独立社外取締役 ピーター・M・カービー

独立社外取締役 ピーター・M・カービー
プロフィール
2022年3月、日本ペイントホールディングス(NPHD)の独立社外取締役に選任。ICI Paints WorldwideのChairman and CEOやDuluxGroup(当時豪州証券取引所上場企業、現当社子会社)のBoard Chairmanなど、グローバルな塗料事業会社での経営者として40年以上の経験を有する。その他、豪州最大の民間健康保険会社Medibank Private LtdのChairman、Macquarie Bank & Group、Orica LtdのIndependent Directorを務める。当社の独立社外取締役として選任以来、当社グループの戦略、グローバルな事業成長、業務運営の改善、人材育成に積極的に貢献している。
2023年からは監査委員会委員として、リスク管理やガバナンス、業務管理に関する助言を提供。
Q.1

ご自身の強みやスキルについて教えてください。

個人としての成長

私はグローバルなリーダーシップを発揮することにより、ICI Paintsを2000年までに世界トップクラスの塗料メーカーへと成長させることに大きく貢献しました。CSR Ltdは、米国No.2のコンクリートメーカーかつ世界最大のコンクリート管メーカーへと成長しました。当社においては、DuluxGroup社と当社による欧州Cromology社、JUB社、NPT社の買収を支援しています。

戦略と功績

CSR Ltdにおいては、採算の取れない20の事業を売却し、新たに30の事業を買収することで再編し、重建築材市場で世界トップ10の企業にしたほか、米国事業と国際事業を分離することで株主価値を最大化しました。再編・分離を経て設立されたRinker Materialsはその後買収されたことで、CSRとRinkerの株主の投資資金は4年間で4倍以上に成長しました。

タレントマネジメント

急成長する市場においては、ICI PaintsとICI Groupグループ全体のアジアでの経営者サクセッションと育成計画をリードしました。この経験は、当社の成長において非常に価値があります。

「株主価値最大化(MSV)」への貢献

私は、長期的な成長戦略の策定と巧みな実行による当社のMSV実現に全力を注いでいます。また、当社グループのパートナー会社グループ(PCG:地域・事業ごとのPC群)への各種責任(responsibility and accountability)の委譲もサポートしています。こうしたアプローチのメリットは、NIPSEAの大幅なオーガニック成長やM&Aでの成長、昨今のDuluxGroup社による欧州市場での買収を通じた成長を見れば明らかです。当社グループの優れた業績は、こうしたアプローチによるものです。

Q.2

MSVをミッションとする当社の強みや魅力、課題についてのお考えをお聞かせください。

市場におけるポジションと成長

当社は、世界で最も急成長しているアジア塗料市場のマーケット・リーダーであり、欧州では買収を通じて成長して第4位に位置、豪州とニュージーランドではマーケット・リーダーとなっています。自動車用塗料や船舶用塗料市場はグローバルで成長しています。米国では、カリフォルニア地域で強固なポジションを確立しています。密封材、接着剤、建設化学品などの塗料周辺分野でも一部地域で大きなプレゼンスを持っており、各分野における強いポジションをグローバルに拡大することで大きな成長余地があります。

経営理念

当社の取締役会と経営陣は、法的、社会的、倫理的、サステナビリティに関する責務を充足することを前提としながら、MSVに取り組んでいます。これは、長期的な成長と業績拡大を達成するべく、塗料事業で専門知識と経験豊富なCEOが率いる独立したPCGに対して、組織として幅広い分野で自律性と意思決定権を与えることで実現しており、各PCGの事業部門も同様の基準で運営されています。「アセット・アセンブラー」モデルのもと、新たな買収先企業と経営陣を当社グループに招き入れ、勢いを失うことなく事業運営を進めることができます。一般的に欧米企業が行っている指揮管理型モデルでは、買収先企業は買収企業の経営管理システムに組み込まれ、事業運営の勢いが大きく削がれるケースが散見されます。当社メンバーのひたむきさと熱意は、買収先企業においても非常に顕著です。

リスク管理

グループのグローバルな規模拡大に伴い、取締役は各PCGの自律性を尊重しつつも、リスク管理とリスク軽減、効果的な会計管理システムを確保する必要があります。買収にはリスクを伴いますが、私のM&A経験は監査委員会で役立ちます。当社の「Audit on Audit」体制では、信頼関係のもとで経営陣と外部監査人が協働しながら監査結果をレビューしています。これまで現地監査を通じて多くの事業部を訪問していますが、リスク管理が十分に行われていることが分かります。

コーポレート・ガバナンス

ガバナンスは、特に大株主がいる企業のケースでは取締役会が集中して取り組むべき重要な領域です。当社には、少数株主利益を保護する優れたガバナンス体制があります。大株主と少数株主の利益が一致しているため、大株主の存在は当社においてはそれほど大きな潜在的課題ではありません。

キャッシュ創出、資本、ファイナンス

当社の事業は、潤沢なキャッシュを生み出す低資本集約型のビジネスであり、創出したキャッシュを既存の事業地域や新たな地域への振り向けることができます。さらには、「アセット・アセンブラー」モデルによって、大規模な買収に対して低コストの借入れを活用することができます。これらは競争上の重要な利点であり、共同社長と取締役会はこれらをMSVにつなげるという使命を負っています。

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