
2024年の始まり
日本ペイントマレッツ 1-3 木下アビエル神奈川【第1マッチ(ダブルス)】芝田 沙季・大藤 沙月 1-2 木原 美悠・長﨑 美柚(10-11/11-10/10-12)
【第2マッチ(シングルス)】横井 咲桜3-0 平野 美宇(11-7/11-9/11-7)
【第3マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 2-3 張本 美和(4-11/11-10/11-5/9-11/10-12)
【第4マッチ(シングルス)】大藤 沙月 0-3 木原 美悠(5-11/7-11/3-11)
元旦に走った激震に大きく心を揺さぶられた。何かできることはないのか――どうにもならない無力さを感じていた。同じ気持ちだった選手もいた。わたしたちが“今”できることをやるしかない――そんな想いを抱いて2024年の初陣を迎えていた。
女王木下と対峙することについて大嶋監督はこう語った。「メンバーを見てもトップが揃っているので、向かっていくしかないんですよ。こうやってメンバーを揃えて全力勝負してくれるのはありがたいことです。うまくいってほしいけれども、そう簡単にはさせてくれないのもわかっています。やってきたことをそれぞれが出すだけだと思いますね」大嶋監督の表情がキリっとした。オーダーが発表後、佐藤選手ではなく橋本選手を起用した意図を聞いてみた。「ここから3連戦ということもあり色々な要因はあるんですけど、1番は橋本選手の状態がここ最近とてもよいと感じていたからです。今日の朝の動きを見ていても、調子よさそうなんですよね」と答えてくれた。前日、監督、コーチ陣で今日のオーダーについて長く話をしているところを目にしていた。毎試合の光景ではあるが“いつも以上に”という感覚があったのだ。

大嶋監督にも橋本選手の試合について聞いてみた。「大きな差があるわけではないと思っています。判断もすごくよくて、今までとは違って対応できるようになっていました。ただ、読みが外れてしまったときの対応の差かなとは思います。デュースの3球目は、堪えてとりあえずいれてラリーにできずミスしてしまいました。勝ちたくなったんだと思います。難しいですよね…。経験でカバーしていくしかない部分もあると思いますし、自分の感覚、コートの外から見ている他人の感覚の違いを検証していく必要もあります。一番は試合中にも俯瞰して見られたらいいんですけど…。本当に難しいです」2人から共通してでてきた“難しい”という言葉が、卓球、そしてスポーツの奥深さを物語っている気がした。
最後に橋本選手に最近のコンディションもよかったから起用したと監督が話していたことを伝えると「最近の状態は自分自身としてはそんないつもと変わらない感じがしてたんですけど、監督からはよく見えてたんですね(笑)」と返ってきた。いつも見ているからこそ自分では気付けない調子の良さも監督・コーチは細かな動きや表情から見抜いている気がした瞬間だった。今シーズン特に強く感じるのが、 “チームマレッツ” 一丸となって試合に臨んでいることだ。個人競技ではあるもののチームとして挑んでいる感覚が特に強いと伝わってくる。その“チーム”力が今シーズンのプレーオフ進出に後押しとなることを予感させる。2023年の悔しさを2024年に晴らすべく――
Text by Naoco.M Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT



【次戦】1/7(日)vs.日本生命レッドエルフ @三条市体育文化会館
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