研究開発
2025.09.05

レンジフード掃除の手間を軽減する撥油性塗料

油汚れがつきにくい撥油性能を持たせることで、換気設備「レンジフード」の掃除の手間を軽減する塗料技術です。

#機能性コーティング #製品・事業 #研究開発 #注目の技術

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撥油性粉体塗料「パウダックスキノ2号」は、家庭用のレンジフードに多く採用されています。撥油性能に加え、付着した油汚れが乾燥した後でも、布などで簡単に拭き取れる性能も備えています。
レンジフード掃除イメージ

多彩なカラーと油汚れの除去・防止で暮らしを豊かに

レンジフードは熱がかかることが多いため、油汚れが乾燥してこびりつきやすい環境にあります。「パウダックスキノ2号」は、特殊なシリコーンポリマーとフッ素樹脂を塗料の主成分となるポリエステル樹脂に配合することで、油汚れをはじく層を塗膜に形成し、汚れが乾燥しても簡単に拭き取れる性能を付与します。これにより、レンジフードの掃除や手入れの手間を軽減させます。最近はパーソナルカラーをキッチンに取り入れる動きも増えており、レンジフード用塗料の色もベーシックな白や黒だけでなく、赤、青、シルバーなど多彩になっています。

レンジフードイメージ

鉄資源のロス削減に貢献

一般的な塗料は2回重ねて塗っても問題が生じにくいですが、撥油性を持つ塗料の場合、塗装面に塗膜が押しのけられたような凹みができるなど、外観不良が生じやすいという課題があります。しかし、「パウダックスキノ2 号」は油をはじく機能を持たせながらも、乾燥した塗膜に再度塗装することができる特別な仕様になっています。塗装仕上げの際に、ゴミなどが入って外観不良が発生した場合は、不良部分を研磨して、全体を再塗装します。これができない場合、下地となる鋼板を廃棄しなければなりませんので、重ね塗りが問題なくできるということは、鉄資源のロス削減にもつながります。


環境負荷を低減し、耐久性も向上

粉体状の塗料であることも特徴の一つです。特にVOC(揮発性有機化合物)削減の観点からは、粉体塗料は理想的だと言われています。液状の塗料の場合、均一にきれいに塗るには熟練の技術が必要ですが、環境負荷の低減や作業性の向上を背景に、徐々に粉体塗料へと移行が進んできました。また、粉体塗料は液状に比べて厚く塗りやすく、レンジフードの耐久性向上につながります。液状の塗料は20~40μm(1μm=1/1000㎜)程度の厚さですが、粉体塗料は1回の塗装で50~100μmと、強靭な膜を形成することができます。

粉体塗料の説明図

撥油性塗料に関するお問い合わせ先

・日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 お問い合わせはこちら


開発ストーリー

  • レンジフードの油汚れに一役。30年のロングセラー製品「撥油性塗料」開発秘話

技術一覧

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