取締役会の議論

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「インド事業」の
ウットラムグループからの買い戻し

当社は2023年8月、2021年8月にウットラムグループに譲渡した3事業のうち、欧州自動車用事業を除いたインド2事業の買い戻しについて、2年前の取引と同じく、独立した第三者による評価を取得し、特別委員会を設置した上で、特に少数株主利益の保護という観点から議論し、決議しました。当ページでは、本件に関する各取締役の意見をご紹介します。

※ゴー取締役は利害関係者に該当するため、全ての会議に参加していません。

2021年8月の「欧州自動車用事業・インド2事業のウットラムグループへの譲渡」に関する取締役会の議論は、当社ウェブサイト「取締役会の議論:欧州自動車用事業・インド事業の譲渡」をご覧ください。

  • A当社がインド事業の大きな見直しを検討する契機となったのは、2021年のアジア合弁事業の100%化を経て、改めて事業ポートフォリオをレビューする中で、高い成長が見込まれるインド市場においては当社の進出が比較的遅く、高いシェアを有する大手競合他社に成長性でも収益性でも劣後しており、同時に多くの異業種企業が参入してきたことである。これらの新規参入企業や競合他社に対抗するためには、投資を継続するかを決める必要があった。投資を控えれば競争に負けることは明らかであった一方、対抗するには広告やチャネルの構築などで多額の資金を投じなければならず、かつ投資を続けても成功しないリスクがあった。

    このような状況下、当社独自で取り組むケースや第三者に売却するケースなどの複数のシナリオを検討した。自社で再建する場合、短期的に財務上の負担が大きく、インドは難しい市場であるだけに、リスク・リターンの観点から資金使途としてMSVに資さない可能性を懸念していた。また、第三者へ売却した場合、買い戻しが困難であり、当社グループ事業の将来性に係る選択肢を消滅させる可能性が高い。ウットラムグループが各種リスクを背負い、当社の将来の選択肢を残す判断を下してくれたため、他の再建案と比較して、本件がMSVや少数株主利益の保護の観点からベストと判断した。そして、この2年間を振り返ると、結果的にインド事業は収益性の改善や市場シェアの向上に想定より早く成功しており、当時の判断は正しかったと考えている。

  • A当社グループによる経営管理の枠組みは継続する中で、抜本的な体制強化や大胆なプロモーションが奏功し、赤字計上を経て、持続的な収益成長の道筋が見えてきた。特に建築用でフォーカスしている南部2州においては、大幅な市場シェア向上と黒字化の両立を達成し、高いブランド認知度を武器に自律的かつ持続的な成長が可能になったと考えている。したがって、今後収益がさらに大きく向上し、買収価格が高額になる前に買い戻すのが良いと判断した。一方で、欧州自動車用事業はまだ改善の途上にあるため、今回は買い戻しの対象としていない。

  • Aこの2年間におけるインド事業の建て直しの成功により、利益は持続的に成長している。したがって、将来を見据えた事業計画において、成長を持続させるための生産能力や広告などの投資は自己資金で調達可能であり、追加資本を投じる必要はないと考えている。また、現地には優秀なメンバーが揃っており、今後もまずは南部2州に集中してプロモーションなどに十分な投資をすれば、競合他社に打ち勝つことは可能である。その確信を得るために、現時点では第3、第4の州に進出する計画はないが、常に先も見据えている。

  • A大手競合他社はこれまでもアグレッシブなキャンペーンを展開していることに加え、異業種からの新規参入企業もあり、市場環境の厳しさは継続している。一方で、大手競合他社のシェアを奪っていくために、競合分析をしながらさまざまな施策に取り組んでいる。

  • Aこの2年間、欧州自動車用事業は、ウクライナ戦争の影響や欧州経済の低迷に加え、(ウットラムグループから運営を委託された立場として)当社の運営にも課題があったため、改善はまだ途上にある。当社は欧州自動車用事業をほぼ毎月見直しながら管理しており、損益分岐点に到達し、持続的な利益計上が可能であると判断する時が買い戻しを検討する目安となる。

  • A現在の事業ポートフォリオにおいては、基本的に各パートナー会社で自律的かつ持続的な成長ができており、課題を抱えていた3事業以外にこうした選択肢を採る可能性はかなり低いと考えている。


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