- 株主・投資家情報(IR)
- 2023.08.29
インド塗料メーカーNippon Paint (India) Private Limited及びBerger Nippon Paint Automotive Coatings Private Limitedの株式取得(子会社化)に関するお知らせ
2023年8月29日
会社名
日本ペイントホールディングス株式会社
代表者名
取締役 代表執行役共同社長
若月 雄一郎
取締役 代表執行役共同社長
ウィー・シューキム
(コード番号:4612 東証プライム)
問合せ先 理事
インベスターリレーション部長
サステナビリティ部長
広報部長
田中 良輔
(TEL 050-3131-7419)
インド塗料メーカーNippon Paint (India) Private Limited及び
Berger Nippon Paint Automotive Coatings Private Limitedの
株式取得(子会社化)に関するお知らせ
当社は、本日開催の取締役会において、インドの塗料メーカーである、Nippon Paint (India) Private Limited(以下、「NPI」)及びBerger Nippon Paint Automotive Coatings Private Limited(以下、「BNPA」といい、NPIとBNPAとを「対象会社」と総称)の株式を取得(以下、「本件取得」)することを決議し、同日付で本件取得に係るMaster Agreement 及びShare Purchase Agreement(以下、「本株式譲渡契約」と総称)を締結しましたのでお知らせいたします。本件取得にあたっては、NPIの株式は当社が、BNPAの株式は当社子会社である日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社(以下、「NPAC」)が取得します。
また、本件取得は、2021年8月10日付の「連結子会社の異動を伴う株式の譲渡に関するお知らせ」(以下、「2021年8月10日公表」)のとおり、Wuthelamグループ(当社の親会社であるWuthelam Holdings Limited(以下、「Wuthelam」)、その親会社及びGoh Hup Jin氏、これらの者が実質的に支配する者、並びにWuthelamの子会社を総称します。また、当社及びその子会社を除きます。以下同様)に属するIsaac Newton Corporation(以下、「INC」)に株式を譲渡した際のMaster Agreementに基づき、対象会社を買い戻す権利(コールオプション)を行使したものです。
1. 株式取得の理由
当社は、経営上の唯一のミッションとして掲げる「株主価値最大化(MSV)」を実現するため、MSVを追求するための経営モデル「アセット・アセンブラー」のもと、持続的な成長を目指しています。
そうした中、2021年8月10日公表の通り、中長期的な企業価値向上には、戦略的重要性の高いインド及び欧州事業の抜本的な再建が必要であると判断し、インドにおいては建築用塗料・工業用塗料・自動車補修用塗料事業を担うNPI、自動車用塗料事業を担うBNPA、欧州においては自動車用塗料事業を担うNippon Paint Automotive Europe GmbH(以下、「NPAE」)の3社の株式をINCに譲渡(以下、NPI及びBNPAの譲渡を「本株式譲渡(2021年)」)することで、短期的な再建に係る追加投資・費用や、再建の不確実性をWuthelamグループが負うことによりリスクの軽減を図りました。
当社は、3社の株式譲渡によるリスク軽減を図る一方で、株式譲渡後もINCとの契約に基づき、当該3社の社名変更はせず当社グループによる管理業務など経営に関する継続的な支援を行っており、当社グループから当該3社に経営陣を派遣するとともに、財務状況などを把握し事業運営をモニタリングしています。
その結果、NPIについては、インド市場における新型コロナウイルス影響からの回復に加えて、建築用塗料事業において、特にインド南部のタミルナドゥ州・カルナータカ州での大胆なマーケティング投資による市場シェアの拡大や、工業用塗料事業での新規案件の複数獲得、自動車補修用塗料事業における市場の回復や追加買収などが奏功し、INCに対する株式譲渡時の想定を上回るスピードで高い成長を果たしています。BNPAについても、経営体制の変更、システム統合を含めたNPIとの一体運営、調達・製造コストの見直しによる低減、原材料価格の高騰などに対応した製品値上げに加え、インド自動車市場の回復などにより、INCに対する株式譲渡時の想定よりも早い2022年度に黒字転換し、2023年度以降も高い成長を見込んでいます。
これらを踏まえ、NPIとBNPAの2社については、今後、大規模な費用投入が無くとも持続的な成長が実現可能と判断し、現時点で買い戻す権利(コールオプション)を行使することがMSVの観点から最善であると判断しました。
なお、NPAEについては、引き続きWuthelamグループで再建を進めていきます。
また、対象会社の株式の取得価額の決定にあたっては、公正性を確保するため、買い戻す権利(コールオプション)の行使にあたって、改めて当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した第三者算定機関に対象会社の株式価値の算定を依頼しており、同算定結果に基づき取得価額を決定しています。
