独立社外取締役 原 壽

独立社外取締役 原 壽
プロフィール
2018年3月に当社独立社外取締役に就任し、2020年からは指名委員長を務め、取締役会構成と執行体制における指名プロセスを継続的にリードしている。M&A取引やコーポレート・ガバナンスなどのさまざまな取締役会での議論において、経営戦略の実現に向け、弁護士としての多角的な視点から執行への適切かつ客観的な意見や助言を行っている。
40年以上の弁護士としてのキャリアを通し、多くのクロスボーダーのM&A取引に関与するとともに、さまざまな企業法務案件の経験を有す。2011年にはChambers and PartnersよりChambers Asia-Pacific Lifetime Achievement Awardを受賞するなど、クロスボーダーのM&A取引に携わる弁護士として高い評価を得ている。
Q.1

ご自身の強みやスキルについて教えてください。

私の強みの一つ目は、日本を代表する法律事務所を他事務所に先駆けて作り上げた経営経験です。私が法律事務所の代表になった当時は日本国内に大規模な事務所はなく、英国などの外資傘下に入ることがグローバル競争力を獲得していく定石とされていました。そうした環境下、事務所の代表として、当初は所属弁護士が30名程度だった人員を徐々に拡大し、日本で初めてとなる100名を超える事務所の誕生に奔走しました。今では、500名を超える規模へとさらに発展しており、日本法曹界の基盤強化に貢献できたと自負しています。

二つ目の強みは、国内側や海外側、買収側や売却側などのさまざまな立場で交渉をしてきた経験により、交渉相手の立場や狙いを客観的に理解できること、そして、国をまたいだ交渉にも精通していることです。日本最大手の法律事務所へと成長させていく過程で、私自身に対する海外からの認知度も高まり、国際的な舞台にお声掛けいただく機会が増えました。国内最大級のテーマパークを米国から誘致する案件では日本側のサポート、その後の別の米国テーマパークを日本へ誘致する案件では、米国側の交渉責任者として参画しました。また、当時日本史上最高額となった米国大手金融機関による日本企業の買収や、世間を騒がした事件を担当するなど、多様な案件に巡り合うことができました。

こうした経験に基づき、私は当社の独立社外取締役に就任以来、取締役会で審議される買収案件を含むさまざまな事案に対して、執行をサポートし、アドバイスを行っています。

当社は今後もさらなる成長に向けて果敢なリスクテイクを推し進めていきます。法律家としてのみならず、経営経験者として、執行が安心して挑戦できるための後押しを行っていくことが私の役割です。

Q.2

MSVをミッションとする当社の強みや魅力、課題についてのお考えをお聞かせください。

日本企業がグローバル展開する場合、海外の子会社へ日本のシステムや人材・技術を導入し、企業文化を浸透させる手法が一般的です。しかし、「アセット・アセンブラー」モデルを志向する当社の場合、日本からそうした型や枠を押し付けるのではなく、海外のパートナー会社の自律的経営を尊重することを是としています。こうしたユニークな経営方針は、当社とパートナー会社の経営陣の間に強固な信頼関係があってこそ成り立つものであり、これは、当社が買収を行う場合にも非常に重視している点です。買収対象の会社が優良なビジネスを展開しているかを業績や財務情報を基に精査するのと同様に、その会社に優秀な経営陣がいるのか?そして、その経営陣に手腕や人となりが伴っているか?が生命線であり、リスクにもなり得ます。これを見極めることが「アセット・アセンブラー」の要諦です。

また、当社は創業140年を超える社歴の長い会社ですが、そのような会社においては、多くの業務がマニュアル化され、前例踏襲が当たり前になってしまうリスクがあります。しかし、現代のように変化が激しい時代においては今まで通りでは通用しません。つまり、常識を疑い、自らの頭で然りと考えることができる人材を発掘し続けなければなりません。そして、そのような問題意識を持つ、気概のある人材がその才能を十分に発揮できる環境を整えることが重要です。共同社長はこのようなグループ経営人材の基盤構築に優れたリーダーシップを発揮しています。

加えて、私は、優秀な人材は仕事を共にする中で発掘されるべきと考えています。こうした考え方に基づき、私たちのみならずパートナー会社の経営陣たちが、自らの事業を推進する間近で人材を発掘していくことを重視しています。この課題に真摯に取り組んでいるかは、パートナー会社の経営陣へ「期待している人材」についての問いを投げ掛け、即座に数名の名前を挙げることができるかどうかですぐに分かります。前段で、私が日本最大手の法律事務所を作り上げることに腐心してきたことを申し上げましたが、グローバル競争力を勝ち得るためにはその規模もさることながら、やはり一人ひとりの弁護士の活躍が不可欠です。私は、法律事務所の経営を行ってきた20年あまりの間、所属の弁護士の一人ひとりが輝ける体制づくりを行うことをモットーにしてきました。こうした人材に対する考えは、当社の指名委員会の委員長となった今でも変わることはありません。これからも「アセット・アセンブラー」としてのグループ人的資本の強化に貢献していきます。

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