概要
高齢化が進む中、加齢に伴う視力の変化は、日常生活における移動のしやすさや転倒リスクに影響を与える重要な課題の一つです。食堂への移動やトイレの利用、階段の昇降といった日常動作も、空間設計が身体的な特性に十分配慮されていない場合、高齢者にとって大きな負担となり得ます。
日本ペイントインドネシアは、CSRプログラム「Colouring Lives」の一環として、インドネシア・バンテン州タンゲランにあるMarfati Nursing Homeで環境改善プロジェクトを実施しました。安全性に配慮した色使いや視認性を高める表示を取り入れることで、より安全で快適な高齢者に配慮した空間づくりを進めるとともに、入居者が参加する交流プログラムも行いました。
色彩設計を通じて日常の移動を支援
今回の環境改善では、階段、トイレ、活動動線、避難エリア、そのほかの共用設備など、特にリスクの高い場所を重点対象としました。コントラストのある色彩や視覚的な目印を効果的に取り入れることで、入居者が空間を認識しやすくなり、日常生活における方向把握を助けるとともに、転倒リスクの低減を後押ししています。
この取り組みは、塗料が単なる美観向上にとどまらず、実用的な価値を発揮できることを示すものです。視認性や動線の分かりやすさが求められる空間において、色彩を活用することで、高齢者のより安全な移動と安心感の向上に貢献しています。


耐久性・視認性・衛生面に配慮した製品を活用
本プロジェクトでは、日本ペイントインドネシアが180リットルの塗料を寄贈し、各エリアの用途に応じて複数の製品を使い分けました。床面の高い耐久性が求められる場所にはNippon Epoxyguardを使用したほか、外壁の耐候性向上を目的としたWeatherbond Max、清掃しやすく抗菌性を備えた内装用塗料のNippon Easywash、視認性を高める蓄光塗料のNeonGloも採用しました。
各製品と色彩は、それぞれ明確な役割を持って選定されています。危険箇所、車いすの通行経路、トイレ、避難ルート、安全ポイントなどを示すために活用され、暗い場所や照明が限られる環境でも視認しやすいよう配慮しました。また、清掃しやすく抗菌性を備えた内装用塗料の活用により、共同生活空間における衛生的な室内環境づくりも支えています。


高齢者の自立と生活の質向上を後押し
このプロジェクトは、色彩と機能性塗料の活用を通じて、入居者の自立と生活の質の向上を後押しすることを目的としています。重要な場所を識別しやすくすることで、日々の移動における不安を和らげ、より利用しやすく安心感のある生活環境の整備につなげています。
Marfati Nursing Home Foundationの理事長であるSister Regina氏は、コントラストのある色使いによって、特に階段やトイレ周辺で、入居者がより自信を持ち、安全に自力で歩きやすくなったと述べています。
交流プログラムを通じたつながりづくり
物理的な環境改善に加え、今回の取り組みでは「Sabtu Bersama Oma & Opa(おばあちゃん・おじいちゃんと過ごす土曜日)」と題した参加型プログラムも実施しました。日本ペイントインドネシアの社内チームが入居者とともに、創作活動や交流、身近な安全に関する学びの機会を設け、温かな雰囲気の中で時間を共有しました。
この取り組みにより、環境改善に加えて地域交流の要素が加わり、生活空間の整備と社会的なつながり、入居者の参加を組み合わせた活動となりました。

色彩を通じて高齢者にやさしい環境づくりを推進
「Colouring Lives」の枠組みに沿った本取り組みは、色彩が空間を彩るだけでなく、あらゆる世代の人々がより安全に、自信を持って、日々の生活を送れる環境づくりにも貢献できるという日本ペイントインドネシアの考えを示すものです。入居者向けの交流活動とあわせて、塗料が高齢期の安全性、利用しやすさ、ウェルビーイングを支える可能性を示しています。
