開発方針と体制
研究開発戦略
今日の社会においては、過去の手法によっては解決が困難な課題が次々と顕在化しています。積極的にパートナーシップを活用し、イノベーション創出力を強化します。
MSV実現に向けた取り組み
当社グループの技術的な使命は、塗料・周辺市場で世界をリードする技術集団を目指すとともに、日本を含む世界で成長を加速し、市場シェアを向上することです。
イノベーション戦略としては、①適応可能な組織の構築、②実現力あるコアテクノロジーの開発、③周辺市場や新興市場への進出、の3つの柱で構成しています。
これは技術的な視点からMSV実現を目指すものであり、顧客中心主義と社会的責任、社会との協調を重視する企業集団としての文化が今後の成功につながる鍵になります。
「LSI(Leveraging(活用)・Sharing(共有)・Integration(統合))」は、グローバル研究開発分野におけるパートナー会社間の共同作業です。
さまざまな地域・セグメントで実施する14件のプロジェクトを実施しており、2026年までに3年間で5億3,000万米ドルの事業インパクトが期待できる見通しです。
さらに、建築用塗料の技術チームはLSIの一環として、世界各地の技術チームが参加するグローバルな技術コミュニティを形成し、共同の技術開発プロジェクトを通じてベストプラクティスの共有や研究能力の活用を進めています。
こうした取り組みを通じて、サイロを取り払い、連携を促進し、組織全体の専門知識と資産をMSV実現に向けて最適化することを目指しています。
研究開発の枠組みとコア技術
当社グループの技術系人材はグローバルで約4,200名、このうち日本では約1,000名に上ります。
技術系人材は、ビジネスの持続的な成長を実現するための強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。
2024年の研究開発費は32,942百万円(前期比9.8%増)であり、連結売上収益に占める割合は2.0%です。
また、新たに約300件の特許を出願し、2024年末時点で登録されている特許権は1,600件に達しています。
当社グループは、塗料とコーティングに関連するコアテクノロジーを12のカテゴリー
(「高分子化学」「色彩科学」「塗料配合」「硬化技術」「分散技術」「塗装技術」「生産技術」
「レオロジー」「耐侯・腐食」「計測学」「AI」「サステナビリティ」)に分類した上で、知的財産を管理しています。
研究開発拠点の中核となるチームには各分野の専門技術者が従事しており、世界で展開する技術開発拠点の技術者と協力しながら、グループ全体の製品開発を支援しています。
当社グループは、世界の大学や学術研究機関と、幅広いオープン・イノベーション・ネットワークを構築しています。
日本グループは2020年に東京大学と戦略的研究に関する提携を結び、共同研究を行う枠組みを構築しました。
東大との提携は、社会コストの削減、環境負荷の低減及びスマート社会の基盤づくりなどの分野を対象としており、革新的な塗料技術の創造を目指しています。
NIPSEAグループはシンガポールで、数十年にわたり科学技術研究庁(A*STAR)の研究機関と提携しています。
最近ではA*STARと戦略的に提携し、自律走行を可能にするスマート・サーフェース分野、塗料研究で人工知能(AI)を応用する分野で破壊的技術を開発しています。
さらに、当社グループは米国マサチューセッツ工科大学と世界中の企業の互恵関係を構築・強化することを目的とする産学連携プログラム(MIT-ILP)へ参加しました。

イノベーション創出に向けた取り組み・プログラム
イノベーションを促進する取り組みの一環として開発した「新製品売上高指数(NPSI)」は、 革新的な技術を駆使して生産した製品の販売量を測定する指標として使用しており、 過去3年間に市場導入した新製品が売上収益全体に占める比率と定義しています。 NIPSEAグループは2018年から、日本グループは2022年から、それぞれNPSIの使用を開始しています。 NIPSEAグループと日本グループを合わせた2024年のNPSIは25%となり、約9,000もの新製品を発売しています。
