リスクマネジメント
リスクマネジメント体制
重要な会議体
日本ペイントグループでは、取締役会※1や地域毎の経営会議体などの重要な会議を定期的に開催し、重要な経営会議体には共同社長が参加することにより、当社グループの事業の進捗を把握するとともに、事業に伴うリスク要因が発生した場合にはリスクの把握とともに、取締役会との共有も含め、適切かつ継続的にモニタリングを実施し、リスクに対する対応を行っております。
※1 取締役のうち4名がリスクマネジメントにかかる経験/スキルを有しています。取締役会について「保有するスキル・経験」をご参照ください。
グローバルリスクマネジメント
グローバルでのリスクマネジメントのレベルアップのため、共同社長を最高責任者とするグローバルリスクマネジメント基本方針を制定し(22年1月1日施行)、パートナー会社グループ※2によるリスクの自主点検による自律的なリスクマネジメントを基本とする、グローバルでのリスクマネジメント体制を整備しました。
各パートナー会社グループは、自グループのリスクマネジメント体制を自己点検することで、自律的に改善点と改善までのリードタイムを明確にし、加えてリスクアプローチにより重要リスクを特定、共同社長へ報告します。共同社長は、各グループの点検結果を踏まえてグループ全体のリスクマネジメント体制の状態を地域・事業毎に把握、重要な経営会議体へ参加し、実効的なモニタリング、リスク対応指示を行うとともに、重要リスクを念頭に経営戦略の策定に当たります。また、グローバルリスクマネジメント委員会を開催し、当社グループの重要リスクの管理およびリスクマネジメント(ガバナンス、コンプライアンスを含む)に関する内部統制システムの継続的な見直しや整備について審議を行い、取締役会へ報告します。
また危機管理においても、グループ全体で危機(クライシス)の分類※3、及び分類ごとに顕在化した場合の報告基準と報告、及び対応の責任者を明確にしており、リスクのレベルに応じて即座に対応できる仕組みを構築しています。
※2 当社が定める経営上重要な子会社、もしくは子会社群
※3 (1)「ローカル危機」と(2)「グループレベル危機」に分類

リスクマネジメント活動
日本ペイントグループでは、リスクを事業活動に潜在する企業活動を脅かす事象と定義し、顕在化の確率である起こりやすさと起きた場合の被害・存在の大きさである結果の両面から把握します。
具体的には、ビジネスリスク把握に必要な項目を厳選した自己点検リストをベースに、各パートナー会社グループが自グループのリスクマネジメント体制を評価し、その評価を起点に効果的、効率的に事業目標の達成を図ります。改善が必要な項目はについては改善計画とリードタイムが共同社長へ報告され、重要会議体、及び次年度の報告で進捗をモニタリングします。自己点検の有効性は、業務監査との比較や、グローバルリスクマネジメント委員会等で確認されます。また、パートナー会社グループは1年に1回の自己点検の結果と外部環境を踏まえ、それぞれの重要リスクを選定します。選定された重要リスクは共同社長へ報告され、パートナー会社グループの経営のモニタリングの他、経営戦略の立案に活用されます。また同内容は、監査委員会にも報告されます。
2021年の自主点検を通じて、日本ペイントグループでは次のようなグループリスクを認識しています。
- グループ経営陣のサクセッションなど人的資本にかかわるリスク
- 世界的な原材料価格の高騰や、事前災害・ITセキュリティを含む事業継続計画(BCP)対応に係るリスク
- グループ間のブランド・技術などの連携進化に伴う国際税務などに係るリスク
- 社会的な要請の高まる情報漏えい、従業員不祥事などのコンプライアンスに係るリスク

コンプライアンスに関する制度と活動
グローバル行動規範の制定とリスクマネジメントの一環としてのその遵守状況のモニタリング
日本ペイントグループは、すべての役職員がコンプライアンス、倫理及びサステナビリティに関して遵守すべきグローバル行動規範を制定しています。また、日本ペイントグループの役職員が事業の推進に際してこの行動規範を尊重して行動することを求め、グローバルリスクマネジメント活動の一環として、自己点検等を通じて行動規範の遵守体制をモニターしています。2021年の自主点検を通して、コンプライアンスについては、社会的な要請の高まる情報漏えい、従業員不祥事などのコンプライアンスに係るリスクを認識し、研修を行っています。
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修 国内においては 、研修の一環としてコンプライアンス理解度テストを実施しています。全ての役員(日本ペイントホールディングスの社外取締役を除く)、従業員(正社員、契約社員、派遣社員)を対象に、専用Webサイト(一部書面)を用意し11月上旬に実施しました。(2021年実績。2022年も同時期に実施) 具体的には、ハラスメント、残業時間を含む労働時間の適切な管理、適正なマーケティング活動、腐敗防止、下請法などについて、法令や社内規程に関する理解度を確認し、テストの実施結果を後日フィードバックすることで定着を図っています。 また、2022年は、情報瀬漏えい防止対策として、標的型攻撃メールの訓練やE-learningを行いました。
