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財務・資本戦略


代表執行役共同社長  若月 雄一郎

「アセット・アセンブラー」モデルによる経営戦略の推進で、「PERの最大化」を目指します。

取締役 代表執⾏役共同社⻑
若月 雄一郎

「良質なM&A」の実績を積み上げ、「PERの最大化」を目指す

PERは基本的に資本市場からの期待値の反映であり、その意味で将来にわたる企業の成⻑性とリンクします。2021年度末のPER(今後12ヵ月間のPER)は37倍(下図参照)と、過去10年で見ればTOPIX化学業種平均や競合他社平均を上回って推移しており、当社に対する資本市場の期待の大きさを感じますし、実際その期待に応えて成⻑は達成できていると思います。今後も市場からの期待値を高めていくために、積極的なIR活動や最適な財務戦略、サステナビリティの推進などと併せて、将来の成⻑につながる「良質なM&A」の実績を積み上げ、「PERの最大化」を目指していきます。

当社PERの推移
(倍)

当社PERの推移
当社 27.9x(+15.9x)
競合他社平均(平均値)26.1x(+9.0x)
競合他社平均(中央値)21.8x(+7.4x)
TOPIX化学業種平均 12.6x(+1.0x)

※1 出所:FactSet(2022年6月30日時点)、Bloomberg
※2 PER(今後12ヵ月間のPER)は、各日の株価 / 各日のEPS(今後12ヵ月間のEPS)で算出
※3 競合他社には、Sherwin-Williams、BASF、Asian Paints、PPG Industries、Akzo Nobel、Berger Paints India、Axalta、SKSHU Paint、Kansai Paint、TOA Paint、Asia Cuanonを採用

自律的な成⻑にM&Aを付加しながら、優秀なタレントやブランドを積み上げる

共同社⻑に就任後、ウィー⽒や取締役会のメンバーとともに何度も議論を重ねてきたのが、当社が目指す経営モデルです。すなわち、「小さな本社」のもとで、各パートナー会社の自律性と説明責任をより強く求め、魅力的な市場である塗料・周辺分野に特化したM&Aを積み上げていくことで、安全に高い成⻑を遂げていくことです。
これは必ずしも従来の方針を変更するものではなく、経営上の唯一のミッションである株主価値最大化(MSV)を追求するモデルをより明確化したものであり、当社はこれを「アセット・アセンブラー」モデルと名付けることにしました。

「アセット・アセンブラー」モデルに資する財務戦略のあり方、考え方

既存事業と新規M&Aの両輪で成⻑を加速させる「アセット・アセンブラー」モデルの効果を最大限発揮するためには、財務戦略を通じた安定的な資金の確保が不可欠であり、財務規律の徹底と最適資本構成の構築によるバランスシート・マネジメントに注力しています。

◆財務規律

財務規律としては、①負債調達を優先、②レバレッジ余力を維持、金融機関・格付機関との対話の促進、③EPS増加を前提として資本調達も選択肢、の3点を重視しています。塗料・周辺事業はキャッシュ・フロー創出力が非常に高く、積極的なM&Aを進める当社の旺盛な資金需要に対して、日本では低金利での借り入れが可能であるため、資本調達よりも負債調達を優先しています。また、低コストの資金調達を継続するためには、レバレッジ余力を維持することが必要なため、既存事業と新規M&Aで利益成⻑を続けるだけでなく、金融機関や格付機関から評価・理解を獲得することが大切です。こうした負債・レバレッジの活⽤によって、M&Aにおける「EPSの最大化」に貢献しています。なお、EPSが増加する前提であれば資本調達も選択肢に入れており、最適な調達方法の組み合わせを選択することによって、当社は上限を設けることなく飽くなき成⻑を追求していきます。

◆資産状況

健全なバランスシートの確保や効率的な資産活⽤のため、市場環境の変化に応じて資産状況を随時見直しています。足元では、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善を図るべく、各地域・事業で取引条件の見直しを進めるとともに、中国不動産市況の悪化に伴い、一部ディベロッパー向けの売上債権に対して貸倒引当金を計上し、将来の債権回収リスクを踏まえた対応を進めています。政策保有株式については、保有継続の合理性を毎年検証しており、2021年度も一部の株式を売却しました。
また、将来の成⻑のための設備増強や積極的なM&Aの実施により、有形固定資産やのれんなどが年々増加傾向にあります。そうした中、欧州自動車⽤事業・インド事業の譲渡や、日本事業や船舶⽤事業などでの構造改革を通じて、資産効率の向上や収益性の改善に取り組んでいます。のれんなどについては、自律・分散型経営でPMIリスクを最小化するとともに、「良質なM&A」を積み上げることで、減損リスクを低減しています。

