中期経営方針説明会 質疑応答要旨

文字サイズ

質問者:BofA証券株式会社 榎本尚志氏

  • A1ガイダンス自体は2026年までの3年間を1つの目途にしていますが、もう少し長期的であっても同様のガイダンスを達成可能と見込んでいます。
    各アセットレベルでは中期経営計画を策定しており、現在の事業ポートフォリオにおいては説明資料P19の中期成長予想を達成可能な見込みです。
    各アセットの中期経営計画を積み上げれば2026年の連結ベースの目標数値を算出することは可能であるものの、今回の中期経営方針ではあえて開示していないことをご理解ください。

  • A2説明資料P10に記載の連結CAGR目標については、一定のオペレーティング・レバレッジ効果を織り込んでいるものの、説明資料P14のイメージほどの劇的な改善は短期的には見込んでいません。現在は利益の一部をシェア獲得のための再投資に回すことで成長を続け、ドミナンス獲得を目指していきます。

  • A3常に市場成長を上回る成長、すなわち市場シェアの拡大を目指さなければ、長期的にも良い結果にはならないと考えているため、社内目標は開示した目標よりもさらに高く設定しています。
    当社の事業は、市場シェアが高いほどさらなるシェア獲得につながりやすい特徴があり、当社のアセットの多くは既に各地域で高いシェアを持つため、今後も継続的なシェア拡大を見込んでいます。
    一方で、例えばインドについては、非常に強力なマーケットリーダーがいる中で南部2州に限定して打ち勝つことを目指してきましたが、新規参入企業が増え、競争がさらに激化していることから、今後も一筋縄ではいかないと認識しています。
    また、米国についても、Dunn-Edwards社は限定した地域においては持続的な成長と収益の両立を実現していますが、全米規模のマーケットリーダーに打ち勝つことを目指しているわけではありません。
    シェア拡大に対する色合いは地域ごとに異なりますが、当社グループが持つさまざまなブランドを組み合わせることによって、さらなる成長が可能と自信を持っています。

質問者:JPモルガン証券株式会社 仲田育弘氏

  • A1MSVは株主価値の最大化であり、EPSとPERに分解され、それぞれを最大化することがMSVとなります。つまり、MSVとは結果です。
    当社がEPS拡大を掲げている理由は、「企業価値の向上」では間違った投資が正当化され得るからです。企業の規模をひたすら大きくすれば、株主価値を毀損してでも企業価値を向上することが可能です。したがって、株式を発行する場合でもEPSが拡大しなければMSVではないため、当社はEPSの拡大を掲げています。そして、PERはEPS拡大に対する資本市場からの期待値であり、この2つの掛け合わせによってMSVを目指しています。
    EPS拡大のみに焦点を当てた場合、自社株買いによって株式数を減らすことでEPSを拡大させる策もあります。しかし、現状の株価水準には満足しておらず、資本も無限ではあるものの、現在の株価で新株を発行する魅力は薄れています。そのため、資本調達を目指すのではなく、手元のキャッシュをしっかり確保した上で負債調達を行い、EPSの積み上げを目指します。自社株買いを行えば短期的なEPS拡大を見込むことはできますが、それを上回り、かつより長期的なEPS拡大を見込めるアセットの買収機会が十分にあると見通しており、M&Aなどの成長投資を優先することでEPSの最大化を目指していきます。

    PERについては、例えば、創出したキャッシュをもとに継続的に自社株買いをすればPERの拡大につながるかもしれません。しかし、当社は成長力とPERに相関関係があると考えており、飽くなき成長を追求する中でアセットをさらに積み上げることで、当社の持続的にEPSを積み上げる力を資本市場の皆様にご理解いただければ、いずれPERは拡大すると見込んでいます。
    ただし、PERは当社でコントロールできるものではなく、現在の株価水準にはさまざまな要因があると見ています。その1つとして、当社の事業ポートフォリオにおける中国事業の比率が約35%を占めている点が懸念材料になっているという声を資本市場の皆様から聞いています。当社は従来から中国事業の成長力やキャッシュ創出力の高さなどをご説明してはいますが、中国の経済環境が決して良いわけではないため、資本市場では中国事業の比率が高いことへの抵抗感があると推察します。また、2020-2021年頃は中国の成長力が非常に評価されていた時期であった一方、現在はそれがマイナスに働いている影響もあると考えています。
    今回、中期の連結CAGR目標として売上収益で約+8~9%成長、EPSで約+10~12%の成長を掲げましたが、当社をカバーしているアナリストの皆様も当社の成長力についてやや過少評価しているのではないかと分析しています。
    一定程度の人口がいれば、中国も含めて長期的には1人当たりGDPの成長が見込まれ、また根強い需要がある塗料市場には十分な成長力があることに加えて、将来的には経済環境が好転する可能性も十分にあることから、長期視点では当社の潜在成長力に対する信頼度が上がり、結果としてPERも改善する可能性があると考えています。そのために、当社としては経営に対する信頼感を地道に獲得していくことを目指します。
    EPS拡大については高い確度で見通すことができますが、PERは資本市場からの1つの総意であるため、当社としては資本市場の皆様とのコミュニケーションの充実を継続していきます。

