ガバナンスへの取り組み

取締役会議長メッセージ

写真:筆頭独立社外取締役 取締役会議長 中村 昌義
筆頭独立社外取締役
取締役会議長
中村 昌義

タイムリーかつ適切なリスクを執行が果敢に取り続けるために

当社の取締役会は、共同社長として執行を兼務する取締役2名、大株主ウットラムグループの代表でもある非業務執行取締役1名、独立社外取締役6名の合計9名により構成されています。 当社が掲げる経営上の唯一のミッションである「株主価値最大化(MSV)」は、少数株主の価値最大化を求めることと同義です。これは、取締役全員の共通認識であり、私たちは、自身が「株主の代理人」としての責務を果たしているかを常に問うています。 とりわけ、少数株主をはじめとする株主の皆様から付託された責務は、「MSVに資する投資機会の取りこぼしはないか」「執行側から提案される施策のリスク計測に甘さはないか」を常にモニタリングすることです。そのためには、スキルマトリックスに示された一人ひとりの多様性を取締役会での議論に最大限生かし、多角的な視点で事案を見極める必要があります。

私たちの取締役会は、実際の会議にとどまらず「常時」進行しています。「常時」の取締役会は、執行と監督の分離を進めながらも、双方の「情報の乖離」を限りなく小さくしています。 独立社外取締役は、執行トップの若月・ウィー代表執行役共同社長をはじめ、パートナー会社の主要経営陣と密接にコミュニケートし、常に最新情報の共有に努めています。加えて、IRを含む定例の業務執行報告など、アップデートを目的とした情報は即時に共有するとともに、議案に関する情報は会議スケジュールに合わせて事前に共有しています。 また、独立社外取締役会議では、少数株主利益の最大化を目指し、事前にアジェンダを用意せず、議事録を取ることもなく、限りなく自由な情報・意見交換の場とすることで、各自がより的確な判断をする上で大いなる助けになっています。

このように、「常時」の取締役会でタイムリーな情報・意見交換がなされており、一堂に会する取締役会では、成長戦略に関わる議論に集中し、より機動的で柔軟な意思決定ができるように努めています。 私たち取締役は、緊密に行われる意見交換や個別の意思決定における議論において、互いの知見を最大限に引き出し、それらを通じてお互いの取締役会への貢献を評価するとともに、それぞれの独立性を確認することを重ねています。 今後も、さらなるコミュニケーションの深化に努め、当社が求めるMSVをより研ぎ澄まし、取締役会の責務を果たしてまいります。

2024年7月31日

指名委員長メッセージ

写真:独立社外取締役 指名委員長 原 壽
独立社外取締役
指名委員長
原 壽

激動する経営環境下における最適なリーダーの指名

指名委員会はMSVの実現に向けて実効性のある最適な執行・監督体制の構築・維持に努めており、特に執行トップである代表執行役社長の発掘・指名は非常に重要な課題であると認識しています。私たちは2020年、指名委員会等設置会社への移行によるガバナンス体制強化や、「アジア合弁事業の100%化・インドネシア事業の買収」を通じたグローバル化の推進に相応しい社長指名を行いました。2021年には、社長からの辞任意向を受けてから1ヵ月ほどの短期間において、これまでの基盤を生かしたオーガニックな事業成長に加え、M&Aを駆使したさらなる飛躍を目指すに相応しい体制として、現在の共同社長体制への移行を決定しました。

激動する経営環境の中、このように予期せぬリスクも含めた多様な局面に対して迅速かつ柔軟に最適な候補者の指名ができるよう、私たちはMSVに資する今後の経営戦略とそのリーダー像について継続的に検討しています。そして、次世代候補者については、画一的な基準による選抜や計画的な育成にこだわることなく、当社の成長とともに拡大する社内外の人的ネットワークを通じた優秀な人材の発掘に努めています。私たちは、報酬委員会とも連携し、共同社長をはじめとする現主要経営陣やその次世代候補者との緊密なコミュニケーションを通じて、経営者としての総合力や人となりを深く把握することが鍵と捉え、執行のリーダーとして信頼に値する人物かどうかを見定めることに傾注しています。

また、こうした執行を監督し、適切な助言による果断な決定を促す取締役の指名についても、同様の考えのもとで継続的な検討を行っています。今後も当社の状況と取り巻く経営環境の双方を見極め、最適な候補者の指名を通じて、MSVの実現に向けた指名委員会の責務を果たしてまいります。

