質疑応答要旨:AOCの競争優位性と事業戦略

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質問者A

  • A1競争環境に関しては、非常に実力があり戦略性の高い競合他社が存在しており、当社は各社に対して競合としての距離は保ちつつも高く評価しています。フォーミュレーション事業においては、競合他社は時間をかけて投資してきた特定の分野を持ち、その分野で確固たるポジションを築いてきました。

    一方で当社にも、重点的に投資し、ポジションを確立してきた分野があります。他社は優れた競合相手であることは間違いありませんが、同時にお互いにフォーカスしている領域や強みはそれぞれ異なっていると考えています。他社との違いで重要な点は、まず当社が市場の最も魅力的な領域に注力していることです。説明資料1ページの図にあるように、当社が注力する市場の約80%がCASE用途や着色剤、カスタマイズされた領域に集中しています。当社はこれらの分野を最も魅力的な領域と捉え、これらの分野の比重を高めています。

    さらに、当社のビジネスシステムが他社との差別化要因になっています。このシステムにより優れた業績を達成してきており、その結果、当社は最高の品質、納期、サービスを提供していると顧客に評価されています。 一方で競合他社は非常に強力な存在ですが、当社は市場で独自のポジションを確立しているため、競争優位性を享受できていると認識しています。

    業界の競争環境の変化に関する質問については、説明資料3ページの図表左部分で示す通り、業界では統合が進み、その大部分がAOCを含むグローバルに事業を展開する3社によって主導されてきました。これら3社は、長年にわたる業界統合への取組みにより、グローバル・プレーヤーとして台頭してきました。

  • A2現状を踏まえると、市場は底あるいは底に近い水準にあると考えます。ご指摘の点については、2025年の市場成長率を2024年と比較した場合、需要が減少しました。しかし、この傾向を分析すると、市場は現在が底あるいはその周辺にあると推測できます。例えば2021年と現在の市場の需要を比較した場合、販売量は20~25%減少しています。

    当社が把握している指標に基づくと、一定の期間で見た場合、市場は完全に回復する見込みで、将来的には大きな追い風になると考えています。回復の速度は、金利水準や、利下げのペースなど多くの要因に左右されます。このため、回復のタイミングについて明言するつもりはありません。しかし現状を踏まえると、中期的には市場は完全に回復すると確信しています。

    2番目の質問については、当社は引き続きコントロール可能な要因に注力しています。ビジネスシステムにはまだ改善の余地があり、イノベーションの推進や、価値創造のための各種施策にも継続的に取り組んでおり、さらなる成長余地があると考えます。当社はさらに、M&Aの機会も引き続き模索していく方針です。具体的な時期を言及するのは難しいものの、この方針を堅持していく考えです。これらすべての要素を踏まえ、当社は将来の成長機会について前向きに捉えています。

質問者B

  • A1まずCASE、着色剤、カスタマイズ製品に関する市場については、技術的な要素が強いことから、当社のビジネスモデルにより適合していると考えています。解決すべき課題が複雑で、カスタマイズされたソリューションが求められるため、当社のビジネス戦略と非常に合致しています。他社は異なる戦略を採っているかもしれませんが、こうした市場特性は当社の戦略には非常によく合致していると言えるでしょう。この戦略こそが当社にとって最適な選択で、顧客にもより多くの価値を創造、提供できていると考えます。 エンドユース市場に関しては詳細に言及しませんが、インフラ分野に大きな比重を置いています。このセグメントは景気後退局面でも比較的堅調に推移してきたとみており、今後の成長性という点でも魅力的だと考えています。エンドユーザー向けのセグメントはかなり分散されていますが、インフラ分野については競合他社よりもウェイトが高いと言えます。

    地域別では米国に高い比重を置いています。当社は、米国市場でトップシェアを獲得しており、売上収益に占める米国の割合も他社を大きく上回っています。世界の他地域よりも米州市場を魅力的だと考えているため、米州地域のウェイトが高いことは好ましいと捉えています。

  • A2当社と日本ペイントグループ内の他のパートナー会社との間には差異が存在します。しかしながら、当社の見方としては、他のパートナー会社もフォーミュレーションを手がける会社であり、ビジネスの進め方やアプローチについて学び合える機会が多いと考えています。 顧客向けだけでなくサプライヤー対応の面でも、市場の重複部分があり、日本ペイントグループ内のパートナー会社とは、議論を進めています。これらの取り組みは非常に有意義なので、今後も継続的に協業していく予定です。

質問者C

  • A1当社がサービスを提供する市場は多岐にわたっているため、これは難しい質問です。プレゼンテーションで説明した通り、当社は住宅と商業用建設の双方で事業を展開しているだけでなく、輸送分野にも進出しています。輸送分野は乗用車だけでなく、大型トラックやレクリエーションビークル(RV)などの市場も含まれます。

