ガバナンス

当社グループは、透明性・客観性・公正性を備えた経営を確保し、当社グループが活動する全ての社会からの信頼を得るために、実効性のあるガバナンスの枠組みを確立します。

リスクマネジメント

「アセット・アセンブラー」モデルに基づく内部統制
~ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス(GRC)の考え方~

事業活動に潜在し、MSV実現の脅威になり得るリスクにどのように対応するか?――当社は各パートナー会社グループ(PCG: 地域・事業ごとのPC群)との「相互信頼」に基づく「アセット・アセンブラー」として、各PCGが自律的に運営する内部統制シス テムを基本とするリスクマネジメントを実践しています。

MSV実現に向けた考え方

各PCGによる自律的かつサステナブルな成長の最大化が当社のMSV追求の鍵です。
各PCGが展開する塗料・周辺分野は、比較的地域性が強く、地産地消型の自律的な事業展開が適しており、各PCGは自らの事業展開する地域・市場に潜在するリスクに精通しています。
当社はこうした事業特性に鑑み、各PCG責任者に業務執行の権限と内部統制システムの運用責任を委ねることを基本とし、共同社長がPCG責任者からの各種報告を受けながら、PCG責任者の評価・選解任を行うことなどを通じて、グループ運営を統括することとしています。

内部統制システム基本方針における「グループ運営体制」の骨子

PCGに対する経営管理 重要案件の事前承認制、重要なリスクの適時報告体制など
PCG責任者の選解任 財務的要素に加え、内部統制に関する責務の達成度など、非財務要素も勘案して評価・決定
共同社長のPC重要会議への直接参加 重要なPCに関しては、その重要会議体に共同社長、その他の執行役が参加
「Audit on Audit」によるグループ監査 当社監査部と各PCGの内部監査部門の連携による監視

当社はこのような「アセット・アセンブラー」としてのリスクマネジメントを強化するべく、2022年1月に「内部統制システム基本方針」※1を改定・運用しています。本方針において、共同社長によって率いられる執行側のガバナンスの3つの核を「日本ペイントグループグローバル行動規範」、「グローバル・リスクマネジメント基本方針」、「内部通報窓口グローバル基本方針」とし、これらの運用を通じて、グループ全体のガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンスに関する実効的なモニタリングや必要な指示を行っています。

内部統制システム基本方針における3つの核

内部統制システム基本方針 日本ペイントグループ グローバル行動規範
当社グループ全社がグローバルに共有し、順守すべきコンプライアンス、倫理、サステナビリティに関する行動規範
グローバル・リスクマネジメント基本方針
「アセット・アセンブラー」モデルに基づく実効的なリスクマネジメント実践のための各社の役割・責任分担などを規定
内部通報窓口グローバル基本方針
各社による内部通報窓口の運用方針を規定

内部統制体制

この自律・分散型の内部統制体制 に加え、気候変動をはじめとする地 球規模の課題や将来に向けて行動す べき社会課題など、PCG 横断で取り 組むべき課題に対しては、共同社長の リーダーシップのもと、5つのサステ ナビリティ・チームを組成し、グローバ ルな取り組みを推進しています。それ ぞれのテーマは、「環境&安全」、「人とコ ミュニティ」、「イノベーション」、「ガバナ ンス」、「調達」であり、各テーマに長け たビジネスリーダーを中心に活動を 進めています
「MSVの前提としてのサステナビリティ」参照)。
こうしたグループ内部統制システム による各地域での事業に根差したリ スクマネジメントと、各サステナビリ ティ・チームによる将来課題や社会的 要請に関するグローバル活動の枠組 みは、共同社長の指揮、Group Audit Committee(GAC)※2における情報共 有などを通じて各PCGに共有されて います。そして、これらの枠組みを通じ たコミュニケーションが「アセット・ア センブラー」モデルを支える「相互信頼」 の基盤となっています。
適切なリスクマネジメントはMSV追 求の前提であり、当社は、変化する社 会情勢やステークホルダーのニーズを 注視し、内部統制システムのあるべき 体制・仕組みを適時見直し、適切な更 新を行います。