2024年7月31日

報酬委員長メッセージ

写真:独立社外取締役 報酬委員長 リム・フィーホア
独立社外取締役
報酬委員長
リム・フィーホア

MSV実現に向けて共同社長のモチベーションを最大化する報酬

報酬委員会は、適切な報酬制度と後継者計画を通じて、卓越した人材を惹き付け、保持することで、株主価値の最大化に努めています。 とりわけ、成長の鍵を握る共同社長の報酬設計は非常に重要です。私たちは共同社長のMSV実現へのモチベーションの最大化が株主との価値共有に直結すると考えています。この最大化には、「アセット・アセンブラー」を推進する共同社長が、タイミングを逃さず適切にリスクを取ることを後押しする報酬が不可欠です。そうした観点から私たちは審議を重ね、共同社長の報酬から複雑性を極力排除し、全額現金報酬としました。

私たちは指名委員会と連携し、共同社長と継続的にコミュニケーションを図り、多角的に彼らのパフォーマンスを評価しています。その評価を共同社長自身も適切と受け止め、MSV実現に向けたより強いリーダーシップを発揮していることを確認しています。実際に、就任以来、競合他社と比較しても高い成長※が成し遂げられ、中長期的なEPSやPERの向上につながる施策が果敢に実行されていることに鑑み、私たちは現在の共同社長の報酬がMSVの追求に資するものであると判断しています。

同時に、取締役の報酬についても適切な報酬決定に努めています。私たちは執行と監督のそれぞれの役割への貢献を最大限に促す報酬決定に注力すると同時に、株主との価値共有を可能とする報酬のあり方を常に模索しています。報酬委員会は今後も報酬ベンチマーキングなどによる分析も踏まえて真摯に審議を重ね、最適な報酬決定を通じてMSVの実現に貢献してまいります。

2024年7月31日

監査委員長メッセージ

写真:独立社外取締役 監査委員長 三橋 優隆
独立社外取締役
監査委員長
三橋 優隆

ビジネスモデルに根差した潜在リスクへの対応と「Audit on Audit」体制のさらなる進化

MSVを追求する当社グループにおいて、監査委員会はその実現の一翼を担いつつ、執行役による職務執行を監査・モニタリングする立場にあります。特に「アセット・アセンブラー」として企業買収を重ねるビジネスモデルにおいては、買収先の「のれん」に関する潜在的な減損リスクを内包することは不可避であり、監査委員会にとっても、こうしたリスクを適切にモニタリングすることは重要なテーマの1つです。

進行中の買収案件を議論する取締役会の場では、対象先に関する財務計画の妥当性や、環境問題や訴訟リスクなどの損失につながり得るリスクの有無を確認しています。買収後の案件についても状況把握に努めており、例えば、DuluxGroupが2022年に買収した欧州Cromologyに関して、監査委員会では共同社長のみならず、DuluxGroup経営陣へのヒアリングや会計監査人との情報交換を通じて、のれん評価に係る将来キャッシュ・フローの見積もり、割引率の合理性を確認し、減損の予兆をモニタリングしています。

また、2022年には中国の不動産ディベロッパーに対する売掛債権に関わる引当金として134億円を計上しましたが、監査委員会としては、共同社長や現地経営陣へのインタビューを通じて、有効な対策が講じられていることを入念に確認しています。従前の商慣行を改め、回収期間を最小化するなど、再発を最小限に抑えるための必要な対策が採られていると判断しています。監査委員会としては、これら2分野については2024年度も引き続き注視してまいります。

こうした個別案件や事象への対応と並行して、監査委員会では「Audit on Audit」による組織監査の高度化を着実に進めています。「Audit on Audit」はPCGにおける内部監査とControl Self-Assessment(CSA)による自己評価を柱としています。2023年度は内部監査において監査計画策定プロセスに関するベストプラクティスを共有する一方、CSAについてはサイバーセキュリティリスクに関する内容を充実させました。いずれも内部監査関係者が一堂に会するGroup Audit Committee(GAC)における活発な議論が土台となっており、今後もGACを有効活用しながら「Audit on Audit」体制を進化させていきます。

2024年7月31日


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