内部通報制度
日本ペイントグループは、内部通報窓口グローバル基本方針を制定し(22年1月1日施行)、国内外を問わず、日本ペイントグループの役職員が当社グループ内におけるコンプライアンス違反やその可能性を発見した場合に、不利益を受けることなく、社内外の内部通報窓口に、記名または匿名で通報または相談できる体制を各パートナー会社グループに整備し、適正に運用することを義務づけています。また、各パートナー会社グループの内部通報窓口の運用状況について、当社の取締役会および監査委員会に定期的に報告を求めています。
※ 当社グループの内部通報制度は、通報窓口において通報内容につき守秘義務を負っています。
内部通報制度の通報件数(国内)
腐敗防止への取り組み
日本ペイントグループでは、グローバル行動規範(Global Code of Conduct)に、「公正な競争をします」「賄賂や腐敗行為を許容しません」「利益相反を防ぎ、贈答、接待は良識ある対応の範囲で行います」と定め、贈収賄・腐敗行為防止に取り組んでいます。
贈収賄・腐敗行為の防止は、常に誠実で公正であることを旨とする「共存共栄の精神」という当社グループのPurposeを達成する基盤の1つであると考えます。
税の透明性
日本ペイントホールディングス(NPHD)およびグループ会社は、グループ行動規範である「Global Code of Conduct」に基づき、各国・各地域の法令遵守を徹底し、グローバルな事業活動・事業展開を行っております。それに伴い、コンプライアンス体制の整備、また適正に納税することは社会的責任であると同時に、NPHDおよびグループ会社が果たすべき社会貢献につながるものと認識しております。
さらに、NPHDおよびグループ会社は、透明性のある適切な税務運営のもと、ステークホルダーとの信頼関係の構築、また企業価値・株主価値を高めるとともに、グループの持続可能な成長の実現を目指します。
NPHDおよびグループ会社の税務方針は以下の通りです。
日本ペイントグループ税務方針
- 法令遵守
- NPHD及びグループ会社は、事業活動を行う各国・地域の税法関連法令等を遵守するとともに、これら法令等の精神に従い適切な税務申告・納税を行っています。いわゆる「租税回避地」の利用その他、租税回避のためのタックスプランニングは行いません。また、事前に外部専門家との検討を行い、適切な税務リスクの評価、および税務リスクの最小化に努めています。
- 税の透明性
- NPHDおよびグループ会社は、BEPS行動計画等の国際的な取り組みが、国際的な租税回避防止および税の透明性を確保するために重要な取り組みであると理解しております。BEPS行動計画の主旨に従って適切な税務管理を行うことによる税の透明性の確保に努めています。
- 移転価格税制への取り組み
- NPHDおよびグループ会社は、国外関連者との取引にあたっては各国・地域において適正な納税額となるために、OECD移転価格ガイドラインに従い、独立企業間原則に基づき設定しております。
また、各グループ会社の機能、資産およびリスクの分析等に基づき、その貢献に応じた適切な利益配分となっていることを定期的に評価し、移転価格文書の整備に努めています。- 税務当局との関係性
- NPHDおよびグループ会社は、各国の税務当局との信頼関係および健全かつ良好な協力関係を構築するため、当局とのオープンで適切なコミュニケーション、また当局からの要請に対して適時かつ正確な情報提供を行います。もしも当局との見解の相違が生じる場合は、誠意をもって当局と協力し、早期解決に努めます。
環境及び社会に関する活動
日本ペイントグループは、株主価値最大化(MSV)の過程において、環境及び社会に関係する責任の充足は大前提と考えており、様々な活動を実施しています。
・環境
環境については、取締役 代表執行役共同社長直下に世界各地域の主要パートナー会社からメンバーを集めたグローバルチームを設置し課題と対策の特定に取り組んでいます。その中で気候変動を含む環境対策についてグループ全体の方針を策定し、さまざまな取り組みを進めています。
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気候変動リスク・機会に対する戦略事例はこちらをご覧ください。
・社会
当社グループは、バリューチェーンを通じたコミュニティへの投資を行い、市場の拡大、ブランドの強化、地域コミュニティとの良好な関係を基盤とした持続的な成長を実現します。そして当社グループが活動するあらゆる地域における持続可能な発展を支え、推進するために事業活動を目指します。すべての人々に豊かな彩と快適さ、安心を提供することは、創業以来の私たちの変わらぬ使命です。
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