2021年8月10日
会社名 日本ペイントホールディングス株式会社 代表者名 代表執行役共同社長
若月 雄一郎
代表執行役共同社長
ウィー・シューキム
(コード番号:4612 東証第一部) 問合せ先インベスターリレーション部長
田中 良輔
(TEL 050-3131-7419)
連結子会社の異動を伴う株式の譲渡に関するお知らせ
当社は、本日開催の取締役会において、当社が保有するNIPPON PAINT (INDIA) PRIVATE LIMITED(以下「NPI」といいます。)の株式、当社の連結子会社であるNIPPON PAINT (EUROPE) LTD.(以下「NPE」といいます。)が保有するNippon Paint Automotive Europe GmbH(以下「NPAE」といいます。)の株式及び当社の連結子会社である日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社(以下「NPAC」といいます。)が保有するBerger Nippon Paint Automotive Coatings Private Limited(以下「BNPA」といい、NPI及びNPAEと併せて「対象会社」といいます。)の株式をWuthelamグループ(当社の大株主であるWuthelam Holdings Limited(以下「Wuthelam」といいます。)、その親会社及びGoh Hup Jin氏、これらの者が実質的に支配する者、並びにWuthelamの子会社を総称していいます。以下同じとします。)に属するIsaac Newton Corporation(以下「INC」といいます。)に譲渡すること(以下「本株式譲渡」といいます。)を決議し、同日付で、当社とINCとの間でMaster Agreement並びに当社及びNPACとINCとの間でそれぞれShare Purchase Agreementを締結しましたので、お知らせいたします。
なお、NPEとINCとの間のShare Purchase Agreement(以下、上記のMaster Agreement及びShare Purchase Agreementと併せて「本株式譲渡契約」と総称します。)は、本株式譲渡の実行日までに締結される予定です。
1.本株式譲渡の概要
当社の保有するNPI、NPEの保有するNPAE及びNPACの保有するBNPAの全株式を、Wuthelamグループに属するINCへ譲渡いたします。
当該3社の株式の譲渡価額の決定にあたっては、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した第三者算定機関に対象会社の株式価値の算定を依頼しており、同算定結果に基づき、譲渡価格は合計で186億円です。なお、本日別途開示しております2021年12月期 連結業績の今回修正予想に対する、本件の譲渡損益は軽微と見込んでおります。
本件に伴う当社の2021年12月期業績への影響は3社の合計で以下の通りと見込んでおります。
売上収益 |
営業利益 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | |
増減額 | △14,409百万円 | +2,924百万円 | +2,941百万円 | +2,879百万円 |
(注)本株式譲渡の影響を2021年8月1日より連結業績へ反映すると想定し、2021年12月期業績への影響を記載しております。
また、当社は、Management Services AgreementをINCとの間で締結し、本株式譲渡後も当該3社について社名変更はせず当社グループが管理業務の支援等経営に関する継続支援を行うことで合意しております。これにより、当社グループは当該3社に経営陣を派遣するとともに、財務状況などを把握し、事業運営のモニタリングを行う予定です。
加えて、本株式譲渡契約には、当社が、自ら又は当社子会社を通じて、INCより当該3社の株式を買い戻す権利(コールオプション)が定められております。コールオプションを行使可能な期間は、本株式譲渡のクロージング日より起算して1年後から5年間(但し、いずれの当事者からも6か月前の事前通知がない限り1年延長され、以後同様とする。)としております。買戻し価格は、権利行使時に改めて第三者による株式価値分析報告書を取得し、当該株式価値算定結果の範囲内でINCと合意する公正価格とする旨を定めております。
<ご参考>
【本株式譲渡による資本関係の変化】
(注)NPHD:Nippon Paint Holdings
(注)Berger:Berger Paints India Limited
(注)NPTR:Nippon Paint Turkey Boya San. Ve Tic. Anonim.Sti。NPTRは本株式譲渡の対象としておりません。
(注)NPEは解散及び清算予定。
2.本株式譲渡の理由
当社は、経営ミッションである「株主価値の最大化」(MSV)を達成するため、各地域・事業の成長戦略を強化するとともに、積極的なM&Aを推進するなど各種施策を実行してまいりました。また、2021年1月25日には、アジア合弁事業の持分100%化並びにインドネシア事業の買収を完了するなど、圧倒的アジアNo.1の経営基盤を確立し、更なるグローバル展開を加速すると同時にMSVの観点からグループポートフォリオについての見直しも常に行っております。
そうした中、今般譲渡対象とした3社のうち、主に自動車用塗料事業を担うNPAEとBNPAの2社については、NPACが担う自動車用塗料事業のグローバル一体運営という方針に基づき、欧州及びインドの戦略的重要性は引き続き変わらないものの、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響や半導体不足による市況の低迷、原材料価格の高騰等、事業環境が大きく変化しており、戦略の見直しの結果、中長期的な企業価値の向上には、抜本的な事業再編・強化のための大規模な施策が必要と判断するに至りました。また主にインドにおける建築用塗料・自動車補修事業を担うNPIに関しても、短期的には同様に新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷や原材料価格の高騰の影響を受けていることに加え、今後競合各社との更なる競争激化が見込まれ、引き続き中長期的には有望なインド市場でのプレゼンス向上には更なる体制強化、大胆なプロモーション等の施策が必要であると考えるに至りました。
