イノベーション

今日の社会においては、過去の手法によっては解決が困難な課題が次々と顕在化しています。積極的にパートナーシップを活用しイノベーション創出力を強化します。

開発方針と体制

研究開発戦略

今日の社会においては、過去の手法によっては解決が困難な課題が次々と顕在化しています。積極的にパートナーシップを活用し、イノベーション創出力を強化します。

MSV実現に向けた取り組み

当社グループの技術的な使命は、塗料・周辺市場で世界をリードする技術集団を目指すとともに、日本と世界で成長を加速し、市場シェアを向上することです。イノベーション戦略としては、①適応可能な組織の構築、②実現力あるコアテクノロジーの開発、③周辺市場、新興市場への進出、の3つの柱で構成しています。これは技術的な視点からMSVを実現するものであり、顧客中心主義と社会的責任、社会との協調を重視する企業集団としての文化が今後の成功につながる鍵になります。
当社グループは「アセット・アセンブラー」モデルのもと、世界のパートナー会社間で技術協力、知的財産の共有を行っており、パートナー会社の技術チームは、各市場や顧客ニーズに効果的に対応するため、高い自律性を維持しています。当社グループは、知的財産の付加価値を向上するため、グローバルな技術提携の強化に適応できる体制を構築しました。例えば、建築用塗料の技術チームは、グローバルな技術コミュニティを形成し、共同の技術開発プロジェクトを通じてベストプラクティスの共有と研究能力の有効活用を進めており、各国の顧客ニーズに対応する中で効果を上げてきました。パートナー会社間での技術共有や能力向上を目的として、LSI( Leverage, Share & Integrate)活動を開始し、基盤技術の共有やパートナー会社横断的なプロジェクトの促進を行っています。

ロードマップ

2022 2023 〜2027
サステナブル製品
  • NIPSEAグループ:サステナブル製品を再定義
  • NIPSEAグループ、日本グループ:「サステナビリティ・スコアボード(得点システム)」を開発
  • DuluxGroup:サステナブル製品目標を設定し、ANZ※1事業向けのロードマップを策定
  • 各パートナー会社ごとに、製品のライフサイクルアセスメント(LCA)を算定
  • DuluxGroup:温室効果ガス排出量(スコープ 3)削減ロードマップを策定
  • 四半期ごとのサステナビリティ・スコアボード(得点システム)の実績を各パートナー会社で管理
  • より革新的なサステナブル製品の開発を推進
  • DuluxGroup:サステナブル製品、温室効果ガス排出量(スコープ 3)削減ロードマップを実行
化学物質管理
  • 各パートナー会社が米国環境保護庁(EPA)、REACH規制に対応
  • DuluxGroup:高懸念化学物質の50%に関するREACHステートメントを作成
  • Dunn-Edwards:受入化学物質管理/特定化学物質ごとの選択
  • 各パートナー会社において特定化学物質のフェーズアウトプランを検討
  • NIPSEAグループ:有害重金属4種※2の削減を中心に取り組みを実施
  • DuluxGroup:高懸念化学物質の75%に関するステートメントの作成、欧州の特定化学物質規制対応に向けた体系的なプログラムを策定
  • フェーズアウト計画に基づくサステナブル製品の開発
研究開発
  • 「グリーンデザイン・レビュー」の策定
  • 日本グループやNIPSEAグループ以外でもサステナブル製品の研究開発を実施(例:DuluxGroup、Dunn-Edwardsなど)
  • 国連のSDGs、カーボンニュートラルに向けたイノベーション推進
プロダクトスチュワードシップ
  • DuluxGroup:パッケージのリサイクル目標、ANZ事業のロードマップ策定
  • 質問項目の特定
  • ステークホルダーアンケートを実施
  • NIPSEAグループ: PS&RA※3チームの取り組みを強化
  • DuluxGroup:フォーミュレーション管理、規制対応管理に向けたプロダクトビジョンを実施
  • 質問管理データベースの実行
  • 質問対応研修
  • 顧客・取引先向け研修
  • DuluxGroup:パッケージリサイクルロードマップの実行

※1 豪州・ニュージーランド  ※2 鉛、クロム酸塩、カドミウム、水銀  ※3 Product Stewardship(プロダクト・スチュワードシップ)、Regulatory Affairs( 規制対応)
LCA・・・当社は、LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方に則り、市場展開を踏まえて、現行品の置換、環境配慮型製品などの新規商品開発を推進しています

研究開発の枠組みとコア技術

当社グループの技術系人材はグローバルで3,895名、このうち日本では1,141名に上ります。技術系人材は、持続的なビジネスの成長を実現する強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。技術系人材は国内外の顧客と消費者のニーズに対応するため、日本・東京と大阪、中国・上海、シンガポール、豪州・メルボルン、米国・ロサンゼルスとクリーブランド、フランスなど、世界52ヵ所の研究開発・技術施設に従事しています。2022年の研究開発費は281億円に達し、新たに169件の特許を出願しました。2022年末時点で登録されている特許権は1,508件に達しています。
当社グループでは、塗料と塗装に関するコアテクノロジーを12のカテゴリーに分類しながら、知的財産を管理しています。それらは、高分子化学、色彩科学、塗料配合、硬化技術、分散技術、塗装技術、生産技術、レオロジー、耐候・腐食、計測学、人工知能、サステナビリティとなります。
研究開発拠点の中核となるチームには各分野の専門技術者が従事しており、世界で展開する技術開発拠点の技術者と協力しながら、グループ全体の製品開発を支援しています。当社グループは、世界の大学や学術研究機関と、幅広いオープン・イノベーション・ネットワークを構築しています。
日本グループは2020年に東京大学と戦略的研究に関する提携を結び、共同研究を行う枠組みを構築しました。東大との提携は、感染症のリスク低減、社会コストと環境負荷の抑制、スマート社会の基盤づくりの3分野を対象としており、革新的な塗料技術の創造を目指しています。
NIPSEAグループはシンガポールで、数十年にわたり科学技術研究庁(A*STAR)の研究機関と提携しています。最近ではA*STARと戦略的に提携し、自律走行を可能にするスマート・サーフェース分野、塗料研究で人工知能(AI)を応用する分野で破壊的技術を開発しています。
さらに、当社グループは米国マサチューセッツ工科大学と世界中の企業の互恵関係を構築・強化することを目的とする産学連携プログラム(MIT-ILP)へ参加しました。

イノベーション創出に向けた取り組み・プログラム

新製品売上高指数(NPSI)は、テクノロジーを駆使して生産した製品の生産量を測定する指標の1つです。新製品は、段階的な改良によりグレードアップした製品から、破壊的イノベーションにより新たに市場に登場した製品まで、複数の分野に分類されます。NPSIは、技術チームとビジネス・サプライチェーンのオペレーションチームが共同で取り組んだ実績を反映しており、両者の強い連携により、MSVへのコミットメントを実現しています。
NIPSEAグループと日本グループを合わせたNPSIは2022年に20%を達成し、12,000もの新製品を発売しています。

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