※1 詳細は、当社ウェブサイト「サステナビリティ」掲載の「内部統制」をご覧ください。
※2 各PCGの内部監査部門の責任者、当社の監査委員会・監査部により年2回開催される会議体

リスクマネジメント体制

「内部統制システム基本方針」の刷新に伴い、当社グループは2022年1月から「グローバル・リスクマネジメント基本方針」を運用しています。
本方針において、共同社長をリスクマネジメントに関する当社グループ全体の最高責任者、各PCG責任者を自らの展開する事業における第一線として、それぞれの役割を定義しています。各PCG責任者はリスクベースアプローチを用いた自主点検・自己評価(Control Self-Assessment (CSA))を行い、対処すべきリスクを特定し、管理計画の策定や改善を実行する責任を負います。
共同社長はこのCSAの結果報告を受け、グループリスクを地域・事業ごとに把握・分析した上で、各PCGの重要な経営会議体への直接参加などを通じて、実効的なモニタリング、必要なリスク対応を指示しています。
また、共同社長は当社グループ全体のリスクを俯瞰し、PCG横断で対処すべき共通リスクが認識された場合には、「リスクマネジメント委員会」を招集し、対策を審議・決定することとしています。
こうしたリスク分析の結果は、共同社長から監査委員会・取締役会へ報告されるとともに、各PCGのリスクマネジメント・内部監査の責任者が一堂に会するGACにおいて協議され、対応策に関するベストプラクティスの共有などが行われています。
加えて、上記とは別に、既定のレベルを超える影響度を有するインシデントの発生やリスクの発覚などのグループ全体に影響を及ぼすような危機(災害や環境汚染、製造物責任、品質問題、不正行為など)が発生した場合は、適時または即時に共同社長への情報共有を行い、共同社長が必要に応じてグループ横断での対応を指揮する体制としています。

グループリスクマネジメント・プロセス

リスクマネジメント活動

グループにおける高リスク感受項目(高リスク項目)への対応

当社は、毎年度実施するPCG責任者によるCSA結果から、当該年度において自社内、社会動向などを踏まえリスク感受度が高く評価された項目を「高リスク」項目として抽出・分析しており、2022年度の概況については以下の通りです。ここで認識されたリスクについては、各PCGが下表に示す必要な対策を実施しています。

  • 高リスクとして感受された項目は、2021年度から大きく変化していないものの、項目ごとにはリスク感受度が増減
  • 新型コロナウイルスの影響や政情不安が緊迫していた2021年度は、原材料の調達が途絶するなど、短期的かつ重大なリスクを懸念していたが、2022年度はより中長期的な原材料価格の高騰などの「事業継続計画(BCP)対応に係るリスク」や、ロジスティクスなどの「サプライチェーンに係るリスク」の感受度が増大傾向
  • M&Aによるポートフォリオ拡充に伴い、グループ間のブランド・技術・ノウハウの連携深化が生じたことなどに伴う「国際税務などに係るリスク」については、今後も各国法規制の改正を注視しつつ適正な仕組み確保が必要であるものの、PCG間での連携検討などが行われており、リスク感受度としては減少傾向

リスクヒートマップ

2022年度において
高リスクとして
感受された項目
(高リスク項目)
リスク感受度の
変化傾向
(2021年度対比)
リスク内容と主な対策
人的資本
に係るリスク
やや増大

■ グループ経営陣のサクセッションなど
(対策)

  • PCGごとに将来の事業計画に基づく後継者計画を立案・実行
  • 各PCGの主要経営陣の後継者計画は、重要な経営課題としてその状況を共同社長が監督しており、共同社長から指名・報酬委員会へも共有
事業継続計画対応
に係るリスク
やや増大

■ 世界的な原材料価格の高騰や為替影響、政情不安、新型コロナウイルスの影響、自然災害、 ITセキュリティを含むBCP対応など
(対策)