しかしながら、こうした抜本的な事業再編・強化及び体制強化・プロモーションを進めるためには、短期的には大幅な追加投資や費用の計上は財務上の負担が大きくなり、今後のM&Aの推進に係るキャピタルの配分などにも影響し、結果として当該施策の推進がMSVに資さない可能性もあることや、これらの施策の実施による当該3社の再建の成否やそれに要する期間の不確実性に関するリスクを踏まえ、当社は、第三者への売却も含めあらゆる選択肢を検討してまいりました。そうした中、第三者への売却は、欧州及びインドにおける当社グループの将来の事業戦略の選択肢を著しく限定させることとなるため、当該3社について、上記施策の実施に伴う短期的なリスクや不確実性を回避しつつ、上記施策が奏功した場合には、欧州及びインド市場の更なる成長を取り込むことを可能とすべく、Wuthelamグループとの協議・交渉を経て、当該3社の株式を買い戻す権利(コールオプション)を含む本株式譲渡契約締結に至っております。
これにより、当社としては、中長期での持続的成長を確固たるものにするとともに、短期的な再建に係る追加投資・費用や、再建の不確実性をWuthelamグループが負うことによりリスク分散を図ることとなります。当社は、対象会社の譲渡に伴い当社EPSに貢献すること、将来的に中長期的な成長力を持った対象会社について、当社に買い戻しの選択権があることと併せて、少数株主保護及び株主価値の最大化の観点から合理的と判断するに至った次第であります。
3.異動する子会社の概要
(1)NPI
(1)名称 | NIPPON PAINT (INDIA) PRIVATE LIMITED | |||
(2)所在地 | Plot No. K-8(l), Phase-II, SIPCOT Industrial Park, Mambakkam Village, Sunguvarchatiram, Kancheepuram, Tamil Nadu - 602 106, India | |||
(3)代表者の役職・氏名 | Managing Director Shae Toch Hock | |||
(4)事業内容 | 塗料の購入、製造、販売、及び関連サービスの提供 | |||
(5)資本金 | INR5,628百万 (9,005百万円) | |||
(6)設立年月日 | 2006年1月19日 | |||
(7)大株主及び持分比率 | 当社99.99% | |||
(8)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 当社は当該会社の議決権の100%を保有しております。 | ||
人的関係 | 当社は当該会社へ取締役を3人派遣しております。 | |||
取引関係 | 該当事項はありません。 | |||
(9)当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 | 決算期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
資本合計 | INR5,570百万 (8,912百万円) |
INR5,878百万 (9,405百万円) |
INR6,007百万 (9,611百万円) |
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資産合計 | INR8,226百万 (13,162百万円) |
INR9,245百万 (14,792百万円) |
INR9,768百万 (15,629百万円) |
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売上収益 | INR9,544百万 (15,270百万円) |
INR12,350百万 (19,760百万円) |
INR12,578百万 (20,125百万円) |
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税引前当期利益 | INR335百万 (536百万円) |
INR469百万 (750百万円) |
INR193百万 (309百万円) |
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当期利益 | INR215百万 (344百万円) |
INR307百万 (491百万円) |
INR126百万 (202百万円) |
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1株あたり配当金 | - | - | - |
(2)NPAE
(1)名称 | Nippon Paint Automotive Europe GmbH | |||
(2)所在地 | Vitalis Strasse 114, 50827 Cologne, Federal Republic of Germany | |||
(3)代表者の役職・氏名 | Managing Director / CEO 花岡泰史 | |||
(4)事業内容 | 自動車用塗料及び関連製品の製造、販売 | |||
(5)資本金 | EUR 55,000 (7,211千円) |
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(6)設立年月日 | 1919年 | |||
(7)大株主及び持分比率 | Nippon Paint (Europe) Ltd. 100% | |||
