リスク評価
CSR 調達調査
日本グループでは、サプライチェーンのリスク把握のためグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが提供している自己診断(UN Global Compact SAQ 調査)を用いて、サプライヤーのESGに関わる諸活動状況を調査・把握しています。調査は、コーポレート・ガバナンス、人権、労働、環境、公正な企業活動、品質・安全性、情報セキュリティ、サプライチェーン、地域社会との共生などの項目の取り組みレベルを審査しています。本調査はESG経営の一環としてサプライヤーのリスクを管理し、必要に応じてリスク低減を図ることを目的としています。本調査は、一次サプライヤーに対して、年1回実施しています。本調査は2018年に試行し、2019年より本格的に実施し原材料購入額の90%以上をカバーしています。調査結果に基づき、得点ランクが70%に満たない場合、活動内容の確認と改善について協議しています。今後も本調査を継続し、リスク軽減とサプライチェーンの強化に努めていきます。
調査対象範囲 | 2021年の購入額が上位90%を占める一次サプライヤーに依頼しました。 |
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調査結果得点分布 | 2021年の回答結果は下記グラフの通りです。 |
当社グループの サプライヤー企業における得点分布 |
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調査結果概要(大項目別平均得点)
コーポレート ガバナンス |
人権 | 労働 | 環境 | 公正な活動 | 品質・安全性 | 情報 セキュリティ |
サプライ チェーン |
地域社会 | 総合平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 調査 |
89% | 84% | 93% | 87% | 89% | 90% | 90% | 84% | 79% | 87% |
2020年 調査 |
85% | 79% | 88% | 83% | 85% | 88% | 87% | 81% | 74% | 83% |
2019年 調査 |
91% | 85% | 92% | 90% | 91% | 94% | 94% | 85% | 85% | 91% |
新規サプライヤーのリスク評価
日本グループでは新規サプライヤーと取引する際はまずリスク回避のために信用調査を実施し、口座開設および法務部の審査を受けた取引基本契約書を締結します。その際、当社グループの調達方針をご理解いただいた上で遵守への同意をお願いしています。
NIPSEAグループでは毎年サプライヤーの評価を行っています。このサプライヤー評価には、サプライヤーが環境問題の管理においてNIPSEAグループが要求する標準作業手順書(SOP)を満たしているかどうかを確認するための環境評価も含まれています。サプライヤーがNIPSEAグループの期待に満たない場合には解決策を提供し、プロセスの改善を支援しています。
サプライヤー監査 計画と実施結果
日本グループでは、重要原材料購入先や、品質トラブルの発生したメーカーさま・生産委託先さまの製造工場に当社の設計・品質管理・調達部門をメンバーとしたチームによる監査を継続的に実施しています。サプライヤーの現地監査では、品質や事業継続の視点に加えて環境・安全などの項目も加えて監査を行い、原材料の製造現場との直接対話を通じてリスク低減を推進しています。2021年はコロナ禍のためリモートで監査を実施しました。具体的には、低得点サプライヤーの強化に注力し、9社に対してWeb面談・指導を実施いたしました。
2019年、2020年、2021年とも、条件付き適合、不適合に該当したサプライヤーはゼロ件でした。不適合が発見された場合は、期限を定めて、是正措置を求め、改善をお願いしています
サプライヤーさま | 事業所数 | 結果 | |||
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監査実施状況 | 計画 | 実施 | 適合 | 条件付き適合 | 不適合 |
2021年 | 9 | 9 | 9 | 0 | 0 |
2020年 | 27 | 4 | 4 | 0 | 0 |
2019年 | 41 | 35 | 35 | 0 | 0 |
サプライヤー研修
当社グループでは、サプライヤーとの情報共有や当社の取り組み方針の浸透を目的に2020年より研修会を実施しています。2020年には当社グループのESG経営の紹介、原材料仕様書の作成方法のチェックポイントについて解説しました。
ESG経営の紹介では、サプライチェーン全体でESG課題に取り組むために、当社グループの環境、社会、ガバナンスの各課題や方針を共有し、信頼関係の構築に努めました。環境では、例えばサプライチェーン全体での環境負荷軽減、社会では、さまざまなステークホルダーからの要請などについて触れました。コロナ禍であることから、ウェブセミナー形式での開催でしたが、全サプライヤーの78%(企業数)から300名を超えるサプライヤーが参加しました。当日、ご出席できなかった方々には、収録動画再生用URLを送付するなど視聴の機会を増やしました。今後も、継続して実施します。