    インフラ分野では配管、橋梁の修復から代替エネルギーに至るまで、あらゆる分野で事業を展開しています。また、非常に多数の小口顧客に製品を供給する流通分野にも進出しています。

    このため、見通しを見極める特定の指標が1つか2つあるわけではなく、これら多様な市場を総合的に見て判断しています。簡単にお答えすることができれば良いのですが、単純な回答は持ち合わせておりません。

  • A2一般的には、北米と欧州の両市場で底打ちしたか、あるいは底に近づいていることを示す兆候が現れています。この状況は市場全体としての傾向ですが、分野によって状況は異なります。

    例えば足元ではインフラ分野はやや堅調である一方、建設分野はまだ本格的な回復に至っていません。底打ちのタイミングにはばらつきがありますが、現在の指標を見る限り、全体としては底打ちした、あるいは底に近い状態にあると見ています。

  • A3買収の価格やその水準について、買い手としての日本ペイント、売り手であるLone Star Fundのいずれの立場からもコメントしませんが、NPHD(日本ペイントホールディングス)がAOCにとって優れたオーナーである理由は説明できます。

    第一に、AOCはNPHDが掲げる「アセット・アセンブラー」モデルに明確に合致しています。第二の理由は、当社は他の塗料メーカーと完全に同じではないものの、フォーミュレーションを手掛ける会社であり、日本ペイントにとって当社は既存事業に非常に近い領域への非常に良い一歩だと考えています。第三の理由としては、AOCは業績につながるビジネスシステムに関して順調な軌跡を歩んでおり、そのビジネスシステムを活用することで当社の事業だけではなく、M&Aによっても極めて良好な業績を上げることができると確信しているためです。

    また、日本ペイントが「アセット・アセンブラー」モデルを実践し、戦略的な買収に投資する方針を打ち出している時期に、当社がM&Aを行うに値する会社になったと感じられる成長軌道にあるなか、日本ペイントは「アセット・アセンブラー」モデルを推進して優良な企業を積極的に買収する方針であり、この両者の組み合わせは最適だと考えます。

質問者D

  • A1来年度の成長に関する具体的な見通しには言及しませんが、現状の傾向を踏まえると、全体的に底に近いと見ています。

    最初に回復が期待できる分野は、おそらく地域によって異なりますが、アジア市場のトレンドが必ずしも欧州や米国と同じとは限りませんが、一般的には足元の状況を踏まえると、インフラ分野が回復の下地が整っていると考えます。

    各市場の詳細な状況と回復の順番については、これ以上の言及を控えます。

  • A2現時点でマージンについて将来的な予測は控えますが、すでに見えている実績ベースでの状況についてコメントしたいと思います。

    先ほどご指摘があった通り、市場は2024年から2025年にかけて縮小が続きましたが、その中にあっても当社はマージンを維持することができました。これは当社のビジネスシステムの強さを示すものであると考えますが、これ以上の言及は控えます。

質問者E

  • A1当社の配合は独自のものであると考えます。「当社製品を模倣することがどれほど容易か」というご質問についてですが、まず申し上げたいのは、説明資料の5ページにある通り、まず当社の製品は3,200を超えるSKU(最小在庫管理単位)で構成され、1,000社を超える顧客を抱えているため、製品も顧客も非常に細かく分かれたポートフォリオになっているということです。

    第二に、当社が戦略的に特に重視する分野は、カスタマイズされた配合に対する強いニーズが存在する市場と顧客、用途です。説明資料の図が示す通り、まず最終製品メーカーの要件を深く理解する必要があります。同時に、直接顧客の要件を深く理解し、適切なリードタイム、適切なコストで製造可能な体制を構築するための要件も満たさなければなりません。これらの要件はそれぞれ異なる、解決が簡単ではない場合も出てきます。

    これらの問題を個々の顧客のため明確に理解し、解決することが容易なのか、またさらに、多数の顧客向けに問題をいかに簡単に解決することが容易かということですが、当社の見解では、配合というものの性質や、市場の細分化ゆえに、これは非常に複雑になりがちであり、その複雑さゆえに、顧客は他社に乗り換えづらい傾向になりやすいと考えています。

    中国の企業が当社の製品を模倣することが容易かどうかという質問は、例えば米国市場を念頭においたものだと思いますが、現時点までのところ、そのような事案はほとんど確認されていません。

  • A2まず米国での評価とビジネスシステム導入の十分な成果に対する理解に感謝します。ただ米国での進捗状況を誇りに思う一方で、まだ改善の余地があると考えています。

    欧州では質問の通り、さらに大きな改善の余地が残されていますが、その理由は主に優先順位とタイミングの問題です。当社の事業の大半は米国に集中しているため、ビジネスシステムの開発は米国から開始し、その後、システムの有効性を実証した後、欧州、アジアに導入する予定でした。