◆負債状況

負債状況に関しては、M&Aなどの成⻑のための資金確保に向けて負債調達を優先する中、財務レバレッジは、Cromologyのクロージング前に当たる2021年末時点においてネット・デット/EBITDAは3.4倍(一過性調整後)、2022年末では約4倍となる見通しです(詳細は「中期経営計画(2021-2023年度)の進捗」参照)。負債による資金調達は基本的に全て円ベースで実施しており、平均年限は5年、平均金利は税引前で0.4%と、極めて安定的な負債構成となっており、引き続き、低金利・⻑期年限で調達していく方針です。今後も財務レバレッジの余力を維持するべく、最適な資本構成を志向するとともに、借入金融機関や格付機関などからの評価・信頼を獲得していきます。

◆資本政策

また、M&Aを通じたさらなる成長のためには財務基盤の強化が必要であるとの判断から、2021年に第三者割当増資を実施することで資本を増強しました。M&Aにおいては、EPSが初年度からプラスになることを重視していますが、ROICがWACCを上回るなど、資本効率も考慮しています。資本政策としては、財務規律を維持しつつ、成長投資を優先的に実施し、EPSの増大を通じてTSR(株主総利回り)を向上させることに主眼を置いています。TSRのうち配当については、業績動向、投資機会を総合的に勘案しながらも、配当性向30%を目途に安定的かつ継続的に行う方針です。2021年度は、創業140周年記念配当1円を含む年間10円を配当しました。

バランスシート・マネジメント方針

2021年12月末時点

資産
  • 「現金・現金同等物」 1,388億円
  • 「営業債権及びその他の債権」 2,669億円
  • 「売却目的で保有する資産」 39億円
  • 「有形固定資産」 3,017億円
  • 「のれん」 6,527億円
  • 「その他の無形資産」 3,002億円
  • 合計 19,551億円
資産

「現金・現金同等物」
「営業債権及びその他の債権」

  • 新型コロナウイルスの影響や中国不動産市況の悪化に対応したキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の見直し(取引条件の見直しなど)
  • 将来の債権回収リスクを踏まえた対応(中国売上債権に対する貸倒引当金の計上など)

「売却目的で保有する資産」

  • 政策保有株式について、保有継続の合理性を毎年検証(2021年度も一部株式を売却)

「有形固定資産」

  • 事業売却や構造改革を通じて資産効率の向上や収益性改善に取り組む(欧州自動車用事業・インド事業の譲渡、日本事業・船舶用事業の構造改革など)

「のれん」「その他の無形資産」

  • 自律・分散型経営でPMIリスクを最小化し、「良質なM&A」の積み上げによる減損リスクの低減
負債
  • 「営業債務及びその他の債務」 2,097億円
  • 「社債及び借入金」 5,230億円
  • 合計 9,864億円
負債

「社債及び借入金」
(有利子負債)

  • 負債調達を優先し、レバレッジ余力を維持(2022年末時点のネット・デッド/EBITDAは約4倍を予想)
  • 格付機関からの評価(R&I格付「A」を維持)
  • 円ベースの安定した資金調達(低金利・長期年限)
資本
  • 「資本金」 6,714億円
  • 「利益剰余金」 2,280億円
  • 合計 9,687億円
資本

「資本金」
「利益剰余金」

  • M&Aなど成長投資に向けて財務基盤の強化(第三者割当増資による資本増強)
  • EPSが増加する前提に、資本調達も選択肢
  • M&Aにおいて、ROICがWACCを上回るなど、資本効率も考慮
  • 配当性向30%を維持



財務ハイライト

※2017年度は日本基準、2018-2021年度はIFRSの数値を記載

※1 2021年4月1日付で1:5の株式分割を実施したため、2017年1月に行われたものと仮定し、算出
※2 2017年度の配当性向は、日本基準数値にのれん償却額を調整し、算定
※3 ROIC(日本基準):税引後営業利益÷(ネット・デット+純資産合計) ROIC(IFRS):税引後営業利益÷(ネット・デット+資本合計)
※4 ネット・デット:有利子負債(社債及び借入金(流動・非流動)+その他の金融負債(流動・非流動))-手元流動性(現金及び現金同等物+その他の金融資産(流動))



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