2. BNPAの株式を取得する当社子会社(NPAC)の概要
(1) 名称 | 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 |
---|---|
(2) 所在地 | 大阪府枚方市招提大谷 2-14-1 |
(3) 代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 西村 智志 |
(4) 事業内容 | 自動車用塗料の製造・販売 |
(5) 資本金 | 360百万円 |
(6) 設立年月日 | 1971年2月1日 |
(7) 大株主及び持分比率 | 当社 : 100% |
3. 異動する子会社の概要
(1) NPI
(1) 名称 | Nippon Paint (India) Private Limited | |||
(2) 所在地 | Plot No. K-8(l), Phase-II, SIPCOT Industrial Park, Mambakkam Village, Sunguvarchatiram, Kancheepuram, Tamil Nadu - 602 106, India | |||
(3) 代表者の役職・氏名 | Ng Soon Leng, Director | |||
(4) 事業内容 | 塗料の購入、製造、販売、及び関連サービスの提供 | |||
(5) 資本金 | INR 5,628百万 (9,793百万円) | |||
(6) 設立年月日 | 2006年1月19日 | |||
(7) 大株主及び持分比率 | Isaac Newton Corporation : 99.99% | |||
(8) 上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 当社のその他の関係会社であり、関連当事者に該当するINCが当該会社の議決権の99.99%を保有しています。 | ||
人的関係 | 当社は当該会社へ取締役を1人派遣しています。 | |||
取引関係 | 当社子会社が当該会社へ製品・原材料等を販売しています。 | |||
(9) 当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 | 決算期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 |
資本合計 | INR 5,353百万 (9,314百万円) |
INR 5,619百万 (9,777百万円) |
INR 5,614百万 (9,768百万円) |
|
資産合計 | INR 10,019百万 (17,433百万円) |
INR 11,461百万 (19,942百万円) |
INR 12,429百万 (21,626百万円) |
|
売上収益 | INR 10,898百万 (18,963百万円) |
INR 15,821百万 (27,529百万円) |
INR 21,287百万 (37,039百万円) |
|
税引前当期利益 | INR 91百万 (158百万円) |
INR △451百万 (△785百万円) |
INR 67百万 (117百万円) |
|
当期利益 | INR 57百万 (99百万円) |
INR △447百万 (△778百万円) |
INR △0.1百万 (△0.2百万円) |
|
1株あたり配当金 | - | - | - |
(2) BNPA
(1) 名称 | Berger Nippon Paint Automotive Coatings Private Limited | |||
(2) 所在地 | A-99/3, Okhla Industrial Estate, Phase-II, New Delhi 110020, INDIA | |||
(3) 代表者の役職・氏名 | Mark Webb, Managing Director | |||
(4) 事業内容 | 自動車用塗料の製造・販売 | |||
(5) 資本金 | INR 3,160百万 (5,498百万円) | |||
(6) 設立年月日 | 2007年6月21日 | |||
(7) 大株主及び持分比率 | Isaac Newton Corporation : 51% Berger Paints India Limited : 49% | |||
(8) 上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 当社のその他の関係会社であり、関連当事者に該当するINCが当該会社の議決権の51%を保有しています。 | ||
人的関係 | 当社子会社取締役・従業員3名が当該会社の取締役を兼任しています。また、当社子会社従業員3名が当該会社に出向しています。 | |||
取引関係 | 当社子会社が当該会社へ製品・原材料等を販売しています。 | |||
(9) 当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態 | 決算期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 |
資本合計 | INR 2,550百万 (4,437百万円) |
INR 2,335百万 (4,063百万円) |
INR 2,406百万 (4,186百万円) |
|
資産合計 | INR 3,069百万 (5,340百万円) |
