独立社外取締役 中村 昌義

独立社外取締役 中村 昌義
プロフィール
2018年3月に独立社外取締役に就任し、2020年からは筆頭独立社外取締役として独立社外取締役の意見集約や執行への提言に加え、取締役会や各委員会をつなぐ包括的な役割を担う。2021年より取締役会議長を務め、効果的なファシリテートにより取締役会での議論の深化をけん引し、取締役会の実効性向上に貢献した。また、指名・報酬委員として取締役会構成と執行体制、その報酬設計などでも重要な役割を果たす。
米国大手投資銀行であるLehman Brothers、Morgan Stanley、三菱UFJ証券(現 三菱UFJモルガン・スタンレー証券)でM&Aアドバイザリー業務や資本市場からの資金調達の専門家として務めるなど、40年に及ぶ豊富な実務経験を有す。
Q.1

ご自身の強みやスキルについて教えてください。

私が取締役会に貢献できる点としては、米国大手投資銀行で培ったM&Aアドバイザリー、資金調達の専門家としての経験、そして三菱UFJファイナンシャル・グループ(MUFG)におけるグローバル投資銀行業務の構築、さらにはMUFGによるモルガン・スタンレーへの出資、業務提携に伴う三菱UFJモルガン・スタンレー証券の設立に至る経営経験です。

米国大手投資銀行での経験は、1980年代半ばからの20年余りの期間に当たります。日本企業が関わるM&Aの黎明期からファイナンシャルアドバイザリー・ビジネスを立ち上げ、市場に根付かせることに注力しました。その間には、日本の主要エレクトロニクスメーカーによる米国エンターテインメント企業との合弁会社設立や、日本の飲料メーカーによる中国ビール製造会社の買収、大手ITサービス事業会社による出資先米国企業の非上場化、グローバル自動車市場の再編に伴う欧州自動車OEMによる本邦自動車メーカーへの出資や相互出資による資本提携などのクロスボーダー取引を含め多様な業界において100件を超えるさまざまなM&A案件を成立に導きました。これらの経験から得たグローバルM&Aおよび資本市場のダイナミクスに関する知見を生かし、MUFGの投資銀行業務の経営に参画した後は、日本企業がグローバル資本市場へアクセスするためのさらなるルート開拓に貢献することができたと自負しています。

当社の独立社外取締役には2018年に就任しましたが、以来当社は数々のM&A案件を実行してきました。私はこれまでの経験を生かし、大局的な視点で案件の戦略的な意義を把握し、留意すべき要点を理解し、当社の優良な「アセット」を集め、積み上げる果敢なる挑戦に対して、執行を後押しすることに尽力してきました。

私のキャリアの基礎を成すM&Aアドバイザーという職業は、クライアントの経営陣に最終的に適切な意思決定を下すよう促すことが本質です。経営陣は意思決定を行う際に、アドバイザーなどの意見に従ってそのままに決断するものではありません。アドバイザーの役割は、よく整理され、分かりやすく纏まった助言を提供することを通じて、彼ら自らが然るべき決断に至ることをサポートすることに尽きます。私は、こうした立場や役割を全うすることを常に意識してきました。

私が担う取締役会議長の役割も同様です。執行は共同社長たちが担当し、私たち独立社外取締役は彼らが果敢に挑戦するためのサポートを提供しています。当社の取締役会においては、共同社長に独立社外取締役からの必要な視点や助言を提供した上で、彼ら自らの判断を尊重しながらも、議論が十分になされているかを確認し議事を進行しています。私も含めた各取締役が責務を充足する環境を整える役割を果たしています。

私のキャリアにおいて、日本企業の資本市場への取り組みをグローバル・スタンダードに近付け、日本の資本市場をグローバル市場の一角とすることが、私自身のミッションであると考えています。これまでの経験を生かし、独立社外取締役として当社のグローバルな成長と発展とともに、「株主価値最大化(MSV)」に貢献してまいります。

Q.2

MSVをミッションとする当社の強みや魅力、課題についてのお考えをお聞かせください。

上述のように「M&Aを含めたグローバル資本市場における日本市場、日本企業の地位を質とボリュームの両面から向上すること」が、私のプロフェッショナルとしてのライフワークです。私を含めた現在の独立社外取締役6名は、それぞれが各人のキャリアに基づくプロフェッショナルとしてのテーマを追求しています。たとえば法的な側面からのコーポレート・ガバナンス、会計監査、内部統制システム、IT、人材育成、グローバル・ビジネスのマネジメント、企業価値評価、M&Aプロセスマネジメント、PMIなどです。

このようにそれぞれの分野で高い見識を持つ者が、ゴー会長の提唱するMSVに賛同するとともに、株主の皆様の信任を得て取締役の任に就いています。そして経営上の唯一のミッションであるMSVの深い理解に基づき、取締役会は当社を構成する各パートナー会社に「何をしたいのか、何故?」を常に問い掛け、執行によるMSVへの飽くなき追求をサポートしています。同時に、さらなるアセットの積み上げに向けたM&Aに伴う潜在的なリスクとリターンを、取締役各人の知見に基づき評価し、執行がより適切な意思決定を下すよう導くことが求められているのです。

当社の取締役会は、指名委員会等設置会社への移行を伴いつつ、2018年3月の10名から現在の9名の構成に至っています。この5年間に新しく7名が就任し、8名が退任しています。これは取締役会のメンバーの高度な専門性、多様性を求めた結果とも言えましょう。また、「グローバル行動規範」下のリスクアセスメント調査(Control Self-Assessment)と、パートナー会社グループによる内部通報窓口の設置・運用による極めてシンプルな内部統制システムに裏打ちされた相互信頼に基づく「自律・分散型経営」は、「Audit on Audit」による監査体制を可能にしています。

当社の取締役会の最大の使命はMSVの追求に向けて、執行が果敢に適切なリスクを取り続けるガバナンスを維持することにあります。筆頭独立社外取締役として、取締役会と同様の頻度で独立社外取締役会議を開いています。事前にアジェンダは用意せず、議事録を取ることもなく、限りなく自由に意見交換をする場としています。それらの議論も踏まえ、取締役会の議長としては、各取締役の知見と見識を最大限に取締役会の議論と決定に生かすことはもとより、独立社外取締役の独立性の維持に努めることが、株主の皆様の付託に応えるものと考えます。

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