実施
  • サプライヤーESG評価方法を定義
  • スコープ3開示原材料関連
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