  • 各PCGにて自然災害、世界情勢、為替影響、ITリスクなどのさまざまな脅威に対して即時機動的に対応するべく、BCPの策定や更新、訓練、従業員への教育などを実施
コンプライアンスに
係るリスク
増大

■ 社会的にリスク増大している情報漏えい、従業員不祥事など
(対策)

  • 当社グループ全社がグローバルに共有し、順守すべきコンプライアンス、倫理、サステナビ リティに関する「日本ペイントグループ グローバル行動規範」を制定し、リスクマネジメント 活動の一環として、各PCGが自律的に実施するリスク自己点検・評価などを通じて行動規 範の順守状況をモニター
  • 各PCGの内部通報制度においてもコンプライアンスに係る通報の事例があり、当該PCG によって適切な対策と研修などを実施
サプライチェーンに
係るリスク
大きく増大

■ 在庫管理・ロジスティクスの効率化や与信管理など
(対策)

  • 原材料価格の高騰やサプライチェーンの変動による製品供給リスクに対して、各PCGが 現場において、使用原材料、プロダクトミックス変更、価格転嫁、ロジスティクス効率化など を敏捷かつ適切に対応
  • 各プロセスにおける回避・影響緩和策を講じ、サプライチェーンの最適化を図り、リスクを 機会に転化
国際税務など
に係るリスク
大きく減少

■ グループ間のブランド・技術などの連携深化に伴う国際税務など
(対策)

  • 各国の法規制などに基づいた適正な国際取引の仕組みの再構築を開始

コンプライアンスに関する制度と活動

グローバル行動規範の制定とモニタリング

当社グループは2022年1月、グループ全社が共有し、遵守すべきコンプライアンス、倫理、サステナビリティに関する「日本ペイントグループ グローバル行動規範」を施行しました。この行動規範は、各PCGにおいて各地のビジネス環境に応じた詳細化が行われるなど、共同社長のリーダーシップのもとで各国・地域へ幅広く受け入れられています。

また、グローバルリスクマネジメント活動の一環として、自主点検・自己評価(Control Self-Assessment(CSA))等を通じて法令遵守を含めたコンプライアンス状況をモニターしています。

コンプライアンス研修

コンプライアンス研修 国内においては 、研修の一環としてコンプライアンス理解度テストを実施しています。全ての役員(日本ペイントホールディングスの社外取締役を除く)、従業員(正社員、契約社員、派遣社員)を対象に、専用Webサイト(一部書面)を用意し11月上旬に実施しました。(2021年実績。2022年も同時期に実施) 具体的には、ハラスメント、残業時間を含む労働時間の適切な管理、適正なマーケティング活動、腐敗防止、下請法などについて、法令や社内規程に関する理解度を確認し、テストの実施結果を後日フィードバックすることで定着を図っています。 また、2022年は、情報瀬漏えい防止対策として、標的型攻撃メールの訓練やE-learningを行いました。

内部通報制度

当社グループは2022年1月より「内部通報窓口グローバル基本方針」を運用しています。当社は「日本ペイントグループ グローバル行動規範」と本方針において、秘密保持、通報者の不利益扱いの禁止を定めており、当社グループでは、各PCGが本方針に基づく内部通報制度を自律的に整備し、利用者に周知の上、適切に運用しています。
各PCG責任者は本方針に基づき、各PCGにおける内部通報窓口の運用状況について、定期的(年1回)に当社の担当部門である内部統制部門、内部監査部門へ報告を行っています。これらの運用状況については、監査委員会、取締役会にも報告されます。
加えて、これとは別に、重大な法令違反、不祥事、PCG経営陣による法令違反、非行やその具体的可能性の通報は、適時または即時に共同社長への情報共有を行い、共同社長が必要な対応を指揮する体制としています。

2022年度にはグループ全社で、内部調査を実施した通報件数が合計62件ありました。通報のあった事案については、内容に応じて各PCGの適切な部門が調査・分析・対応を行い、体制整備や社員教育など、不正・違反行為の未然防止につなげています。