  • A2現在の資本の使い道はM&Aが最優先ですが、常に資本市場を見ながらあらゆる選択肢を確保しています。極端な例としては、PERが10倍程度であれば自社株買いを実施する可能性もあります。つまり、EPSの最大化に向けて状況に応じた資金の最適な使い道を選択していきます。

質問者:みずほ証券株式会社 吉田篤氏

  • A1「アセット・アセンブラー」モデルは派手さこそないものの、堅実な会社の集合体であり、中長期的にEPSやPER、つまりはMSVにコミットしている会社は当社を除いて他にはなかなかないと考えていますが、そうした魅力を資本市場に十分伝えきれていない可能性があります。そのため、投資家の皆様へのリーチや市場流動性などを少しずつ改善していくほか、やはりM&Aのトラックレコードを着実に積み上げていくことがポイントと考えています。
    当社のM&Aはローリスク・グッドリターンである案件のみを厳しく選んで実施しています。加えて、当社はリスクに対して非常に敏感に対応しており、実際に当社のM&Aはかなり低リスクなものとなっています。M&Aが持つ派手なイメージとは反対の経営方針を掲げていることへのギャップもあると推察します。
    そのため、M&Aのトラックレコードを引き続き積み上げることによって、「この会社は結果的にEPSがどんどん積み上げっている」という評価につなげていきます。また、オーガニックでEPSが+10~12%成長するどころか、M&Aを実施すればさらにEPSが積み上がる可能性がある会社である点も、実績とともにご理解いただきたいと考えています。

    EPSは順調に拡大しているにも関わらず、株価はなかなか上がらない理由を明確に回答することは難しいものの、当社の伝え方や経営方針の理解浸透が不十分である可能性もあると感じており、本日このような説明を実施しました。投資家の皆様からのご意見を引き続きお待ちしています。

  • A2EPSが着実に拡大すれば、いずれ株価も上昇すると見込んでいます。PERがどこまで拡大するかは分かりませんが、EPSが着実に拡大していれば株価は下がらないと考えます。
    当社は過去3年間の厳しい環境下でも、確実に結果を出し続けてきたと自負しています。共同社長体制、大株主、取締役会、優秀なパートナー会社なども含めた集合体としての強さは、資本市場から過小評価されていると認識しています。

    本日は、新たに当社を知ろうとする方にとっても分かりやい説明を心掛けました。

  • A3当社の事業ポートフォリオは今後も変わり得るものであり、2026年時点のポートフォリオは現時点よりもさらに変化すると見ています。そのため、2026年に向けての具体的な連結数値目標を設定すること自体が、「アセット・アセンブラー」モデルとは相容れない部分があります。
    地域によって成長と両立可能な利益率は異なっており、それを連結として1つの数字にまとめ上げることは単純な計算の積み上げでしかありません。むしろ、そうした標準化をしないことが当社の強みであり、一律設定してしまうことは各地域の成長を止めてしまう可能性があるというのが当社の考えです。

