「インド事業」のウットラムグループからの買い戻しについて 質疑応答要旨

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質問者:ゴールドマン・サックス証券株式会社 池田篤氏

  • A1競合環境についてはご指摘の通り、新興の競合他社が参入してきており、市場環境の厳しさは、2021年の譲渡時から緩和されていません。

    2021年の譲渡後、当社との資本関係はなくなりましたが、当社グループが引き続き事業運営を担当し、経営状況をモニタリングしてきました。建築用では南部2州のシェアと収益性の両立を前提とし、販売店向け施策を含むマーケティング投資を南部2州に集中させた結果、原材料価格の低下や新型コロナウイルス影響からの回復と併せて、厳しい競合環境においても打ち勝ち、将来の収益性の獲得が見込めると判断しました。

    南部2州における市場シェアの開示は差し控えますが、2021年の譲渡時と比較すると、市場シェアを大きく伸ばしています。インド全土での当社シェアはまだ低いですが、南部2州については、大手競合他社のシェアを奪っていくためにさまざまな施策に取り組んでいます。「赤字は悪である」という考えから脱し、赤字を覚悟してでもシェアを向上させ、その後収益性を高める戦略を推進したことで南部2州では結果を出しており、この戦略は南部の隣接州でも展開可能だと考えています。ただし、競争環境は激しく、当社のリソースも追いつかないため、すぐにインド全土へ展開することは想定していません。より大きな市場である北部への展開には一層のリソースと異なる戦略が必要になるため、まずは南部を中心に考えています。

  • A2南部2州だけでも約1億4,000万人の人口に上るため、インドを1つの市場として捉えるのは非常に困難です。当社の見立てでは、南部2州での当社の建築用シェアはNo.2に上がっており、まずはこの2州でNo.1を目指します。大手競合他社の存在はありますが、NIPSEAスタイルのマネジメントを継続することで、南部の複数州でシェアNo.2やNo.1を狙える可能性は十分にあります。
    北部はさらに将来的な話であるため、建築用においてはインド全土という括りで市場を捉えていません。限られた州であっても規模の大きい建築用市場において、当社はシェアと収益性の両立が可能であると考えています。

質問者:みずほ証券株式会社 吉田篤氏

  • A12021-2022年は原材料価格の高騰やコロナ影響などにより、競合他社も含めて厳しい時期でしたが、NPI社は2021年後半から積極的なマーケティング投資を開始しました。ピンチをチャンスに変えるのがNIPSEAの強みであり、厳しい時にこそ施策の効果が出るとの考えをもとに取り組んだ結果、2022年から徐々に投資効果が出ています。
    また、原材料価格の高騰に対応した値上げ効果だけでなく、販売数量の成長によるオペレーティングレバレッジ効果も出ています。

    BNPA社については、Berger社との合弁会社であり、NPI社とは別で運営されていました。売上拡大や収益性改善のため、BNPA社の日々のオペレーションはNIPSEAが担い、設備などの生産面はBerger社が担っています。NPI社とのシステム統合により、管理やバックオフィス業務を一体化したことで、調達面でもさらに効率化しています。
    また、NIPSEAとBerger社において、成長への一体感といったマインドセットなども含め、経営自体が大きく変わり、NPI社にも良い影響を与えています。

    したがって、両社の業績改善にはさまざまな要因があるのですが、非常に信頼できるリーダーたちがモチベーション高くマネジメントしている点は共通しています。

  • A2定常的な見直しに加えて、BNPA社はNPI社との一体運営による固定費の削減や、日本からの出向を解除しています。NPI社に関しては、積極的に攻めていく時であるため、販路拡大のために人員強化をしています。
    NPI社は市場シェアの上昇による数量成長や価格効果が寄与する一方、BNPA社はコスト管理や製品値上げ、運営効率の見直しなどが奏功しており、2社の成長要因は若干異なっています。

質問者:野村證券株式会社 岡嵜茂樹氏

  • A1戦略的投資に関しては、例えば、インドで人気のクリケットでの協賛などによる露出増加や、イメージキャラクターを使ったメディアキャンペーンなどの施策が好調で、当社ブランドの知名度や好感度は向上しています。
    さらに、販売店向けインセンティブプログラムや塗装業者向けロイヤリティプログラムなどの実施などにより、当社への信頼感の醸成に取り組んでいます。
    またインド南部2州の地域に限定し、訴求する顧客層を明確にしたことで施策効果が見えやすく、改善・追加施策を迅速に実施できた点も奏功しました。
    詳細な市場シェア数値はお伝えできませんが、手応えを感じる2年となりました。

    増収要因の内訳に関して詳細な開示は差し控えますが、NPI社、BNPA社ともに2022年は数量と価格の両方で成長しています。NPI社については、市場シェア拡大による寄与も含めて数量成長を達成しており、またその他の要因においてもプラス成長しています。BNPA社については、市場シェアが簡単に変わる分野ではないため、価格要因での成長が大きく、市場成長とシェア拡大による寄与も含まれていますが、NPI社ほどではありません。

  • A2塗料は急成長する市場ではないため、地道な施策の継続により信頼感を醸成する点は競合も同様だと考えます。その中で、例えば、すでに認知度のある当社のイメージキャラクターの露出を増やすことで、子供から親へと認知を拡大する施策は、俳優を起用した広告などよりも効果は長続きするのですが、それでも一朝一夕で信頼を獲得できるものではありません。
    販売店や塗装業者向けのインセンティブプログラムについても、当社製品を一度使用し、高品質を実感することで、リピート購入を獲得しています。
    NPI社は当社とNIPSEAが50%ずつ出資する合弁会社でしたが、2021年のアジア合弁事業100%化により、当社の完全子会社となったことで、上場企業の子会社として競合他社を超える覚悟を持って改革に取り組んだ結果と考えています。

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