イノベーション

今日の社会においては、過去の手法によっては解決が困難な課題が次々と顕在化しています。積極的にパートナーシップを活用しイノベーション創出力を強化します。

化学物質管理

有害化学物質規制に適合した製品の市場展開

化学物質管理

環境や人体への影響を最小限に抑える目的で2021年に立ち上げた化学物質管理システム「Green30」は、欧州REACH規制、米国TSCA、日本の化審法などで取り上げられる懸念化学物質を管理するために作製したものです。該当する化学物質のリスクを、ビジネスを実施する国や地域の規制に応じて、3つのカテゴリー(ランクA 、ランクB 、ランクC)※に分類しています。2021年より日本グループで運用を開始し、現在、日本以外のパートナー会社に導入されつつあります。

「Green30」で管理している物質の1つであるアルキルフェノールエトキシレート類(APE類)は主に界面活性剤として使用され、ノニルフェノールエトキシレート(NPEO/NPE)はその一種です。これらの原料であるノニルフェノール(NP)は、欧州REACHや米国TSCAにより規制されていることから、当社グループはAPE類を含む界面活性剤の段階的な廃止を進めています。 さらに、残留性有機汚染物質(POPs)として問題視されているUV-328やUV-327などの紫外線吸収剤の代替も進めています。日本グループでは、2023年末までにUV-328を完全に廃止しました。また、中鎖塩素化パラフィン(MCCP:炭素数14~17で、塩化率45重量% 以上のもの)など他のPOPsの使用量削減にも取り組んでいます。

塩化パラフィン使用量(2019年=100)

2019
100%
2020
86%
2021
64%
2022
54%
2023
39%

UV-328 使用量 (2019=100)

2019
100%
2020
39%
2021
15%
2022
11%
2023
3%

化学物質管理フロー

※ カテゴリーの定義
ランクA(禁止):採用禁止
ランクB(新規採用禁止):一部の例外を除き新規採用禁止
ランクC(新規採用回避):規制動向、環境影響、事業環境を踏まえ採用可否を判断する
ランクなし:原料採用への影響なし

取り組み事例 2025年5月時点

DuluxGroupの取り組み

DuluxGroupのプロダクト・スチュワードシップ・プログラムは、原材料の購入から使用済み製品や包装の廃棄に至るまで、製品のライフサイクル全体にわたってリスクを管理し、サステナビリティを向上させることを目的としています。毎年、各事業において機会を評価し、以下を含む重点分野における製品のサステナビリティに関連するパフォーマンスを改善するためのアクションプランを策定しています。

  • 消費者の安全性と製品誤用
  • 使用済み廃棄物
  • 原材料の影響(化学物質管理を含む)
  • ライフサイクル環境影響とカーボンフットプリント
  • 包装、ラベリング、安全データの伝達
  • 流通

また、製品に含まれる化学物質、特に長期的な健康や環境への影響の可能性がある「懸念化学物質」に関連するリスクを低減するための管理プログラムを運用しています。高懸念化学物質106種(全体の98%)については、グループとしての対応方針を策定しており、それぞれの化学物質についてリスクの排除や軽減(例:段階的廃止、使用制限、追加的管理措置の導入、研究強化など)に向けた管理方法を明確にしています。
近年では、アルキルフェノールエトキシレート(APEs)および非芳香脂肪族フッ素化合物の段階的廃止に取り組んでいます。ストックホルム条約に記載されている全てのPFAS類は、トリガー濃度閾値を超える使用が禁止されています。また、DuluxGroupは使用が確認されている非ポリマー形式のPFASのみを利用した配合にも取り組んでいます。PFASは安全データシートに開示されているとは限らないため、サプライヤーと協力して、供給材料に含まれる非開示のPFASを特定し、段階的な廃止に向けた検討ができる体制を構築しています。
欧州事業においては、懸念化学物質の管理方針をREACH規則と整合させており、事業ごとに新たな分類決定や規制動向を監視し、要件および規定された期限に従って対応を進めています。太平洋地域では、包装材のリサイクル含有率向上ロードマップの実施を継続しており、主な取り組みとして以下が挙げられます。

  • Selleys Point Works容器において30%のリサイクル素材の導入
  • Dulux Professional、Hadrian、Berger Gold Labelの業務用15リットル容器において、50%のリサイクル素材の導入を推進(これらの製品群の約75%が2025年内に移行予定)
  • 使用済み容器廃棄物の30%を再利用し、Dulux NZのプラスチック容器へ再生する仕組みを導入
  • Yates事業におけるLDPE袋において、60%のリサイクル素材への移行を継続

日本グループの取り組み

日本グループでは2021年、環境や人体への影響を最小限に抑える目的で、化学物質管理システム「Green 30」を立ち上げました。このシステムは、日本の化学物質に関する規制への適合だけでなく、欧州連合(EU)のREACH規則など国際的な協定により世界的に懸念が高まっている化学物質も管理できるように開発されました。事業を展開する各国の法規制に基づき、化学物質のリスクを「禁止」「新規導入制限」「新規導入回避」の3つに分類しています。このシステムは2021年に日本で運用を開始し、海外のパートナー会社にも導入を進めています。
アルキルフェノールエトキシレート(APEO)は界面活性剤であり、その一種にノニルフェノールエトキシレート(NPEO/NPE)があります。これらのノニルフェノール(NP)は、米国環境保護庁(EPA)、REACH、ならびに日本の化審法により規制されています。当社グループは、APEOを含む界面活性剤の段階的な廃止を着実に進めています。2021年には欧州製品におけるノニルフェノール化合物の使用を廃止し、日本国内においても廃止に向けた取り組みを進めています。また、各国のPFAS規制動向を注視し、国内使用・輸出の両面で各国のPFAS規制への対応を確実に行っています。

Dunn-Edwardsの取り組み

Dunn-Edwardsは2019年に全製品ラインを低VOCの水性製品に切り替えました。また、環境効率という包括的なグリーン原則に強くコミットしており、同社では「環境効率」を、人々のニーズを満たしながらエネルギーや物質資源、環境の質、人々の健康や安全に対する悪影響を最小限に抑える能力と定義しています。環境効率とは、塗料製品の性能を最適化することで「より多くの良いことをする」ことであり、有害な成分の使用を削減または回避することにより「害を減らす」ことです。エコ効率の原則から派生するグリーン原則には、資源保全、エネルギー効率、廃棄物の最小化、リサイクル、排出量削減、健康と安全の保護、社会的責任などがあります。そのため、Dunn-Edwardsの塗料の処方にはアスベスト、ベンゼン、カドミウムおよびクロム顔料、塩素系溶剤、ダイオキシン、エチレングリコール、ホルムアルデヒド、鉛、水銀、塩化メチレン、フタル酸エステルなどは含まれていません。
また、PFASを含む樹脂および界面活性剤については、2024年末までに代替品へ切り替えを予定しており、一部既存材料の使用は2026年初頭まで継続される見込みです。

イノベーションに対する取り組み

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