2022 年度 内部通報実績

労働環境(労災、ハラスメント、差別) 40件
資産・情報の漏えい、流失(利益相反、横領、データの不正利用など) 8件
不正会計 2件
法令違反(競争法違反、インサイダー取引、わいろ、業法違反等) 7件
その他 5件
合計 62件

腐敗防止への取り組み

日本ペイントグループでは、グローバル行動規範(Global Code of Conduct)に、「公正な競争をします」「賄賂や腐敗行為を許容しません」「利益相反を防ぎ、贈答、接待は良識ある対応の範囲で行います」と定め、贈収賄・腐敗行為防止に取り組んでいます。
贈収賄・腐敗行為の防止は、常に誠実で公正であることを旨とする「共存共栄の精神」という当社グループのPurposeを達成する基盤の1つであると考えます。



税の透明性

日本ペイントホールディングス(NPHD)およびグループ会社は、グループ行動規範である「Global Code of Conduct」に基づき、各国・各地域の法令遵守を徹底し、グローバルな事業活動・事業展開を行っております。それに伴い、コンプライアンス体制の整備、また適正に納税することは社会的責任であると同時に、NPHDおよびグループ会社が果たすべき社会貢献につながるものと認識しております。
さらに、NPHDおよびグループ会社は、透明性のある適切な税務運営のもと、ステークホルダーとの信頼関係の構築、また企業価値・株主価値を高めるとともに、グループの持続可能な成長の実現を目指します。
NPHDおよびグループ会社の税務方針は以下の通りです。

日本ペイントグループ税務方針

  1. 法令遵守
    • NPHD及びグループ会社は、事業活動を行う各国・地域の税法関連法令等を遵守するとともに、これら法令等の精神に従い適切な税務申告・納税を行っています。いわゆる「租税回避地」の利用その他、租税回避のためのタックスプランニングは行いません。また、事前に外部専門家との検討を行い、適切な税務リスクの評価、および税務リスクの最小化に努めています。
  2. 税の透明性
    • NPHDおよびグループ会社は、BEPS行動計画等の国際的な取り組みが、国際的な租税回避防止および税の透明性を確保するために重要な取り組みであると理解しております。BEPS行動計画の主旨に従って適切な税務管理を行うことによる税の透明性の確保に努めています。
  3. 移転価格税制への取り組み
    • NPHDおよびグループ会社は、国外関連者との取引にあたっては各国・地域において適正な納税額となるために、OECD移転価格ガイドラインに従い、独立企業間原則に基づき設定しております。
      また、各グループ会社の機能、資産およびリスクの分析等に基づき、その貢献に応じた適切な利益配分となっていることを定期的に評価し、移転価格文書の整備に努めています。
  4. 税務当局との関係性
    • NPHDおよびグループ会社は、各国の税務当局との信頼関係および健全かつ良好な協力関係を構築するため、当局とのオープンで適切なコミュニケーション、また当局からの要請に対して適時かつ正確な情報提供を行います。もしも当局との見解の相違が生じる場合は、誠意をもって当局と協力し、早期解決に努めます。



環境及び社会に関する活動

日本ペイントグループは、株主価値最大化(MSV)の過程において、環境及び社会に関係する責任の充足は大前提と考えており、様々な活動を実施しています。

・環境
環境については、取締役 代表執行役共同社長直下に世界各地域の主要パートナー会社からメンバーを集めたグローバルチームを設置し課題と対策の特定に取り組んでいます。その中で気候変動を含む環境対策についてグループ全体の方針を策定し、さまざまな取り組みを進めています。
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気候変動リスク・機会に対する戦略事例はこちらをご覧ください。

・社会
当社グループは、バリューチェーンを通じたコミュニティへの投資を行い、市場の拡大、ブランドの強化、地域コミュニティとの良好な関係を基盤とした持続的な成長を実現します。そして当社グループが活動するあらゆる地域における持続可能な発展を支え、推進するために事業活動を目指します。すべての人々に豊かな彩と快適さ、安心を提供することは、創業以来の私たちの変わらぬ使命です。
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