INR 2,824百万 (4,914百万円) |
INR 3,373百万 (5,869百万円) |
|
売上収益 | INR 1,317百万 (2,292百万円) |
INR 1,677百万 (2,918百万円) |
INR 2,584百万 (4,496百万円) |
|
税引前当期利益 | INR △297百万 (△517百万円) |
INR △207百万 (△360百万円) |
INR 71百万 (124百万円) |
|
当期利益 | INR △297百万 (△517百万円) |
INR △207百万 (△360百万円) |
INR 71百万 (124百万円) |
|
1株あたり配当金 | - | - | - |
4. 株式取得の相手先(INC)の概要
(1) 名称 | Isaac Newton Corporation |
---|---|
(2) 所在地 | Vistra Corporate Services Centre, Wickhams Cay II, Road Town, Tortola, VG1110, British Virgin Islands |
(3) 代表者の役職・氏名 | Goh Hup Jin (sole director) |
(4) 事業内容 | 投資持株会社 |
(5) 資本金 | USD 4 |
(6) 設立年月日 | 2002年3月20日 |
(7) 純資産 | USD 17百万 (2023年5月時点) |
(8) 総資産 | USD 280百万 (2023年5月時点) |
(9) 大株主及び持分比率 | Rainbow Light Limited : 75% Thurloe Limited : 25% |
(10) 上場会社と当該会社との間の関係 | |
資本関係 | 該当事項はありません。 |
人的関係 | 当社取締役1名が当該会社の取締役を兼任しています。 |
取引関係 | 該当事項はありません。 |
関連当事者への該当状況 | 当該会社は、当社のその他の関係会社であり、関連当事者に該当します。 |
5. 取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1) NPI
(1) 異動前の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合:0%) |
---|---|
(2) 取得株式数 | 562,800,000株 (議決権の数:562,800,000個) |
(3) 取得価額 | INR 6,967百万 (12,178百万円) |
(4) 異動後の所有株式数 | 562,800,000株 (議決権の数:562,800,000個) (議決権所有割合:100%) |
(2) BNPA
(1) 異動前の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合:0%) |
---|---|
(2) 取得株式数 | 1,611,597株 (議決権の数:1,611,597個) |
(3) 取得価額 | INR 1,313百万 (2,294百万円) |
(4) 異動後の所有株式数 | 1,611,597株 (議決権の数:1,611,597個) (議決権所有割合:51%) |
6. 日程
(1) 取締役会決議日 | 2023年8月29日 (本日) |
---|---|
(2) 本株式譲渡契約締結日 | 2023年8月29日 (本日) |
(3) 本株式譲渡の実行日 | 2024年上期中 (予定) インド当局からの承認取得後に予定しています。 |
7. 今後の見通し
本株式取得に伴う当社2023年12月期業績予想への影響は、軽微と見込んでいます。
8. 支配株主との取引等に関する事項
本株式取得は、Wuthelamグループに属するINCとの取引であるため、支配株主との取引等に該当します。
(1) 支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況
当社は、2023年4月6日に開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、「支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」として、少数株主の保護の観点から、当社の親会社と取引を行う際には、独立社外取締役が過半数を占めている取締役会において承認を得る等、独立社外取締役による適切な関与、監督を行っている旨を記載しています。
本株式取得に関しては、下記「(2) 公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項」に記載のとおり、独立社外取締役により構成される特別委員会を設置し、答申を取得していることから、上記指針に適合していると考えています。
(2) 公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項
当社は、本株式取得の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を講じています。
①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値分析報告書の取得