(8)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 当社100%子会社のNippon Paint (Europe) Ltd.は当該会社の議決権の100%を保有しております。 | ||
人的関係 | 当社は当該会社へ取締役を4人派遣しております。 | |||
取引関係 | 当社子会社が当該会社へ製品・原材料等を販売しております。 |
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(9)当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 | 決算期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | 2020年12月期 |
資本合計 | GBP55百万 (8,360百万円) |
GBP70百万 (10,640百万円) |
GBP114百万 (17,328百万円) |
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資産合計 | GBP109百万 (16,568百万円) |
GBP111百万 (16,872百万円) |
GBP142百万 (21,584百万円) |
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売上収益 | GBP88百万 (13,376百万円) |
GBP87百万 (13,224百万円) |
GBP70百万 (10,640百万円) |
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営業利益 |
GBP△8百万 (△1,216百万円) |
GBP△16百万 (△2,432百万円) |
GBP△10百万 (△1,520百万円) |
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税引前当期利益 | GBP△8百万 (△1,216百万円) |
GBP△18百万 (△2,736百万円) |
GBP△10百万 (△1,520百万円) |
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当期利益 | GBP△9百万 (△1,368百万円) |
GBP△18百万 (△2,736百万円) |
GBP△10百万 (△1,520百万円) |
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1株あたり配当金 | - | - | - |
(注) 「(9) 当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態」においては、2021年4月よりNPEに代わりNPAEが欧州本社として運用を開始した経緯より、2020年12月期以前の情報については、NPEの情報公開がより適切であると判断し、NPEの値を掲載しております。
(3)BNPA
(1)名称 | BERGER NIPPON PAINT AUTOMOTIVE COATINGS PRIVATE LIMITED | |||
(2)所在地 | A-99/3, Okhla Industrial Estate, Phase-II, New Delhi 110020, INDIA | |||
(3)代表者の役職・氏名 | Yoshinori Ikeda, President | |||
(4)事業内容 | 自動車用塗料の製造・販売 | |||
(5)資本金 | INR2,760百万 (4,416百万円) |
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(6)設立年月日 | 2007年6月21日 | |||
(7)大株主及び持分比率 | 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 | 51% | ||
Berger Paints India Limited | 49% | |||
(8)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 当社は当該会社の議決権の間接所有51%を保有しております。 | ||
人的関係 | 当社子会社取締役・従業員3名が当該会社の取締役を兼任しております。また、当社子会社従業員3名が当該会社に出向しております。 | |||
取引関係 | 当社子会社が当該会社へ製品・原材料等を販売しております。 | |||
(9)当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 | 決算期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
資本合計 | INR1,999百万 (3,198百万円) |
INR2,658百万 (4,523百万円) |
INR2,359百万 (3,774百万円) |
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資産合計 | INR2,798百万 (4,477百万円) |
INR3,193百万 (5,109百万円) |
INR3,037百万 (4,859百万円) |
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売上収益 | INR1,267百万 (2,027百万円) |
INR1,565百万 (2,504百万円) |
INR1,550百万 (2,480百万円) |
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税引前当期利益 | INR△64百万 (△102百万円) |
INR△140百万 (△224百万円) |
INR△297百万 (△475百万円) |
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当期利益 | INR△52百万 (△83百万円) |
