グローバル
2021.08.30

気候変動への対策と持続可能な社会を実現する遮熱性舗装用塗料

#建築構造物用塗料 #工業用塗料 #製品・事業 #グローバル #気候変動

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私たちの身近にある道路にも塗料が活躍しています。

道路の舗装に最も多く使われているアスファルト合材は、色が黒いために太陽光を吸収し、夏場の道路の表面温度は60℃を超えることもあります。
日本ペイント・インダストリアルコーティングスが商品化した路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装用塗料は、温度上昇の抑制以外にも道路の耐久性や景観の向上などさまざまな効果を発揮します。

温暖化を抑制する

都市部では、地面や道路の多くがアスファルトやコンクリート舗装で覆われており、昼間に路面が吸収した太陽光の熱エネルギーが夜間になって放出されるため、路面温度が下がりにくくなります。これが熱帯夜やヒートアイランド現象の要因の一つとなっています。
環境省によると、過去100年間の日本の平均気温の上昇が1.5℃に対して、東京の平均気温の上昇は3.3℃と約2倍にも及んでおり、都市部のヒートアイランド現象や温暖化は深刻な問題となっています。

遮熱性舗装用塗料を塗装した道路は、太陽光に含まれる赤外線を反射し、熱の吸収を抑えます。夏の昼間で11~14℃の路面温度の上昇を抑制するとともに、夜間においても放出熱量を軽減するため、ヒートアイランド現象や冷房使用の緩和にもつながります。

また、遮熱性舗装用塗料を1m2塗装した場合の大気の温度低減効果は、CO2 35kg削減した時の効果*1に相当し、地球温暖化対策にも貢献することができます。

*1 10年間、当社の遮熱性舗装用塗料(U)を使用
H.Akbari, D.Matthews, D.Seto:Environ. Res.Lett. 7, 024004 (2012)よる当社試算(塗膜が正常に維持できている状態を前提としています)

道路の耐久性を向上する

遮熱性舗装用塗料には、道路の温度上昇を抑えることで、路面の変形を抑制する効果もあります。熱に弱いアスファルト舗装は、長時間高温にさらされると柔らかくなり、わだち掘れが発生します。また、トラックなどの車両の重さや摩擦によって、日々劣化が進行していきます。当社の遮熱性舗装用塗料は強靭かつ柔軟性に優れる材料を使用しており、遮熱効果を持続しつつアスファルト舗装の耐久性を向上できるため、インフラの長寿命化にも一翼を担っています。

道路景観と安全性を向上する

昨今、交通事故ゼロ化や車と人の共生など、次世代交通に求められる道路インフラのニーズは変化しています。私たちは、この変化に対応し、アスファルトになじむ塗料やVOC(揮発性有機化合物)排出を抑制する環境に配慮した塗料をいち早く商品化してきました。また、青や赤などのカラーバリエーションを有する塗料で、通行区分の違いや注意喚起の情報を視覚的に表現し、地域に調和する景観を作るとともに、交通安全を確保する役割も果たしています。

遮熱性舗装用塗料は、首都圏など政令指定都市の一般道路で採用が拡大するとともに、企業や施設の地球温暖化対策への取り組みとして、事業所の敷地や駐車場、商業施設などでの利用が増えています。国内では、今後年平均約20%で市場成長すると予測されています。
さらに、耐久性の向上による補修作業の軽減や、路面の凍結防止、夜間の視認性向上などの機能を付与することによる安全な車社会の実現など、塗料技術の可能性はますます広がっています。

私たちは、地球環境に配慮し、インフラの長寿命化の実現や社会課題を解決できる塗料開発を推進し、持続可能な社会づくりにこれからも力を注いでまいります。


日本ペイント・インダストリアルコーティングス webサイト
https://nipponpaint-industrial.com/business/heat/index.html

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