当社は、本株式取得価格の公正性を確保するため、株式取得の決定にあたり、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した第三者算定機関であるDURV and Associates LLP(以下、「DURV」)及びK.S.Rao & Co(以下、「KSR」)に対し対象会社の株式価値の算定を依頼し、DURV及びKSRから2023年7月25日付で各対象会社の株式価値分析報告書を取得しています。
②当社における独立した特別委員会の設置及び答申の取得
当社は、本株式取得に係る意思決定の恣意性を排除し、公平性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、当社の独立社外取締役である原壽氏、三橋優隆氏、及び中村昌義氏から構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」)を設置し、当社取締役会において、本株式取得取引(以下、「本件取引」)の決定が少数株主にとって不利益でないか否か(以下、「本諮問事項」)を諮問しました。かかる諮問を行うにあたり、当社取締役会は、本特別委員会の判断を最大限尊重し意思決定を行い、本特別委員会が妥当でないと判断した場合は本件取引の決定を行わないことを決議しています。
本特別委員会は、当社及び当社のアドバイザーから特別委員会に提供された資料及び情報に基づき、本諮問事項についての検討を慎重に行いました。本特別委員会は、かかる検討を前提として、2023年8月23日付で、当社取締役会に対して、①本件取引の決定に至った経緯及び本件取引の目的が、対象会社及びインドをとりまく事業環境、本株式譲渡(2021年)後の対象会社の業績並びに対象会社の今後の成長見込みを前提としており合理的であること、本件取引は、当社が再建に奏功した対象会社の株式を買い戻すことによりインド市場の更なる成長を取り込むことを可能とする取引といえること等から、本件取引は、株主価値の最大化という観点から合理性を有すると判断するに至ったこと、②当社が独立した第三者算定機関から株式価値分析報告書を取得していること、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立した本特別委員会を設置していること、独立したリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から法的助言を受けていること、Wuthelamグループの代表者を兼務している当社取締役Goh Hup Jin氏を本件取引に関する取締役会の審議及び決議には参加させておらず、本件取引に係る協議及び交渉にも当社の立場で参加させていないこと、適切な開示が行われる予定であるといえること、並びにその他本件取引に係る公正性を疑わせるその他の事情は認められないことから、当社の少数株主の利益を図る観点から、本件取引の手続には公正性が認められると判断するに至ったこと、③本株式取得の対価は独立した第三者算定機関であるDURV及びKSR作成の株式価値分析報告書の算定結果に照らして妥当なものといえること、本株式取得に係る各契約書において、合理的な内容が定められていること等に照らし、当社の少数株主の保護を図る観点から、本件取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断するに至ったことなどから、本件取引の決定は少数株主にとって不利益ではない旨の答申書(以下、「本答申書」)を提出しています。
③当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式取得に関する当社取締役会の意思決定の過程等における透明性及び合理性を確保するため、当社、Wuthelamグループ及び対象会社から独立したリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所を選任し、同法律事務所から、本株式取得に関する当社取締役会の意思決定の方法、過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けています。
④当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社の取締役であるGoh Hup Jin氏は本株式取得の相手先であるINCの取締役を兼務しており、本株式取得に関する当社取締役会の意思決定について、公正性及び客観性を高め、利益相反の疑いを回避する観点から、同氏は、本株式取得に関する全ての議案について、その審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場においてWuthelamグループとの協議及び交渉にも一切参加していません。なお、2023年8月29日開催の当社取締役会において、Goh Hup Jin氏を除くWuthelamグループと利害関係を有しない取締役全員の賛同により、本株式譲渡契約の締結を決議しています。
(3) 当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要
当社は、2023年8月23日付で、特別委員会より、本件取引の決定は少数株主にとって不利益ではない旨の本答申書を入手しています。本答申書の概要は、上記「(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項」の「②当社における独立した特別委員会の設置及び答申の取得」をご参照ください。
関連ページ