質問者:ゴールドマン・サックス証券株式会社 池田篤氏

  • A1例えば、買収時は上場会社であったDuluxGroup社の場合、競合他社との駆け引きというよりは、DuluxGroup社自らが単独で達成できる市場評価額以上の金額を提示できるかが焦点であり、当時のDuluxGroup社の経営陣が下す判断との勝負でした。競合相手が後追いで現れる可能性はあったものの、結果的には競合相手は現れず、非常に順調に買収することができた事例の1つです。
    一方、トルコのBetek Boya社やカザフスタンのAlina社などはプライベートカンパニーの買収に当たります。こうしたケースでは競合相手もいましたが、当社の標準化を目指さないアプローチが個人オーナーやファミリーオーナーにとって魅力的に映る点があったと考えます。
    また、例えば、年率20%以上の金利で借入していたBetek Boya社に対して当社の資金調達力をもって全額返済したり、「Nippon Paint」ブランドを使用する要望があれば喜んでブランドを貸し出すなど、買収企業の特性に合わせて柔軟な対応ができる点や、買収企業の歴史を守りつつも、さらなる成長を目指すことができる点などが評価されており、買収が順調に進む理由となっています。加えて、こうした点が当社グループ入り後の体制移行を順調に進められる理由にもなっています。
    さらに、当社が日本企業であることも買収を優位に進めることができる理由の1つです。先ほどもご説明した通り、低金利のメリットだけでなく、「日本企業であれば信頼ができる」「約束は守ってくれる」と信じてもらいやすい実感があります。

    今後については、地域や規模、事業などに縛られず、リスクとリターンのバランスを取ることが最重要です。建築用に限らず、バリュエーションが魅力的であれば工業用や周辺領域なども視野に入ってきます。「アセット・アセンブラー」としての特性を生かせる企業なのか、買収対象会社の経営陣の資質などの観点も併せて十分に検討した上で、ノーリミットだと考えています。建築用が比較的安全でキャッシュも非常に創出しやすい事業ではあるものの、建築用だけに縛られることなく、幅広い視野でM&Aを検討していきます。

  • A2個別の案件については回答を差し控えさせていただきます。

    米国市場については、当社はわずか2.5%のシェアですが、大手の塗料メーカーが非常に強い市場であると同時に、地場のプライベート企業を中心に塗料メーカーは数百に上るなどの特徴があります。塗料の事業特性として、地域に根付き、設備投資も少なく済む中で、持続的に企業運営が可能な面があります。
    他方で、カリフォルニア北部の塗料メーカーがアスベスト訴訟により操業を停止した事例も直近であり、Dunn-Edwards社は商圏が近接するため、店舗や人材、シェアを取りにいこうとしています。そのような形でもDunn-Edwards社の成長は十分可能であり、必ずしも北米市場での買収が必須ではありません。肥沃な米国市場において、Dunn-Edwards社のみでも十分に成長ができると見込んでいます。つまり、Dunn-Edwards社の収益性が低下し、シェアを落とし続ける状況は発生しておらず、西海岸を中心とした市場では持続的に成長と収益を両立することができています。
    米国市場で差し迫ってM&Aを実施する必要性は薄く、それはMSVの考え方にも合致していると考えています。

質問者:野村證券株式会社 岡嵜茂樹氏

  • A1そうした議論は全くありません。資本市場の状況は理解するものの、現時点での当社の事業ポートフォリオでは致し方なく、EPSについても中国が結構な割合を占めています。しかし、これまでも何度かご説明している通り、当社は中国に対して追加投資が必要な状況にはなく、中国は自律的にキャッシュを創出し、自ら投資をしながら、十分な配当を出せるアセットであることから、当社が中国を切り離す理由は全くありません。
    仮に切り離した場合、短期的にはPERが上がる可能性はゼロではないものの、当社としては中国を成長させながら、他の国・地域でも成長を目指し、併せてM&Aも行っていく方針です。
    恐らく中国ではM&Aは行わないため、他の地域で今後M&Aを進めていけば、全体の分母が大きくなる中で中国事業の比率が下がる可能性はありますが、積極的に中国事業を縮小する理由はありません。短期的なPERの改善のためには、そうした考え方もあり得るのかも知れないものの、当社は長期的なMSVの追求、長期的なEPSの最大化を目指しており、中国事業を縮小することは視野に一切入れていません。

  • A2ウットラムグループはオフバランスを目的とした存在ではありません。仮にウットラムグループへ譲渡した場合、買い戻す際の価格は現在よりも高くなっていなければなりません。つまり、売却してしまっては、それこそ損になります。インド事業の場合は赤字だったため、売却するとEPSは増加し、資金も入ってきたため、当社としては理にかなった取引でした。しかし、中国事業の場合は十分に利益が出ていて、キャッシュも創出できている事業をわざわざ低いバリュエーションで売却することになります。そして、中国市場が回復して買い戻すならば、恐らくバリュエーションは高くなることを考えると、全く現実的ではありません。