INR△140百万 (△224百万円) |
INR△297百万 (△475百万円) |
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1株あたり配当金 | - |
- |
- |
(注)「(9) 当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態」では、当社の連結業績において計上した減損損失は含まれていません。
4.株式譲渡の相手先の概要
(1)名称 | Isaac Newton Corporation | |||
(2)所在地 | Vistra Corporate Services Centre, Wickhams Cay II, Road Town, Tortola, VG1110, British Virgin Islands | |||
(3)代表者の役職・氏名 | Goh Hup Jin (sole director) | |||
(4)事業内容 | 投資持株会社 | |||
(5)資本金 | USD4 | |||
(6)設立年月日 | 2002年3月20日 | |||
(7)純資産 | USD33百万 (2021年5月時点) | |||
(8)総資産 | USD298百万 (2021年5月時点) | |||
(9)大株主及び持分比率 | Rainbow Light Limited | 75% | ||
Thurloe Limited | 25% | |||
(10)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 | ||
人的関係 | 当社取締役1名が当該会社の取締役を兼任しております。 | |||
取引関係 | 該当事項はありません。 | |||
関連当事者への該当状況 | 当該会社は、当社のその他の関係会社であり、関連当事者に該当します。 |
5.譲渡株式数及び譲渡前後の所有株式の状況
(1)NPI
(1)異動前の所有株式数 | 562,799,999株 (議決権の数:562,799,999個) (議決権所有割合:99.99%) |
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(2)譲渡株式数 | 562,799,999株 (議決権の数:562,799,999個) |
(3)異動後の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合:0%) |
(2)NPAE
(1)異動前の所有株式数 | 55,000株 (議決権の数:55,000個) (議決権所有割合:100%) |
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(2)譲渡株式数 | 55,000株 (議決権の数:55,000個) |
(3)異動後の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合:0%) |
(3)BNPA
(1)異動前の所有株式数 | 1,611,597株 (議決権の数:1,611,597個) (議決権所有割合:51%) |
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(2)譲渡株式数 | 1,611,597株 (議決権の数:1,611,597個) |
(3)異動後の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合:0%) |
6.日程
(1)取締役会決議日 |
2021年8月10日(本日) |
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(2)本株式譲渡契約締結日 |
2021年8月10日(本日) |
(3)本株式譲渡の実行日 |
2021年8月27日(予定) |
(注)なお、NPEとINCとの間のShare Purchase Agreementは、本日以降、本株式譲渡の実行日までに締結される予定です。
7.今後の見通し
本株式譲渡に伴う当社2021年12月期業績予想への影響額は1.本株式譲渡の概要に記載したとおりです。
8.支配株主との取引等に関する事項
本株式譲渡は、Wuthelamグループに属するINCとの取引であるため、支配株主との取引等に該当します。
(1)支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況
当社は、2021年6月7日に開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、「支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」として、少数株主の保護の観点から、当社の親会社と取引を行う際には、独立社外取締役が過半数を占めている取締役会において承認を得る等、独立社外取締役による適切な関与、監督を行っている旨を記載しております。
本株式譲渡に関しては、下記「(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項」に記載のとおり、独立社外取締役により構成される特別委員会を設置し、答申を取得していることから、上記指針に適合していると考えております。
(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項
当社は、本株式譲渡の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を講じております。
①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値分析報告書の取得
