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2026.09.09

開発ストーリー:地域の課題解決に貢献する“ご当地塗料”の開発秘話 ― 南九州編 台風や紫外線、桜島の火山灰から屋根を守る

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夏の日差しや紫外線、そして桜島の火山灰、台風の接近による風雨など、南九州地域の屋外環境は非常に厳しいものです。特にこれらの影響を常に受ける屋根は、過酷な環境にさらされており、より美しく長く守るために、屋根用塗料には多くの技術が詰まっています。鹿児島を中心とした南九州地域特有の課題に向き合い、現場の声からつくられた“ご当地塗料”誕生の足跡をご紹介します。

台風対策から生まれた瓦屋根用塗料

台風の通り道となる南九州では、1990年代の半ば頃、強風を受けても飛びにくいセメント瓦と呼ばれるセメント製の屋根材が多く採用されていました。セメント瓦に塗られる塗料は、圧縮した空気(エア)を使わず、塗料を高圧で噴射して塗装するエアレス方式で塗装されています。広い面積を効率的に塗るのに適した方法ですが、高圧で噴霧されるため、塗着量が多くなり、厚膜になる傾向にあります。そして、古くなった塗装を塗り替える際には、強溶剤系の上塗り塗料が用いられてきました。強溶剤系の塗料は水性や弱溶剤系の塗料に比べて、乾燥が早いという長所がありますが、夏場に屋根の表面温度が60℃を超えてくると、厚く塗装された部分の表面だけが乾くため、内部に溶剤やシンナーが閉じ込められます。これらが劣化した古い塗膜を溶かしてしまい、膨れたり、剥がれたりするトラブルが生じ、施工店や販売店を悩ませていました。これを受けて、当時の南九州営業所に「安心して使える塗料を開発してほしい」という依頼が寄せられたことがきっかけとなり、1996年に瓦屋根を守る塗料「Sun瓦」の開発がスタートしました。

エアレス塗装
塗料を霧状にするエアレス塗装
塗装が剥がれた屋根
塗装が剥がれた屋根
担当者

機能と美観を両立し、お客様や現場の声に応える

開発を進める中で重視したのは、お客様や塗装現場の声を受け止めることでした。南九州の施工店がどのような流れで塗装作業をしているのか、塗り重ねを行うタイミングはどうなっているのかなど、現場の実態に合わせて塗料の設計を何度も見直しました。技術的な肝となったのは、下地となる面に塗る塗料の設計です。塗り替え用の溶剤系の上塗り塗料と混ざり合わないよう、強固に遮断する性能が求められていました。そこで、耐溶剤性や密着性などを調整し、1年半をかけて4回の改良を重ねました。こうして完成したのが、上塗りの溶剤を下まで通さない理想的な塗膜構造を実現した下塗り材です。
また同時に、当時の鹿児島で求められていた「塗装したらピカピカであるべき」という美観への要望にも応えました。上塗りについては数値で測れる光沢値だけではなく、肉持ち感のある“ぽってり”とした重厚感のある仕上がりにするために、高平滑性や粘性制御による厚膜化を実現した塗料を用いて見た目の質感にもこだわりました。販売店や施工店と一体となり、より良いものを求め続けることで、膨れや剥がれの課題と見た目への要望に一つ一つ応えていきました。

塗装後の屋根
塗装後の屋根
塗料

火山灰と共存する塗料の提案へ

一方、もう一つの主役として地域に根付いているのが、昨今、住宅用屋根の主流となっている化粧ストレートや洋瓦、セメント瓦、トタン屋根などの各種屋根材に幅広く対応する上塗り塗料「ファインパーフェクトベスト」です。南九州、特に鹿児島において、施工店が塗料に求める条件はシビアと言われています。風向きによって桜島から突然降り注ぐ火山灰は、顕微鏡で見ると粒子が尖っているため、乾きかけの柔らかい塗膜に刺さると美観を損ねてしまいます。さらに、強い紫外線による色あせも課題でした。
「ファインパーフェクトベスト」が南九州で選ばれている理由は、高耐候性と施工性の良さにあります。現場の職人達からは「パリッと早く固まる」「2回目の塗装で屋根に踏み込んでもベタつきが少ない」と高く評価されており、火山灰が気になる環境でも効率良く、きれいに仕上げることができます。

「ファインパーフェクトベスト」の塗膜構造
「ファインパーフェクトベスト」の塗膜構造
ラジカルとは

塗膜を劣化させる物質のこと。塗料に紫外線や酸素が触れることで発生すると言われています。

  • 特殊光安定剤A:紫外線の到達を阻止しラジカルの発生を抑えます。
  • 特殊光安定剤B:発生したラジカルを抑え込み、塗膜の破壊を抑制します。
顕微鏡で見た火山灰の粒子
顕微鏡で見た火山灰の粒子(※)

※出典:産総研地質調査総合センターウェブサイト(https://www.gsj.jp/hazards/volcano/kazanhonbu/sakurajima_260707_1.pdf
第50062020-A-20260807-001号

受け継がれてきた現場主義の考え方が信頼獲得につながる

営業担当者が大切にしているのは、受け継がれる現場主義の考え方です。塗料をつくって売るだけではなく、その地域に合った製品として施工店が使いやすく、お客様の屋根がより美しく、長持ちすることを重視しています。現地の気候や職人の感覚、そして施主様の美意識。これらに耳を傾け、向き合ってきた日々が地域の方からの信頼獲得につながっています。「Sun瓦」を含む製品群は、鹿児島発祥の塗料ということで、製品カタログの表紙に桜島をあしらい、特殊顔料のプレミアムカラーには、鹿児島の方言で「とても」という意味の「わっぜ」を引用、「わっぜシルバーブラック」と命名しています。今日も「Sun瓦」と「ファインパーフェクトベスト」は、雨風や強い日差し、火山灰などから、地域の暮らしを守り続けています。

「Sun瓦」シリーズに関するお問い合わせ先

「ファインパーフェクトベスト」に関するお問い合わせ先

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