質問者:参加者A

  • A1説明資料のAppendixにアセット別の市場シェア推移を掲載しています。例えば、NIPSEA中国のTUCのシェアは25%であり、当社推定ではトップシェアとなります。2位、3位に位置する競合他社は1桁後半のシェアであると推察するため、まだドミナンスを獲得している状態ではありません。
    当社がドミナンスと考えるシェアは40~50%、あるいは60%程度のイメージであり、シンガポールの市場シェアは75%に達しているため、ドミナンスを確立している認識です。マレーシアはシェアが年々上がっておりドミナンスを獲得中ですが、ドミナンスの状況を生かしてさらにドミナントとなれる余地がまだあります。

    DuluxGroup社は販売数量ベースでシェアが50%に達しており、ドミナンスを獲得しています。DuluxGroup社はプレミアム製品が中心であるため、金額ベースではもっとシェアを獲得していると推定しています。DuluxGroup社については、約2%のインフレを前提として、製品値上げによる売上増が+2~3%、数量ベースではほぼフラットな市場において、+2~3%の数量成長を目指すことで、結果として5%の売上成長ができると見込んでいます。固定費が2~3%増加しても、オペレーティング・レバレッジが効くことで+6~7%の成長を見通すことができると考えています。

    Dunn-Edwards社は全くドミナントではないものの、引き続き成長投資を進めていきます。また、市場シェアが19%のインドネシアも、現地の競合他社とほぼ同等のシェアであり、1、2位を争っていることから、ドミナントとは言いがたい状況です。競合他社も非常に強力であるため、残り60%のシェアを取り込んでいくことで、まだまだ成長の余地があると考えています。

    したがって、3年程度の期間で見ればオペレーティング・レバレッジ効果によるマージン改善は見込みにくいかも知れません。ただし、先ほどご説明した通り、連結CAGR目標として売上収益で+8~9%、EPSで+10~12%の成長を目指しており、相応にレバレッジは効いていると言えます。しかしながら、現在はレバレッジをより作用させる時期ではないと考えています。

質問者:UBS証券株式会社 大村俊太氏

  • A1個別の案件については回答を差し控えさせていただきます。

    M&Aにはさまざまなパターンがあり、例えば、ボルトオン買収(既存事業の補完・強化を目的とする買収)と、橋頭堡のための買収では考え方が異なります。ボルトオン買収に関しては、その地域のパートナー会社が興味を示すかどうかが重要となります。カザフスタンのAlina社は、新地域でありながらもボルトオン買収に該当します。トルコのBetek Boya社が当社グループに加わった後、新たにカザフスタンを開拓したいと考え、販売会社を設立し4年間にわたって市場理解を深めていました。その中で、カザフスタンは塗料やモルタルなどで有望な市場でありながらも地産地消であるため、物流面を考えるとトルコからの輸出では限界がありました。現地で生産するか、現地企業が売却されるのを待つ状況となり、競合状況やバリュエーション、事業の安定性、経営陣の優秀さなどを総合的に検討していました。この案件においては、トルコチームとNIPSEAチームが前向きであり、絶対に成果を出す、自分たちのインセンティブに組み込んででも成し遂げたいと思っていることが非常に重要でした。

    一方、飛び地となっているような地域については、比較的規模が小さく中途半端な大きさの会社では、その会社の経営陣1~2人に依存してしまい、全体を管理する企業体がない場合は、リスクが高いと感じます。このように、対象地域が遠ければ遠いほど、当社としては抵抗感が出てきますし、そうでない場合は、次世代人材も含めて経営陣が十分に揃っているかを併せて検討します。

    このような中で、当社の基準に適さないと判断した会社はいくつもあります。その中には、最終的に価格まで提示して見送った案件もあれば、そこに至る前に難しいと判断した案件もあります。当社は良いものを安く買うことを徹底しているため、基準に合わない、その価格では買えないなどの事例がいくつもあります。一方で、検討している案件の中には、十分に可能性があるものもあり、それらをどのように今後詰めていくかを引き続き検討しています。

