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2024.03.27

創色士 ―意匠性と品質を両立させる匠の技

#自動車用塗料 #自動車 #プロフェッショナル

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創色士 ―意匠性と品質を両立させる匠の技

高品質を求められる自動車用塗料

自動車は販売後10年、20年とユーザーに長く愛される乗り物であり、その間、塗り替えされることも殆どないため、自動車用塗料にはとても高い品質が求められます。
日差しの強い南国から雪の北国まで、あらゆる環境下で使用されることを想定しながら、太陽光や雨風を長年浴びても錆びることなく鮮やかな色彩を保つことや、走行中に飛んでくる小石が当たってもすぐひび割れたりしない硬い塗膜であるなど、その他多くの条件をクリアした自動車用塗料をお客様にご提供しています。
様々な外部環境から自動車の美観と保護を叶える自動車用塗料の膜厚はわずか0.1mmで、髪の毛1本よりも薄い塗膜に多くの技術力が詰め込まれています。

 基本の自動車用塗料

基本の自動車用塗料

新しい色を求めて

自動車の色には、その車種へのお客様のコンセプトや想いが詰まっています。新色の開発は、新しい色のイメージを写真や言葉で表現するところから始まります。お客様から届くコンセプト写真から、「繊細でやわらかい」「力強い」など、イメージを膨らませ抽象的な感覚から現実の色に落とし込んでいきます。例えば「白色」といっても、黄色に近い白、青に近い白や、質感の違いなど、創られる白は無限にあります。お客様と何度も打合せを重ねながらイメージをすり合わせ、今までにない新しい色を創っていくのが「創色士」の仕事です。
また、当社の色材技術チームは毎年、トレンドとなるカラーを選び、お客様へコンセプトとカラーバリエーションのご提案をしています。お客様の目を引く色があれば、それを元に新しい色を創ることもあります。

色彩と品質とのバランスが匠の技

創色士の仕事は、美しい色を創るのはもちろんですが、お客様の規格を満たせる塗膜性能にすることも重要です。高度な規格を満たした上で満足できる色を発現させる塗料設計が求められます。単に美しい色を創るだけなら簡単ですが、多くの性能を保証しながら美しい色を創り出す、これが創色の真髄であり、難しさでもあります。また、年々お客様の要望が高度になってきているので、その要望に応えるべく日々奮闘しています。
新しい色を創る過程では、性能面などでお客様の希望する色の再現が難しく議論が必要なケースもありますが、創色士がお客様としっかり対話を重ねることで信頼関係を築き、解決策を模索しながらお客様と共に新しい色を創り上げていきます。

創色カット

創色の楽しさ

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お客様の理想通りの色を創ることができたときの喜びはひとしおです。街中で自分たちが生み出した色を見かけると、その色が生まれた背景や工程が思い出され、大きな喜びと誇りを感じます。一方で、当社が手掛けていない色はとても気になりますし、どうやってつくられたのかと考えたりもします。
この仕事は職人の男性というイメージがありましたが、近年は女性も増えてきました。色創りでは女性ならではのアイデアが生まれるなど、女性が活躍できる仕事だと思います。

三辻さん名札ぼかし済

創色を繰り返すことで、顔料のもつ特徴が分かるようになっていくところが面白いと感じます。
私はまだ経験したことがないですが、自分が創色をして携わった色の車を街で見るとやりがいを感じると先輩、上司からよく聞きます。自分の仕事の成果が目に見えて分かるというのがこの仕事の魅力だと思います。まだまだ自分一人の力では創色をすることが難しいので、レベルアップして行けるよう日々先輩方から受けるアドバイスを生かしながら創色に取り組み、様々な顔料の特徴を理解し、一人前の創色士になることが目標です。

企業情報

日本ペイント・オートモーティブ株式会社

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