    米国市場を優先したため、欧州やアジアに比べて米国での導入が先行しているというのが現状です。このため、世界各地でビジネスシステムの普及を進めるため、特別な方法が必要とは考えていません。従来のプログラムを継続することで、欧州やアジアでもビジネスシステムの普及を継続的に進めることができると確信しています。

質問者F

  • A1画一的な回答はありませんが、一般的には説明資料5ページにある通り、当社の戦略の要諦は、顧客、さらにはその顧客の顧客ともパートナーシップを構築し、顧客の課題を理解した上で、最適なソリューションを創出することです。これは、コモディティケミカルのように、各社が同じ製品を販売し、フォーミュラで価格が決まり、製品の化学組成も本質的には同じである、といったビジネスモデルとはまったく異なるモデルです。

    成長の方向性に関しては、市場がこれまで経験した約20~25%の需要減から回復するにつれ、当社の需要も上向きに転じると予想しています。さらに、特に他社と差別化された技術を誇り、市場の追い風が見込める分野でイノベーションに注力する予定です。

    当社が競合している材料は、多くの場合他の不飽和ポリエステルフォーミュレーションではなく、イノベーションプロジェクトに関連する別の材料である場合もあります。例えば当社の超軽量複合材料配合に関しては、他社の製品よりも格段に優れており、鉄鋼などの代替材料の置き換えを目指しています。

    飲料水パイプやリライニング分野では、不飽和ポリエステルフォーミュレーションが使われておらず、従来のプレーヤーとは競合していません。こうした構図は、当社のイノベーション案件でたびたび見られるパターンです。 当社がイノベーションを進める際には、差別化された技術を持つ魅力的な市場をターゲットとし、多くの場合、既存の代替材料を置き換える形で競合しています。中期的な視野で見込んでいる市場成長を上回る成長を実現することを目指しています。

  • A2全てに当てはまる回答はありません。当社は1,000社を超える顧客を抱えていますが、顧客それぞれの要件や関係性は異なります。このため、この質問については大まかな一般論で語るのは差し控えたいと思います。

    当社は次善の選択肢よりも、さらに高い価値を生み出し、その価値を顧客と共有することを目指しています。顧客に最大価値を提供することで、同時に当社もその価値を共有することを目指しています。

    先の説明との繰り返しになりますが、3,000を超える製品と1,000社を超える顧客はそれぞれ異なる特性を持つため、一般的な回答は控えさせていただきます。

質問者G

  • A1AOCは複雑性を受け入れ、低コストでその複雑性を管理するビジネスシステムを通じて多くの取組みを行ってきました。繰り返しになりますが、これは極めて差別化された能力と考えています。当社はこれらのシステムが非常に堅牢であると確信しており、今後も引き続き活用していく考えです。

    ご指摘の通り、最終的に重要なのは顧客の課題を常に理解し、可能な限り大きな価値を生み出すよう努めることです。当社はこの取り組みで生じる複雑性を管理するため、今後もビジネスシステムを活用していく予定です。 当社の見解では、この取り組みは当社、顧客の双方にとって非常に堅牢なアプローチであることが実証されているため、今後もこの方針を維持していきます。

    説明は以上です。本日は経済状況の見通しに関する発言を控えますが、当社のアプローチが上手くいっていると考えていることから、今後もこの方向性を堅持します。

  • A2具体的な数字はお示ししませんが、カスタマイズ分野は当社としても非常に重視しており、実行可能な範囲で最大限の取組みをしていく方針です。 ただ現時点で、来年や5年後の見通しについて、具体的な数値をお示しすることはできません。

  • A3先に説明した通り、当社はまず米国でビジネスシステムの開発と改善に注力した後、欧州、そしてアジアで展開してきました。その成熟度については、先に言及した通り、最も成熟しているのが米国で、次いで欧州、アジアの順となっています。 アジアに関して申し上げると、第一のフォーカスはビジネスシステムを継続的に構築し、基盤となる事業の健全性を高めることです。その後に成長戦略の他の側面について検討していく考えですが、アジア市場での現在の焦点は、まずビジネスシステムの継続的な構築と基盤となる事業の健全性向上です。

質問者H

  • A1その質問に対して単一の答えがあるわけではありません。繰り返しになりますが、当社は常にビジネスシステムにフォーカスし続けており、イノベーションをどう改善するか、コマーシャル・エクセレンスをどう高めるか、調達やリーン生産方式をどう向上させるか、という点に継続的に取り組んできました。これらすべてが非常に重要であったと考えています。

    当社はCASE、着色剤、カスタマイズ製品を重視する戦略を実行してきました。こうした取り組みすべてが、顧客に価値を生み出し、その価値の一部を顧客と分かち合う上で、非常に効果的だったと考えます。特に寄与した要因を1つに絞ることはできません。

  • A2先に説明したとおり、当社は1,000社を超える顧客を抱え、世界各地で事業を展開しているため、単一の回答はありません。シンプルな答えをお示しできればよいのですが、残念ながらそうした答えは持ち合わせていません。

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