当社は、本株式譲渡価格の公正性を確保するため、譲渡価額の決定にあたり、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した第三者算定機関であるPwCアドバイザリー合同会社及びDURV and Associates LLPに対し対象会社の株式価値の算定を依頼し、PwCアドバイザリー合同会社からは2021年7月28日付、DURV and Associates LLP からは2021年7月27日及び8月3日付で各対象会社の株式価値分析報告書を取得しております。
②当社における独立した特別委員会の設置及び答申の取得
当社は、本株式譲渡に係る意思決定の恣意性を排除し、公平性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、当社の独立社外取締役である原壽氏、中村昌義氏、及び三橋優隆氏から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、当社取締役会において、本株式譲渡及び本株式譲渡後に対象会社の再建を行う取引(以下「本件取引」といいます。)の決定が少数株主にとって不利益でないか否か(買戻特約の有無を含めた条件も検討する。以下「本諮問事項」といいます。)を諮問しました。かかる諮問を行うにあたり、当社取締役会は、本特別委員会の判断を最大限尊重し意思決定を行い、本特別委員会が妥当でないと判断した場合は本件取引の決定を行わないことを決議しております。
本特別委員会は、当社及び当社のアドバイザーから特別委員会に提供された資料及び情報に基づき、本諮問事項についての検討を慎重に行いました。本特別委員会は、かかる検討を前提として、2021年8月9日付で、当社取締役会に対して、①本件取引の目的は合理的であること、本件取引は当社グループ全体の成長に資する選択肢であること、本件取引は、対象会社の再建が奏功しなかった場合のリスクをINCが負担する一方、対象会社の再建が奏功した場合には、当社が、欧州及びインド市場の更なる成長を取り込むことを可能とする取引といえること等から、本件取引は、株主価値の最大化という観点から合理性を有すると判断するに至ったこと、②当社が独立した第三者算定機関から株式価値分析報告書を取得していること、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した本特別委員会を設置していること、独立したリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から法的助言を受けていること、Wuthelamグループの代表者を兼務している当社取締役Goh Hup Jin氏を本件取引に関する取締役会の審議及び決議には参加させておらず、本件取引に係る協議及び交渉にも当社の立場で参加させていないこと、適切な開示が行われる予定であるといえること、並びにその他本件取引に係る公正性を疑わせるその他の事情は認められないことから、当社の少数株主の利益を図る観点から、本件取引の手続には公正性が認められると判断するに至ったこと、③本株式譲渡の対価は独立した第三者算定機関であるDURV及びPwC作成の株式価値分析報告書の算定結果に照らして妥当なものといえること、本件取引に係る各契約書において、適切な内容が定められていること等に照らし、当社の少数株主の利益を図る観点から、本件取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断するに至ったことなどから、本件取引の決定は少数株主にとって不利益ではない旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出しております。
③当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式譲渡に関する当社取締役会の意思決定の過程等における透明性及び合理性を確保するため、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立したリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所を選任し、同法律事務所から、本株式譲渡に関する当社取締役会の意思決定の方法、過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。
④当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社の取締役であるGoh Hup Jin氏は本株式譲渡の相手先であるINCの取締役を兼務しており、本株式譲渡に関する当社取締役会の意思決定について、公正性及び客観性を高め、利益相反の疑いを回避する観点から、同氏は、本株式譲渡に関する全ての議案について、その審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場においてWuthelamグループとの協議及び交渉にも一切参加しておりません。なお、2021年8月10日開催の当社取締役会において、Goh Hup Jin氏を除くWuthelamグループと利害関係を有しない取締役全員が出席し、出席取締役全員の賛同により、本株式譲渡契約の締結を決議しております。
(3)当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要
当社は、2021年8月9日付で、特別委員会より、本件取引の決定は少数株主にとって不利益ではない旨の本答申書を入手しております。本答申書の概要は、上記「(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項」の「②当社における独立した特別委員会の設置及び答申の取得」をご参照ください。
(注)本資料における為替レートは、本日別途開示しております「業績予想の修正に関するお知らせ(IFRS)」において、2021年12月期 連結業績の今回修正予想値に適用している下記を前提としております。
1EUR=131.1円
1INR=1.6円
1GBP=152.0円