  • A2これまでと比べてほとんど変わりません。ずっと忙しく検討しています。

質問者:コーティングメディア 近藤亮吉氏

  • A1再び1社に統合したら良いのでは?という意見は社内でも存在しています。しかし、私とウィーは現在、それを実行するのは時期尚早と考えており、将来的に実施するかどうかの判断はしていません。塗料事業は基本的に儲かる事業である中、分社化によってアカウンタビリティを見える化し、各リーダーに数字へのこだわりをもってもらうという利点はあり、そこは引き続き維持していきたいと考えています。
    今の事業会社体制においても、組織の壁やサイロを乗り越える意識はあって良いと考えています。兼務体制を進めていくと、自然と組織の壁やサイロを乗り越えざるを得ず、そのような仕組みや場を提供すればきちんと機能します。このようなマインドを持たずにいたずらに1社に統合しても、さまざまな問題が逆に生まれてしまうリスクを私やウィーは懸念しています。
    日本グループにはまだまだ改善が必要な領域があるため、組織の壁やサイロを乗り越える意欲についてもまずはリーダーから始めようとしており、CCOや樹脂センターのトップなどで実施しています。リーダーがサイロを乗り越えられなければ、その下の従業員も乗り越えられるわけはないため、一気にステップを踏むことばかりが得策ではないと判断しています。
    将来的に1社に統合するかどうかについては、現時点では何も決まっていません。

  • A2やがて組織を1社に統合するとは申し上げていませんが、「One NIPPE」という社内スローガンのもとで取り組んではいます。CCOや樹脂センターの設置や、樹脂センターのトップを自動車用のトップが務めることもその一環です。「One NIPPE」は口を酸っぱくしながら社内に伝えており、リーダーからすれば責任の範囲が拡大していく中、後進をもっと育てる意欲にもつながっています。

  • A3その通りです。短期的な数字はもちろんですが、長期的な持続性を無視し、ひたすらコストカットするわけではありません。したがって、当社の事業体が長期的に永続できるように必要な投資はしていきます。一方で、無駄な会議や人材の配置などは積極的に減らしていく方針です。

質問者:化学工業日報社 小澤直樹氏

  • A1地域によって多少の増減はあるものの、グローバルで見れば基本的には大きく変わらず、現在の塗料を主体とした事業構成では、設備投資額は売上収益の3%程度になります。売上収益は拡大していくため、絶対額としては多少増えていく見込みであるものの、その割合自体が今後大きく変わることは現在想定していません。
    日本グループでは、技研棟の建設や老朽化した設備の更新需要があるため、少し増加する可能性があります。ただし、それらをいたずらに豪華なものにしていくのではなく、質実剛健なレベルで対応しながら、サステナビリティを確保していきたい考えです。

  • A2具体的には申し上げられませんが、建築用は設備投資が比較的少なくて済む事業です。当社グループは売上収益の6割以上を建築用が占めているため、建築用が主体の地域では比較的設備投資が少なくなります。DuluxGroup社もどちらかといえば少ないものの、SAF(密封剤・接着剤・充填剤)の一部工場の老朽化が進んでいることから、維持更新と比較した上で新設する判断を下しており、一時的に増加する傾向にあります。
    日本グループも比較的設備投資が多い地域であり、既存設備を大切に使いながらも、必要な更新投資は行っていく方針です。
    投資の必要性としては、BtoB事業の方が若干高い認識です。

質問者:参加者B

  • A1当社は「企業価値の最大化」ではなく、あくまでステークホルダーの優先順位として株主を最下位に位置付ける「株主価値の最大化」を経営上の唯一のミッションとして追求しています。
    その上で、MBOは一切検討しておらず、長期視点でMSVを追求しています。これには2つの側面があり、1つ目は、現在の株価水準ではないとしても、将来的には資本調達はM&Aにおいて非常に大事な選択肢であると考えています。2つ目は、大株主であるウットラムグループは資産管理会社であり、ファミリー企業であることから、当社が上場していることによる市場流動性の確保は非常に重要な要件であると考えています。

このWebサイトには、いくつかのCookieと同様の機能が必要です。
お客様が当社を許可する場合、当社はサービスを改善するために、これらの手段を使用して集計統計のお客様の訪問に関するデータを収集します。さらに、YouTubeを使用して動画を表示します。動画を視聴することにした場合にのみ、Cookieなどの手段を使用します。許可しない場合は、技術的なCookieのみ使用されます。
詳しくはこちら